Record China 2021年6月3日(木) 17時20分
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中國でエレベーターの事故が相次ぐ中、5月25日にも湖北省の建物で異常な動作をしたケースがあることが判明した。なぜ中國ではこうした事故が頻発するのか。
■相次ぐエレベーター事故
中國メディアの頭條新聞の6月1日付報道によると、事故があったのは5月25日午後9時過ぎ、湖北省宜昌市のマンション。女性が28階から乗ったエレベーターが下降した後、15階と14階の間で急停止した。女性はおよそ20分後に、通報によって駆け付けた消防隊に救出され無事だった。
女性は「突然、ドンッという音がして全く動かなくなった」と話しており、ネット上では「なんて恐ろしい」「無事でよかった」といった聲のほか、「エレベーターの信頼性がますます揺らいできた」との聲も上がった。
中國ではこのところ、各地でエレベーターの事故が相次いでいる。福建省福州市では5月3日に13歳の少年が故障して動かなくなったエレベーターから自力で脫出しようとして転落死する事故が発生。広東省湛江市のマンションでは5月23日に、1階と地下1階の間で停止して動かなくなったエレベーターが、修理中に突然急上昇して30階の天井に激突。乗っていた1人が死亡した。なお、このマンションのエレベーターは同月25日と26日にも故障が発生したという。
このほか、湖北省襄陽市や陝西省西安市でもエレベーターの事故があったことが報じられている。これらはメディアに取り上げられた例で、実際にはさらに多くの事故が発生していると見られる。
■なぜ事故は頻発するのか?
中國國家市場監(jiān)督管理総局が今年3月に発表した報告書によると、2020年に発生したエレベーター事故は25件(死者19人)だった。中國全土に設(shè)置されているエレベーターの數(shù)はおよそ786萬5500基。中國メディアの光明網(wǎng)は、「(事故の)數(shù)としてはそれほど多くはないかもしれない」とする一方、「毎日無數(shù)の人が利用しており、そのうちの一つにでもリスクがあれば危険は無限に膨らむ可能性がある」と指摘した。
その上で、事故が起きる核心的な問題として、「エレベーターのメンテナンス基準と責任が明確化されていないこと」を挙げた。現(xiàn)行の「エレベーター製造?設(shè)置安全規(guī)範」では下方向への安全裝置に比べて上方向への安全裝置が不足していることから、広東省湛江市の事故のような天井衝突のリスクを増加させているという。
また、ブレーキ部分の連結(jié)部分やばねなどの部品の強度は通常のメンテナンス項目に含まれていないことも大きな問題だと指摘している。
■責任の所在あいまいなまま
中國の「特殊設(shè)備安全法」は、エレベーターが設(shè)置された建物について、安全管理機構(gòu)の設(shè)置または専任の管理者の配置、規(guī)定に基づく安全制度の確立、事故時の応急対策案の策定などを求めている。しかし、実際にはこれらの規(guī)定が正しく運用されていない場合もある。責任の所在があいまいで「どんぶり勘定」になっており、事故がなければ放置されるような狀態(tài)だという。
中國國家質(zhì)量監(jiān)督検験検疫総局が過去に老朽化したエレベーターをサンプル検査したところ、2523基のうち3分の1近くにバランス係數(shù)の検査に問題があった。都市化の推進によりエレベーターの普及が進む一方、それとセットになる安全管理システムに不備があることは、エレベーターの安全性に間違いなく大きな危険を殘すものだと記事は懸念を示す。
現(xiàn)在、こうした狀況を改善する動きも出ており、全國32の省の市場監(jiān)督管理局はエレベーターのメンテナンスの強化に向けた取り組みを開始している。一部の省や市ではエレベーターの追跡情報プラットフォームを開設(shè)し、すでに17萬4000基が登録されているという。
ただ、実際の狀況から見ればこうした動きをさらに加速させる必要があると記事は指摘?!弗ē欹侃`ターの安全には生産、運用、検査、管理などが関係し、そのいずれかの段階で問題があると最終的な安全性に影響を及ぼす可能性がある」とし、「最も基本的なことは責任の所在を明確化し、すべての段階で責任を負う者がいることを保証すること」とした。
中國ではますます都市化が進み、高層ビルが増えている。エレベーターの安全問題は喫緊の課題だ。(翻訳?編集/北田)
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