「新型コロナウイルス感染の抑止に成功した」などと高く評(píng)価されていた臺(tái)灣で、5月になってから感染者が急増している。香港誌「亜洲週刊」はこのほど、油斷や政治的な判斷が狀況を悪化させたとの記事を発表した。同誌は1987年の創(chuàng)刊で、中華圏をはじめとする世界各地の時(shí)事問(wèn)題を幅広く取り扱うメディアだ。記事は現(xiàn)狀を野球に例え、臺(tái)灣チームはいつも試合開始直後には戦いを有利に進(jìn)めるが、最後には守りきれず敗北すると評(píng)した。

記事がまず?jiǎn)栴}視したのは、政権及び民衆(zhòng)の「油斷」だ。「新規(guī)感染者ゼロ」が続いたことで「陶酔」してしまったと指摘した。

臺(tái)灣でも2020年12月30日に英國(guó)変異株の感染が発生したことで、21年1月1日からは、臺(tái)灣籍以外の外國(guó)人の入國(guó)は厳しく制限したが、ビジネス関係者に対しては開放的だったことは「大きな賭けになった」と評(píng)した。

記事は、陳時(shí)中?衛(wèi)生福利相が、すでにクラスター感染が発生していたにもかかわらず、5月9日の母の日について「通常通り」と宣言したことも問(wèn)題視し、人の移動(dòng)や飲食店に人が集まることがウイルス感染を助長(zhǎng)することになるのを考慮しなかったことは、母の日の會(huì)食を禁止した場(chǎng)合の批判に絶えられないと判斷したとの見方を示した。

記事はさらに、臺(tái)灣の感染癥輸入の防御は「ダブル?スタンダード」だったと評(píng)した。中國(guó)大陸からの感染癥流入は徹底的に防御したのに対して、中國(guó)大陸では感染癥の流行が落ち著き、歐米やインド、日本で流行が深刻な事態(tài)になっても、大陸からの感染癥流入には警戒したが、歐米などについては粗略だったと指摘した。醫(yī)療機(jī)関についても、外來(lái)患者の扱いについて、一時(shí)期は厳しく規(guī)制したが、その後は緩んでしまったという。

記事はさらに、國(guó)空會(huì)社の搭乗員に対する帰國(guó)後の隔離期間の基準(zhǔn)を緩和したことも、感染の拡大に拍車をかけたと指摘した。まず、臺(tái)灣のフラッグ?キャリアである中華航空（チャイナ?エアライン）は過(guò)去1年間も黒字を出した、世界的に見ても珍しい航空會(huì)社と指摘。落ち込んだ旅客輸送による?yún)毪蜇浳镙斔亭a(bǔ)って余りあったという。

臺(tái)灣の産業(yè)も全世界の自動(dòng)車産業(yè)も、航空便を利用した半導(dǎo)體関連などの輸出が滯れば大打撃を受けることになる。そのため、航空便搭乗員については一般旅行者に対する帰國(guó)後の14日間の隔離を緩和したが、そのことで「ウイルスの輸入」が発生してしまった。

記事は、臺(tái)灣でワクチン接種が進(jìn)んでいないことも指摘した。これまでの各報(bào)道を総合すると、アジア地域各國(guó)の人口100人當(dāng)たりのワクチン接種者はシンガポールが37．8人、中國(guó)大陸および香港とマカオは17．6人、韓國(guó)は6．3人。日本は2．8人と低い數(shù)字だが、臺(tái)灣はさらに低い0．3人という。

記事は、馬英九前総統(tǒng)が大陸からのワクチン導(dǎo)入を提案したが、陳時(shí)中?衛(wèi)生福利相がデータの不備を理由に拒絶したことも紹介した。また、蔡英文総統(tǒng)が個(gè)別の民意を問(wèn)うことを目的に実施される公民投票についてのアピールを感染癥対策よりも優(yōu)先し、政権維持をコロナ対策よりも重視していると批判した。

記事は最後の部分で、新型コロナウイルス感染癥対策を野球に例え、臺(tái)灣チームはいつも、日本や韓國(guó)など強(qiáng)豪チーム相手に試合開始直後には戦いを有利に進(jìn)めるが、最後には守りきれず敗北すると評(píng)し、臺(tái)灣が難関を乗り越えられるかどうかは、問(wèn)題の政治化を回避し、醫(yī)療優(yōu)先に戻れるかどうかにかかっていると論じた。（翻訳?編集/如月隼人）