中國の王毅（ワン?イー）國務(wù)委員兼外交部長（外相）は3月31日から4月3日にかけて、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、韓國の外相と福建省で相次いで會談した。このほど王部長は単獨インタビューに応じ、新型コロナウイルスワクチン、ASEAN関係、ミャンマー情勢、米中関係、中韓関係などについて語った。

■新型コロナウイルスワクチン

【記者】中國は「ワクチン外交」を推し進めているとの聲があることについて、どう応じるか。

【王部長】「ワクチン?ナショナリズム」が世界中で広がっている。世界人口の16％を占める豊かな國々が世界のワクチンの60％を獲得した。一部の先進國の発注量はすでに自國の人口の2～3倍以上に達している。これと際立って対照的に、多くの発展途上國は深刻なワクチン不足に直面しており、1回分さえ入手できない國も少なくない。中國は方策を講じて困難を克服し、全力で生産能力を拡大した?，F(xiàn)在まですでに80余りの國々と3つの國際組織にワクチンを援助すると同時に、40數(shù)カ國にワクチンを輸出し、10數(shù)カ國とワクチン開発?生産協(xié)力を行っている。今回訪中したASEAN加盟國の外相の1人は、「中國は『ワクチン外交』を行っているのではなく、大國としての責(zé)任を示している」と明言した。

■ASEAN関係

【記者】ASEAN各國外相とは、どのような新たなコンセンサスに至ったか。

【王部長】われわれはポストコロナ期に発展協(xié)力を深化させることで合意した。中國の第14次五カ年計畫（2021－25年）と「ASEAN包括的リカバリーフレームワーク（ACRF）」を連動させ、高い質(zhì)で「一帯一路」（the Belt and Road）を共同建設(shè)し、地域的な包括的経済連攜（RCEP）協(xié)定の早期発効を推進する。新型コロナ対策協(xié)力も深く推し進め、健康コードの相互認証を加速させ、「ファストトラック」を高度化する。共同で地域の安定を維持し、海洋関連問題での協(xié)力を強化することで合意した。「南シナ海における行動規(guī)範（COC）」の協(xié)議を加速させる。ASEAN中心の地域協(xié)力體制はすでに成熟し、安定しており、東アジア協(xié)力の伝統(tǒng)及び現(xiàn)実的ニーズに合致する。慌ただしく新たな概念を?qū)毪工毪伽扦悉胜い?、新たに別のものを作り出すのも良くない。

■ミャンマー情勢

【記者】現(xiàn)在のミャンマー情勢に中國とASEANはどう対処するか。

【王部長】議論の中で各國外相の見解は基本的に一致し、立場は非常に近かった。われわれはいずれもミャンマーの各方面に対して、最大限の自制を保ち、暴力行為を停止し、再度の流血の衝突や民間人に死傷者が出るような事態(tài)の激化を防ぎ、憲法と法律の枠組の下で、対話を通じて早期に政治的了解を図るよう呼びかけている。中國は、ASEANが內(nèi)政不干渉の原則と協(xié)議を通じた合意形成の伝統(tǒng)を堅持し、「ASEAN方式」でミャンマー國內(nèi)の和解プロセスに建設(shè)的に関與することを明確に支持する。われわれは、ASEAN首脳特別會合を早期に開催し、ASEANの枠組で、情勢を緩和し、問題を解決する効果的な方法を共に議論することを奨勵し、同意する。中國側(cè)は引き続き自らの方法でミャンマー各方面と接觸や意思疎通を保ち、対話を通じた和平促進に全力を挙げる。

■米中関係

【記者】地域の國々は米中関係の今後の発展に何を期待しているか。

【王部長】今回の5カ國外相との會談で、われわれは米中のアンカレジ対話及び今後の行方について、意思疎通を通じて一致を図った。際立って感じたことの1つは、中國の発展と強大化は歴史の必然であり、域內(nèi)各國の共通の期待と長期的利益に合致し、阻止することはできないし、阻止すべきでもないと各國が考えているということだ。同時に、米中はこの地域で対話や協(xié)力を増やし、駆引きや対立を減らし、大國として盡くすべき義務(wù)をしっかりと果たし、大國としての責(zé)任を示すべきだと各國が考えていた。

■中韓関係

【記者】今回の中韓外相會談での主な成果は?，F(xiàn)在の朝鮮半島情勢をどう見るか。

【王部長】各レベルで両國の交流を強化し、タイムリーに調(diào)整と意思疎通を行い、相互信頼を強化することで一致した。今年前半に「中韓関係未來発展委員會」を始動させ、今後30年間の両國関係発展の青寫真を描く。雙方は中韓自由貿(mào)易協(xié)定（FTA）の第2段階交渉を加速させ、科學(xué)技術(shù)革新分野で協(xié)力を強化すべきだ。雙方は自國在住の相手國國民をワクチン接種の対象とすることを支持し、健康コード相互認証制度の構(gòu)築を協(xié)議し、ポストコロナ期の雙方協(xié)力のためにより良い環(huán)境を整える。雙方はまた、地域的な包括的経済連攜（RCEP）協(xié)定の早期発効を共に推進し、環(huán)太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協(xié)定（CPTPP）への參加問題について意思疎通を強化する。

朝鮮半島問題に関しては、雙方は朝鮮半島問題の政治的解決プロセスをたゆまず推進することを重ねて表明し、2018年の米朝首脳シンガポール共同聲明の重大で前向きな意義を確認した。中國側(cè)は、朝鮮半島問題の取り扱いにおいては、朝鮮が長年直面している軍事的圧力?脅威の解決が肝要だと表明した。これに鑑み、朝鮮半島の非核化と平和體制の確立は同時かつ一體的に推し進めるべきだ。中國側(cè)は韓國がより積極的かつ主導(dǎo)的に役割を果たすことへの期待を表明した。韓國側(cè)は中國が朝鮮半島の平和?安定維持に引き続き貢獻することを希望した。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/NA）