八牧浩行 2021年4月3日(土) 5時(shí)0分
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デジタル技術(shù)で世界の先頭を走る中國について、具體的な事実や統(tǒng)計(jì)をもとに実証的に分析。中國出身の気鋭の研究者ならではの豊富な現(xiàn)地情報(bào)と研究成果が盛り込まれ、類書にない説得力がある。
世界規(guī)模で急速に進(jìn)展する経済のデジタル化は人々の行動(dòng)や生活、社會(huì)経済に多大な影響を及ぼす。デジタル技術(shù)の進(jìn)展は今後さらに加速するのは必至だ。デジタル技術(shù)で世界の先頭を走る中國について、具體的な事実や統(tǒng)計(jì)をもとに実証的に分析されている。
米國系の巨大ITであるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に続く中國のIT大手BATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)と新興IT群TMDP(バイトダンス、美団、DD、拼多多)などIT企業(yè)の動(dòng)向も具體的に描かれる。小売、金融、通信を中心としたデジタル化の狀況、中國政府のデジタル政策についての最新事情も參考になる。
日本メディアで紹介される中國関連情報(bào)は基本的に中國デジタル革命以前のものが大半で、「技術(shù)後進(jìn)國」といった舊來の見方にとらわれがちだ?!赴肽晷肖胜い冗`う國になる」と言われるほど動(dòng)きが激しい最近の中國を現(xiàn)地で取材していない識(shí)者も多い。
著者は中國瀋陽市出身で東京工業(yè)大學(xué)大學(xué)院を修了。博士號(hào)を取得し、現(xiàn)在伊藤忠総研産業(yè)調(diào)査センター主任研究員。中國を熟知している気鋭の研究者ならではの豊富な現(xiàn)地情報(bào)と研究成果が盛り込まれ、類書にない説得力がある。
トランプ大統(tǒng)領(lǐng)が志向した対中デカップリング(切り離し)策や対中関稅引き上げ策によって、中國経済やIT技術(shù)が卻って強(qiáng)化され、米國內(nèi)の消費(fèi)者や製造業(yè)者に価格高騰や輸出減退などブーメランとなって重くのしかかっている。バイデン大統(tǒng)領(lǐng)は「民主國家か強(qiáng)権國家か」の體制選択を迫り、イデオロギー論法に舵を切ったが、いかにも時(shí)代遅れ。世界では中國型國家が圧倒的に多數(shù)派である。未曽有の大恐慌の後世界のブロック化が進(jìn)み世界大戦に繋がった、戦前の暗い過去に回帰してはならない。
コロナ禍をいち早く封じ込め経済回復(fù)軌道にある中國は産業(yè)のデジタル化や低炭素社會(huì)の実現(xiàn)を目指し、新型インフラ政策を打ち出した??茖W(xué)技術(shù)関連予算と民間投資を合わせた研究開発費(fèi)は40兆円を超え、米國と肩を並べ追い抜く勢(shì)いだ。2025年までに約63兆円にまで増額。米ドル一極支配からの脫卻狙うデジタル人民元構(gòu)想も推進(jìn)。米國を凌駕する目標(biāo)に向かう中長期戦略も興味深い。
中國のGDP(國內(nèi)総生産)はこの10年で倍増。2020年代半ばにも米國を凌駕する勢(shì)いだ。軍事優(yōu)先で経済が破綻した舊ソ連と大きく異なり、バイデン米政権が「最も重大な競(jìng)爭(zhēng)相手」と警戒を強(qiáng)めるのも當(dāng)然だろう。日本も中國のしたたかさと実力を冷靜に見極める必要があろう。
日本企業(yè)の多くは中國に大きく依存。日本の輸出全體に占める中國のウエイトは2003年の約12%から2019年には約20%に拡大している。投資面でも2001年に中國がWTO(世界貿(mào)易機(jī)構(gòu))に加盟して以降は、「世界の工場(chǎng)」としてだけでなく「世界の市場(chǎng)」としての中國の可能性が急拡大。中國市場(chǎng)向けの地産地消戦略を推進(jìn)する日本企業(yè)が増大した。中國國內(nèi)の日系企業(yè)の拠點(diǎn)は3萬を超え、國?地域別で最大。米國や歐州の企業(yè)の対中輸出投資も日本に次ぐ高水準(zhǔn)になっている。軍事面での米中対立にも関わらず、経済面では米中の依存関係は強(qiáng)まるばかり。最先端の技術(shù)力によって世界の経済と技術(shù)をリードしつつあるチャイナテックの実態(tài)と展望に切り込む力作である。(東洋経済新報(bào)社、1700円=稅別)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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