2021年6月21日、獨(dú)國(guó)際放送局ドイチェ?ヴェレの中國(guó)語(yǔ)版サイトは、中國(guó)社會(huì)で流行した「寢そべり族」という言葉が早くも政府により「抹殺」されようとしていることを伝える記事を掲載した。以下はその概要。

中國(guó)社會(huì)で議論を読んだ「躺平（寢そべり）主義」が中國(guó)の主要メディアから代わる代わる批判を浴びた。そして、ECサイトのタオバオ上では「躺平」の文字が入った商品がすでに撤去され、「躺平Tシャツ」も見(jiàn)當(dāng)たらなくなった。

「躺平」は、中國(guó)経済の成長(zhǎng)鈍化、社會(huì)問(wèn)題激化というバックグラウンドの下で、特に若者が現(xiàn)実的な環(huán)境に失望し、無(wú)欲の生存狀態(tài)や価値観を選択することを指す言葉としてにわかに流行し、ネット上では「家も車(chē)も買(mǎi)わない、結(jié)婚しない、子どももつくらない、お金を使わない」ことで最低限の生活水準(zhǔn)を維持し、他人の金儲(chǔ)けの道具にされたり他人から搾取される奴隷にされたりすることを拒むことが提唱され、議論が繰り広げられてきた。

しかし、この言葉が持つ哲學(xué)は、習(xí)近平（シー?ジンピン）國(guó)家主席の提唱する「袖をたくし上げて奮闘せよ」というスローガンに相反するものであり、たちまち政府系メディアからの批判を浴びることになった。新華社は5月20日に南方日?qǐng)?bào)の文章を転載して「プレッシャーの前で寢そべることを選ぶのは正義でないばかりか恥であり、何の価値もない」と斷じ、光明日?qǐng)?bào)も同日に「寢そべり族が経済、社會(huì)の発展に多くの悪影響をもたらすのは明らかだ」との文章を掲載した。

そして、5月の終わりになると、ネット上に數(shù)多く存在していた「躺平」について議論するグループが閉鎖され、関連の書(shū)き込みも続々削除されていることにネットユーザーたちが気付き始めた。5月31日にはついに、SNSの豆瓣で「躺平」がセンシティブワードに設(shè)定されたのである。

あるアナリストは「躺平」が中國(guó)社會(huì)の貧富差拡大、富の分配の不公平、底辺で頑張っても相応のリターンが得られないという現(xiàn)狀に対する市民の不満、ネガティブな反抗、社會(huì)への協(xié)力を拒む意識(shí)の表れであり、政府の価値観を脅かす側(cè)面を持っていると指摘する。そして、議論が進(jìn)めば進(jìn)むほど、「躺平」主義はより強(qiáng)烈な積極的反抗心を呼び覚ますことにさえなるというのだ。

政府がさらに不安を感じているのは「躺平」主義が強(qiáng)い社會(huì)的な共感、コンセンサスを生じかねないということだ。人々が「消費(fèi)、奮闘を拒み、他人の利益の犠牲になることを拒む」という非協(xié)力的な意識(shí)で団結(jié)すれば、政府のイデオロギーや現(xiàn)體制にとってさらに大きな脅威になる可能性がある。

流行からわずか2カ月、「躺平」主義は公に存在する空間を早くも奪われた。しかし、これで「躺平族」が消滅することは決してないだろう。あるネットユーザーは「それなら老子信仰に改めよう。（無(wú)為自然を説いた）老子こそ『寢そべり族』のパイオニアなのだから」と書(shū)き記している。（翻訳?編集/川尻）