結(jié)論から先に述べると、中部國(guó)際空港は地元愛知県の観光地のPRが乏しいので、中國(guó)の空港を見習(xí)ってほしい。中部國(guó)際空港を利用したことがない読者は「そんな馬鹿な」と思うかもしれないが、同空港は主に中華圏からインバウンドを推進(jìn)するために昇龍道プロジェクトをプッシュしている。ちなみに昇龍道とは中部?北陸地方（富山?石川?福井?長(zhǎng)野?岐阜?靜岡?愛知?三重?滋賀）を「龍」に見立てた観光ルートとなっている。

【その他の寫真】

筆者が海外から帰國(guó)して空港の入國(guó)審査場(chǎng)までの通路を眺めると、昇龍道の解説パネルと無數(shù)の三重県松阪市の宣伝ポスターが貼られていた光景には疑問を感じた。愛知県の寫真は名古屋城と名古屋市栄にあるオアシス21のたった2枚（以前は紅葉で有名な足助の香嵐渓の寫真もあった）だけだったからだ。

別に愛知県の空港が他県の観光PRをすることは否定しないが、筆者が見たところ、中國(guó)の空港は他の地域の観光PRはしていない気がする。例えば、山西省太原市の太原武宿國(guó)際空港の場(chǎng)合、到著してから入國(guó)審査場(chǎng)までの通路には山西省の偉人（霍去病、関羽、司馬光といった人物）や地元の食事といった文化の紹介パネルが展示されていた。ゴーストタウンで有名な內(nèi)モンゴル自治區(qū)オルドス市のオルドス空港は、到著すると構(gòu)內(nèi)にモンゴル族の衣裝を著用したマネキンの展示は好印象だった?？崭郅文郡吻挨藥妤鹰毪ⅳ盲郡韦茄鎏欷丹护椁欷郡韦坤?。

中部國(guó)際空港の構(gòu)內(nèi)にも戦國(guó)時(shí)代の甲冑が展示されているのだが、キャッチコピーは「このまち、まるごと、古戦場(chǎng)　関ヶ原町」となっていた。関ヶ原町は岐阜県である…。戦國(guó)時(shí)代には愛知県で桶狹間の戦い、長(zhǎng)篠の戦い、小牧?長(zhǎng)久手の戦いといった有名な戦いがあり、古戦場(chǎng)になっているのだが、そういった地域のPRは確認(rèn)できなかった。

以前は同空港1階に中部武將館という施設(shè)があり、中部地方の武將の紹介や甲冑が展示されており、他県の友人からも好評(píng)だったが、いつの間にか閉鎖され、コンビニになっていた。そもそも同空港へ鉄道で訪れた旅行客は通常、3階のチェックインカウンターに向かい、帰國(guó)の際は2階から駅へ移動(dòng)するので、中部武將館の認(rèn)知度は低かったのかもしれない。

上海浦東國(guó)際空港のターミナル2出発ロビー90番ゲート近くには浦東機(jī)場(chǎng)博物館という展示スペースがある。小規(guī)模なので、フライトの待ち?xí)r間を潰すには最適で、空港側(cè)のこういった心遣いには嬉しくなる。中部武將館も出発ロビーで運(yùn)営するべきではなかったのだろうか？

3階のチェックインカウンター周辺で目立つのは、SAMURAI×NINJA Airportといったキャッチコピーで、忍者のマネキンが多數(shù)、天井からぶら下がっていたりする。忍者といえば、三重県の伊賀市とかを連想し、愛知県というイメージではない。

山西省運(yùn)城市は関羽の出身地ということで、鉄道駅の運(yùn)城站には関羽の騎馬像、高速鉄道駅の運(yùn)城北站には関羽の立像が屹立している。しかも市內(nèi)の運(yùn)城張孝空港は運(yùn)城関公（関羽）空港とも呼ばれている。いっそのこと、中部國(guó)際空港も名前を信長(zhǎng)?秀吉?家康空港にしてはどうだろうか？

愛知県は製造業(yè)が活発で、人口が多いことから、生活しやすい土地柄と言える。しかし県內(nèi)に世界遺産はなく、修學(xué)旅行の旅行先として人気はあまりない。中部國(guó)際空港は使い勝手はいいが、地元の観光PRが下手なのはそういった事情が反映されているようだ。

愛知県のお城は名古屋城だけでなく、國(guó)寶の犬山城や岡崎城も有名ではないだろうか？県內(nèi)には神社仏閣も多く、県民にも意外と知られていないのが、大仏が多いことだ。名古屋市には名古屋大仏、北大仏、江南市には布袋大仏、新生大仏（犬山市）、聚楽園（しゅうらくえん）大仏（東海市）、刈宿の大仏（おおぼとけ）（西尾市）、薬師如來涅槃像（岡崎市）といった大仏が県內(nèi)にあるので、「意外と大仏が多い愛知県」といったキャッチコピーができる。

日進(jìn)市の五色園や犬山市の桃太郎神社は仏教説話や物語(yǔ)の登場(chǎng)人物を等身大以上のコンクリ像で再現(xiàn)しているので、インパクト大だろう。小牧市の田縣（たがた）神社で毎年3月15日に開催される豊年祭は巨大な男根をかたどった神輿で有名で、外國(guó)人観光客も大勢(shì)、訪れる。ちなみに豊年祭は広東省韶関市にある中華性文化博物館でも紹介されている。

検索をすればわかるが、愛知県內(nèi)にはテーマパーク?動(dòng)植物園?水族館も充実しており、ジブリパークも建設(shè)中だ。名古屋では毎年、世界コスプレサミットも開催されているので、そういったPRを空港內(nèi)で見た記憶がないのも愛知県民としては理解ができない。

今年の2月に出版された『名古屋の富士山すべり臺(tái)』牛田吉幸著?大竹敏之編集 風(fēng)媒社を読むと、名古屋市內(nèi)の公園には富士山のような形狀をしたすべり臺(tái)（正式名稱はプレイマウント）が非常に多く、他県ではほとんど見られない遊具が紹介されている。空港內(nèi)にキッズスペースを設(shè)けて、小型化した富士山すべり臺(tái)を設(shè)置すれば愛知県のPRにならないだろうか？突拍子もないことも述べてみたが、中部國(guó)際空港はもう少し地元愛知県の観光PRに力を入れてもらいたいし、中國(guó)の空港の良い部分も見習(xí)ってほしいところだ。

■筆者プロフィール：関上武司

1977年の愛知県生まれ。愛知大學(xué)経営學(xué)部卒。中國(guó)で留學(xué)や駐在員としての勤務(wù)経験あり。日本や中國(guó)のB級(jí)スポットを紹介するブログ?軟體レポートの管理人。中國(guó)遊園地の取材で中國(guó)の全省、全自治區(qū)、全直轄市へ訪問。會(huì)社員の傍ら、「中國(guó)遊園地大図鑑」シリーズを執(zhí)筆し、メールマガジンのロードサイダーズ?ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中國(guó)珍奇遊園地紀(jì)行」を連載中。このほかイベントも開催している。

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