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野生のアジアゾウが今までの生息地を離れ、北上を続けていることが注目されている。
このほど、野生のアジアゾウが今までの生息地を離れ、北上を続けていることが注目されている。アジアゾウは中國の一級重點保護野生動物で、主に雲(yún)南省の西雙版納(シーサンパンナ)、普洱、臨滄の三地域に分布する。地元では、30數(shù)年の救助と保護を行った結(jié)果、アジアゾウの數(shù)は1980年代初期の193頭から現(xiàn)在の300頭にまで増えた。今回北上するのはラオスやミャンマーと國境を接するシーサンパンナ國家級自然保護區(qū)內(nèi)に生息していた野生アジアゾウの群れである。當初の群れは合わせて16頭で、北上が始まったのは昨年3月に遡る。ゾウは太陽河自然保護區(qū)を沿って北上し、普洱市に入り、1頭の赤ちゃんゾウの誕生後は玉渓市へ移動。2日には昆明市の郊外に入った。
野生アジアゾウの「家出」の原因について、リーダーが迷子になったことやエサ不足、太陽活動の異常により移動の本能が発動したことなど、ネットでは様々な憶測があったが、中國野生動物保護協(xié)會の厳詢チーフエンジニアは、慌ただしく北上したようで、リーダーには何らかの問題が起こったようにみられるとの見解を示した。
この群れのゾウが移動する過程において、地元では「謹んで世話を見る」と言っていいだろう。一部のネットユーザーからは「ゾウの観光ツアー」と揶揄されている。人々のこのような姿勢の裏には、動物保護意識の向上により動物、特にアジアゾウのような保護動物には害をもたらしたくないといういきさつがある。したがって、今回の対応の中心は「なるべくゾウと人間ともに傷害をもたらさないこと」だった。ゾウが人出の多い地域に入ろうとする際、障害物や食べ物などで適切な場所へ誘導し、人出の少ない場所では、警報を出して住民の疎開を呼びかける方法を取っている。
実は、今回は地元住民と野生ゾウの初めての近距離コンタクトではない。雲(yún)南省生息のアジアゾウが分布する11の自然保護區(qū)のうち、10保護區(qū)は森林生態(tài)系保護パターンに屬し、保護の拡大により森林の林冠密度が高まったが、アジアゾウの食べ物は逆に少なくなった。そのため、ゾウが保護區(qū)を出て、畑や村に入り、農(nóng)作物を食べたり、家屋を壊したり、人にけがをさせたりし、ひいては人の死を招くこともあった。これを解決するため、シーサンパンナや普洱などアジアゾウの出沒の多い地域では、一部の土地を手配して「野生ゾウの食堂」を設け、アジアゾウが好む食べ物のトウモロコシ、サトウキビ、バショウなどを栽培している。普洱市ではアジアゾウ保護に関する長期計畫が打ち出され、アジアゾウの補給用の食べ物の栽培、フェンス建設、太陽燈の設置などを推進すると共に、人力とドローンによるモニタリングを強化して、即時にゾウの到來を周辺住民に知らせることも含まれている。また、保護計畫には野生動物の保護費の投入と野生動物による一般損害賠償責任保険の枠の向上も含まれ、経済作物の補償基準は市場価格と同等、死者が出た場合、2016年の20萬元から現(xiàn)在は60萬元に引き上げるなど定めている。
人間と動物は調(diào)和を取りながら共に生きる関係にあるが、決して「混居」ではない。最も理想的なのはお互いに一定の距離をおいて関與しないことだ。近年、野生動物が人間の居住エリアに入ることが多々見られる。最近でも、アムールトラ、ユキヒョウ、イノシシが村に入る報道があった。これらの保護動物がまだ見られることに歓びを感じる一方、環(huán)境容量や生物多様性保護、人間の自然との付き合い方などの面で多くの課題に直面していることも感じさせられる。(CRI日本語部論説員)
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