松野豊 2021年5月12日(水) 9時(shí)40分
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中國(guó)の第十四次五か年計(jì)畫(huà)において、日本企業(yè)の中國(guó)ビジネスという観點(diǎn)から注目すべきもの、第二番目はイノベーション駆動(dòng)による経済成長(zhǎng)である。資料寫(xiě)真。
中國(guó)の第十四次五か年計(jì)畫(huà)(十四五)において、日本企業(yè)の中國(guó)ビジネスという観點(diǎn)から注目すべきもの、第二番目はイノベーション駆動(dòng)による経済成長(zhǎng)である。
イノベーションは中國(guó)語(yǔ)では「創(chuàng)新」という用語(yǔ)が用いられているが、過(guò)去からもずっと各種政策の中で言及されてきたものだ。今回の十四五においても、この用語(yǔ)に関する特に目新しい手法が示されているわけではない。
十四五ではイノベーション駆動(dòng)に関係するKPIとして、「研究開(kāi)発投資額の伸び」、「発明特許保有數(shù)」そして「デジタル経済のGDP比率」の3つが取り上げられている。過(guò)去の五か年計(jì)畫(huà)にもあてはまることなのだが、これらのKPIはどれも“結(jié)果指標(biāo)”なのであり、イノベーションを推進(jìn)させるための政策だとは言えない。
研究開(kāi)発投資については、投資を増やしデジタル経済化を進(jìn)めれば、イノベーションの確率が高まる可能性がある。また発明特許保有數(shù)は、あくまでイノベーションの結(jié)果がもたらすものなので、特許を増やせばイノベーションが進(jìn)むとは言い切れない。実際のところ中國(guó)の産業(yè)政策においては、過(guò)去からもイノベーションに関しては有力なKPIを見(jiàn)いだせていない。
ただし今回の十四五では、デジタル経済に関する記述に大きく紙面を割いている點(diǎn)には注目したい。どれも定性的な目標(biāo)設(shè)定ではあるが、従來(lái)の業(yè)種區(qū)分を越えた新産業(yè)を定義し、これだけ詳しく論じるのを見(jiàn)たのは初めてのことである?,F(xiàn)在の中國(guó)でのイノベーション推進(jìn)政策とは、とりあえずはデジタル経済の裾野を広げて幅広く発展させていくことなのだと理解したい。
図1は、十四五のKPIで取り上げられたデジタル経済基幹産業(yè)の規(guī)模の推移を示したものである。ここでいうデジタル経済基幹産業(yè)とは、Eコマース、クラウド、ビッグデータ、産業(yè)インターネット、コンテンツ、ソフトウェア、電子情報(bào)機(jī)器、IC及びロボットの各産業(yè)のことを指している。
現(xiàn)在中國(guó)のデジタル経済基幹産業(yè)のGDPは、名目値全體の36.2%(2019年)を占め、毎年の増加量はGDP全體の4~5%である。十四五のKPIではこれを毎年10%にするとしており、この産業(yè)をGDP全體の伸び率以上に増加させていくという意味になる。
こうしたデジタル基幹産業(yè)の発展が経済成長(zhǎng)における全要素生産性(TFP)、すなわち技術(shù)進(jìn)歩を表す數(shù)値にどれだけ貢獻(xiàn)しているかの試算は示されていないが、デジタルインフラの高度化が中國(guó)に社會(huì)イノベーションをもたらしたり、新産業(yè)を誘発していることは確かだろう。
さてこうしたイノベーション駆動(dòng)政策に関して、日本企業(yè)のビジネスチャンスはどのようなものになるだろうか?筆者は、中國(guó)で巨大投資を進(jìn)めて野心的に進(jìn)められているデジタル経済下で、続々と生まれているビジネスモデルを日本社會(huì)に取り込んでいくことが鍵ではないかと考える。
中國(guó)には、デジタルインフラを活かしたビジネスが日々生まれている。これらの中には、新たなビジネスモデルを創(chuàng)造しているようなものも含まれる。日本企業(yè)は、これらのビジネスモデルを日本に導(dǎo)入し、日本社會(huì)のボトルネックともいえるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進(jìn)の突破口に活用できないだろうか。
中國(guó)のITサービス事業(yè)の日本市場(chǎng)參入は、データの取り扱いや知財(cái)面などを考えると容易ではないだろう。しかしビジネスモデルやソフトウェアの導(dǎo)入は可能だ。中國(guó)のライドシェアサービス最大手の滴滴出行(DiDi)がサービス事業(yè)そのものではなく、サービスインフラの提供により日本市場(chǎng)參入を果たしているのがその一例である。
また中國(guó)で多數(shù)生まれているデジタル分野のスタートアップ企業(yè)のうち、日本社會(huì)や日本企業(yè)のグローバルビジネスと親和性のあるものについて、彼らと提攜をしていくことなどもビジネスチャンスを広げるだろう。
筆者は、日本のDX化が中國(guó)より「遅れている」といった論調(diào)には與しない。DX化はあくまで手段であり、日中では寄って立つ社會(huì)基盤(pán)やルール、文化が大きく異なるからである。だから中國(guó)からビジネスそのものを持ちこむのではなく、ビジネスモデルやソフトウェアを持ち込むことによって、日本の社會(huì)イノベーションを進(jìn)めるという視點(diǎn)が重要になってくるだろう。
中國(guó)のイノベーション駆動(dòng)型経済成長(zhǎng)は、まだまだ道半ばだ。現(xiàn)狀において手ごたえを持って進(jìn)められている政策と言えば、デジタル経済化だ。中國(guó)ではこの分野に巨額の投資がなされているので、日本企業(yè)はこれを活用しない手はないだろう。
■筆者プロフィール:松野豊
大阪市生まれ。京都大學(xué)大學(xué)院衛(wèi)生工學(xué)課程修了後、1981年野村総合研究所入社。環(huán)境政策研究や企業(yè)の技術(shù)戦略、経営システムのコンサルティングに従事。2002年、同社の中國(guó)上海法人を設(shè)立し、05年まで総経理(社長(zhǎng))。07年、北京の清華大學(xué)に同社との共同研究センターを設(shè)立して理事?副センター長(zhǎng)。 14年間の中國(guó)駐在を終えて18年に帰國(guó)、日中産業(yè)研究院を設(shè)立し代表取締役(院長(zhǎng))。清華大學(xué)招請(qǐng)専門(mén)家、上海交通大學(xué)客員研究員を兼務(wù)。中國(guó)の改革?産業(yè)政策等の研究を行い、日中で講演活動(dòng)やメディアでの記事執(zhí)筆を行っている。主な著書(shū)は、『參考と転換-中日産業(yè)政策比較研究』(清華大學(xué)出版社)、『2020年の中國(guó)』(東洋経済新報(bào)社)など。
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