字節(jié)跳動（バイトダンス）の創(chuàng)業(yè)者?張一鳴氏がCEOを退くと伝えられた。TikTokの世界的ヒットによって、今、乗りに乗っている企業(yè)の創(chuàng)業(yè)者である。

また3月には、共同購入型ネット通販、拼多多の黃崢氏も董事長を退任した。拼多多はアクティブユーザー數(shù)でアリババを超え、大きな話題を集めた。最も旬の時(shí)期に、若い創(chuàng)業(yè)者が相次いで退いた。當(dāng)局のIT巨頭への締め付けが影響しているのだろうか。さらにこれは“風(fēng)潮”となるのだろうか。

■IT巨頭の創(chuàng)業(yè)経営者

IT巨頭、第1世代創(chuàng)業(yè)者の生年と創(chuàng)業(yè)年は、次のとおり。

アリババ、馬雲(yún)、1964年、1999年、2019年引退

テンセント、馬化騰、1971年、1998年

バイドゥ、李彥宏、1968年、2000年

京東、劉強(qiáng)東、1974年、1998年

続く世代は次のとおり。80后が大活躍している。日本の大企業(yè)ならまだ課長クラスだろう。

滴滴出行、程維、1983年、2012年

美団、王興、1979年、2010年

字節(jié)跳動、張一鳴、1983年、2012年

快手、宿華、1983年、2011年

拼多多、黃崢、1980年、2015年

このうち張一鳴と黃崢が、早くも経営の第一線から退く。

■バイトダンス

周知のように字節(jié)跳動は昨年米國のトランプ前大統(tǒng)領(lǐng)から名指しで非難され、TikTok米國事業(yè)の売卻を迫られた。世界中でこれ以上の成功証明はまたとあるまい。

バイトダンスは2012年8月、ニュースサイト「今日頭條」をスタートした。獨(dú)自のアルゴリズムで、カスタマイズされたコンテンツの提供により、わずか3カ月で1000萬ユーザーを獲得した。2021年1月のアクティブユーザー數(shù)は3億1000萬だ。

2016年、今日頭條のトラフィックを生かし、映像へ進(jìn)出した。抖音（海外名TikTok）である。抖音には、先行者があった。2014年にリップシンク（口パク）のビデオ投稿、シェアサービスを開始したMusical．Lyだ。バイトダンスは2017年11月、社運(yùn)をかけてMusical．lyを買収し、TikTokへ統(tǒng)合していった。やがて2018年以降、世界で最も成功した中國アプリとなる。2020年の売り上げは前年比2倍、現(xiàn)在の企業(yè)価値は4000億ドルと見積もられている。上場來高値を更新したトヨタの1．5倍だ。

■張一鳴“卒業(yè)”の理由

2021年5月20日、張一鳴氏はCEOを退き、その座を南開大學(xué)（天津）の同窓生で共同創(chuàng)業(yè)者の梁汝波氏に譲ると発表した。

離任の理由について、中國メディアは次のように報(bào)じた。3つのOKR（Objective and Key Result、目標(biāo)と主な結(jié)果）に満足できなかったという。新戦略の探究、研究組織とその管理、より大きな社會的責(zé)任の分擔(dān)の3つだ。

そのため、日常の管理業(yè)務(wù)から退き、創(chuàng)業(yè)者として、より大きな方向性、企業(yè)文化、社會的責(zé)任など、長期戦略に専念する。バイトダンスの使命は、継続拡大し、創(chuàng)造力に富み、有意義であること、そして豊かな生活を創(chuàng)造することだ。そのため、一旦業(yè)務(wù)から離れ、第三者の目で外部から観察する。これは新たなスタートだ。

■拼多多

拼多多は、2015年9月にスタートした。創(chuàng)業(yè)者の黃氏崢は、浙江大學(xué)卒業(yè)後、ウィスコンシン大學(xué)マディソン校へ留學(xué)した。ここで網(wǎng)易（ネットイース）創(chuàng)業(yè)者の丁磊氏や歩歩高の段永平氏と面識を得ている。その後グーグル（中國）に入社。2007年に退社し、起業(yè)家となった。

成功のカギは、獨(dú)自のユニークなシステムだった。ユーザー自身がWeChatを活用し、コミュニティーへのプロモーションを行い、予定販売量を確保する。低価格の魅力も前面に出し、地方の新規(guī)ユーザーを獲得した。サプライヤー側(cè)も、計(jì)畫數(shù)量が確実にさばけるのなら安く出せる。サプライヤーとユーザー間のコミュニケーションを促進(jìn)する、新しいC2Mモデルとして急速に浸透した。

そしてユーザー數(shù)でアリババを凌駕した。2021年第1四半期は、8億2380萬人、前年より2億人近い増加となった。時(shí)価総額では京東を上回り、総合ネット通販2位の座を固めた。

■黃崢“卒業(yè)”の理由

拼多多は2020年、やっと黒字化のめどがつき、新たなステージへ踏み出した。プラットフォーム提供から、農(nóng)産品や物流部門など、本格的なシステム作りへシフトする。投資によって、サプライサイドへの関與を強(qiáng)める。

そして黃崢氏は2021年3月、株主への手紙という形で、會長職の辭任を発表した。後はウィスコンシン大學(xué)同窓で、共同創(chuàng)業(yè)者の陳磊CEOが引き継ぐ。すでに昨年7月、CEOは譲っていた。これで完全に経営権は移行した。さらに株式の議決権まで取締役會へ委譲する。

今後は、食品科學(xué)と生命科學(xué)の研究に関與したい、そして未來の偉大な科學(xué)的業(yè)績のサポートができればこれ以上の幸せはない、という。

■80后は歐米のセンス

張一鳴氏、黃崢氏とも學(xué)生時(shí)代以來の盟友、共同創(chuàng)業(yè)者に後を託している。逆にそうした存在がいたからこそ、退任に踏み切れたともいえる。報(bào)道通りなら、張一鳴氏はファウンダーとして影響力を行使する。一方、黃崢氏は完全に距離を置く。

とにかく、人間力で強(qiáng)力にリーダーシップを発揮する、アリババの馬雲(yún)氏のような前世代創(chuàng)業(yè)者とは明らかに一線を畫している。彼らの本質(zhì)はエンジニア、技術(shù)オタクであり、新アイデアを次々具現(xiàn)化したい起業(yè)家だ。経営実務(wù)や當(dāng)局との折衝はもともと本意ではない。これからは、本來の自分に忠実に生きようというのだ。自己実現(xiàn)の追求や社會貢獻(xiàn)の強(qiáng)い意識も、歐米のセンスに近い。彼ら2人のような流れは、若い経営層全般を見れば、続きそうである。それはIT巨頭やスタートアップ市場にどういう影響をもたらすのか。もうしばらく観察が必要だろう。

■筆者プロフィール：高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株（現(xiàn)パンパシフィック）青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?，F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ－プな情報(bào)を提供。著書：2001年「繊維王國上?！箹|京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。