小米（シャオミ）が自動(dòng)車業(yè)界參入を発表した。今、中國(guó)は“造車ブーム”である。その要因は、自動(dòng)車のEV化とAI（自動(dòng)運(yùn)転の進(jìn)展）化が進(jìn)出のハードルを下げたことにある。さまざまな異業(yè)種企業(yè)が、進(jìn)出を表明、または検討をしている。最新の報(bào)道から、近未來(lái)を見通してみよう。

■“造車新勢(shì)力”

中國(guó)メディアには“造車ブーム”とともに“造車新勢(shì)力”という言葉が頻出している。造車新勢(shì)力とは、「蔚來(lái)汽車」、「小鵬汽車」、「理想汽車」などの新EVメーカーを指し、「上海汽車」「広州汽車」「第一汽車」「東風(fēng)汽車」「長(zhǎng)城汽車」など従來(lái)型メーカーと対比させた言葉だ。業(yè)界內(nèi)部で、地殻変動(dòng)が起きている。

造車新勢(shì)力の登録臺(tái)數(shù)（2021年1Q）は、蔚來(lái)2萬(wàn)60臺(tái)、小鵬1萬(wàn)3340臺(tái)、理想1萬(wàn)2579臺(tái)で、3社合計(jì)4萬(wàn)5979臺(tái)である。これに対し、テスラは18萬(wàn)5000臺(tái)、4社が束になってもテスラの4分の1に過ぎず、將來(lái)性は高い。

トップの蔚來(lái)汽車とは何者だろうか。創(chuàng)業(yè)者?李斌は、「易車」というオンライン自動(dòng)車サービス會(huì)社の経営者で、2014年、新たに蔚來(lái)（NIO）を創(chuàng)業(yè)した。出資者には、京東の劉強(qiáng)東、汽車之家の李想、テンセント、百度、レノボ、その他有名投資機(jī)構(gòu)のほとんどが名を連ねた。すでにサンホセ、ロンドン、ミュンヘン、上海など世界13カ所に研究開発拠點(diǎn)を持つ。オールスターキャストの戦略企業(yè)である。2018年、ニューヨーク市場(chǎng)へ上場(chǎng)、そして2020年の株価は10倍となり、テスラを上回る大暴騰をした。

■他業(yè)種の參入…不動(dòng)産、投資機(jī)構(gòu)

“造車新勢(shì)力”に続き、他業(yè)種の參入が始まった。先行した不動(dòng)産大手の「恒大集団」と投資機(jī)構(gòu)「寶能集団」を見てみよう。

恒大は2019年6月、“造車”子會(huì)社を設(shè)立した。10月、世界のトップ自動(dòng)車デザイナー15名と戦略提攜を結(jié)んだ。さらに創(chuàng)業(yè)者?朱許印は、名古屋と東京を訪れ、デンソー、豊田紡織、日立などの部品サプライヤーに、増産を要請(qǐng)した。そして翌11月、広州で世界の有力企業(yè)206社を招き、「恒大新エネルギー車世界戦略パートナーサミット」を開催、EV産業(yè)への參入を華々しくぶち上げた。

その後「恒馳」ブランド名の6車種を発表している。2020年11月には、上海と広州の生産拠點(diǎn)が試験生産を開始。2021年2月には、內(nèi)モンゴル自治區(qū)で厳冬期試験を?qū)g施。3月にはテンセントと合弁會(huì)社を設(shè)立、スマート操作システムの共同開発を発表?，F(xiàn)在は量産のカウントダウンに入ったとみられる。

また深センの「寶能集団」という投資會(huì)社も進(jìn)出した。プジョー?シトロエンと長(zhǎng)城汽車の合弁工場(chǎng)を買収し、それを基礎(chǔ)に2020年末、「寶能汽車」の世界本社と“スーパー工場(chǎng)”を深センに建設(shè)すると発表した。こちらも本気のようだ。

■小米…IOTのラストピース

そして3月30日、小米がEV市場(chǎng)參戦を発表した。創(chuàng)業(yè)者?雷軍は、「小米の全パートナーと何度も検討した結(jié)果であり、私の人生最後の創(chuàng)業(yè)事業(yè)である」と述べた。新設(shè)するEV子會(huì)社のCEOに就き、陣頭指揮を執(zhí)る。スマートEV車は、近未來(lái)10年、最も成長(zhǎng)の見込まれる市場(chǎng)という認(rèn)識(shí)で、今後10年間に100億ドルの投資を行う。

小米は単なるスマホメーカーではない。2013年9月のテレビから家電事業(yè)に本格參入し、その後、空気清浄機(jī)、浄水器、炊飯器、照明器具、電子ジャー、掃除ロボット、オーブントースター、扇風(fēng)機(jī)、エアコン、洗濯機(jī)、電子レンジ、冷蔵庫(kù)と展開してきた。すべてスマホと連攜している。今や小米は、総合IOT家電メーカーである。そのラストピースとして、EV車を生産することにした。

■百度、滴滴…基盤を生かし進(jìn)出

小米より先、2021年1月には、百度が進(jìn)出を発表した。3月に、吉利自動(dòng)車を戦略パートナーとして、「集度汽車有限公司」を設(shè)立した。3年以內(nèi)に量産を?qū)g現(xiàn)するという。百度は2017年、自動(dòng)運(yùn)転のApollo計(jì)畫が、國(guó)家AIプロジェクトに選定された。これはオープンプラットフォームで、海外からも、ダイムラー、フォード、BMW、ホンダ、マイクロソフト、インテルなど有名企業(yè)が參加した?，F(xiàn)在Waymo（グーグル）、Cruise（GM）、フォードと並ぶ、自動(dòng)運(yùn)転界のリーディングカンパニーとされている。進(jìn)出は自然な展開だ。

現(xiàn)在、注目されているのは、配車アプリ最大手の「滴滴出行」である。事業(yè)基盤から見て、アドバンテージは大きい。契約ドライバーたちに、販売またはリースすればよいからだ。參入は確実とみられている。

またファーウェイやドローンのDJIも、制御システムの売り込みを目指している。市場(chǎng)は活性化する一方だ。

■コモディティ化加速、日本メーカーは？

まったく出自の異なる企業(yè)が、さまざまなアングルからEVと自動(dòng)運(yùn)転に群がっている。車體の生産は、遠(yuǎn)からずコモディテ?；筏皮い韦坤恧?。従來(lái)型自動(dòng)車メーカーは、OEM（相手先ブランドの受託生産）企業(yè)になりかねない。

こうした中國(guó)の狀況に対し、日本は、自動(dòng)車メーカーが単獨(dú)で、しかも相変わらずの自前主義で戦っている。家電、半導(dǎo)體衰退の悪夢(mèng)をなぞるのではと危懼していた4月中旬、佐川急便の新EV軽貨物車のニュースが入った。日本のスタートアップが開発し、生産は中國(guó)の「広西汽車」に委託するという。商用車から変革が始まった。日本メーカーの虎の子、乗用車は大丈夫だろうか。もはや一刻も猶予はなさそうである。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長(zhǎng)、上海事務(wù)所長(zhǎng)を歴任、中國(guó)貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國(guó)人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購(gòu)入、ライブEコマースなど、中國(guó)最新のB2Cビジネスと中國(guó)人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書：2001年「繊維王國(guó)上?！箹|京図書出版會(huì)、2004年「新?繊維王國(guó)青島」東京図書出版會(huì)、2007年「中國(guó)の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國(guó)の一族の中で」Amazon Kindle。