先回のコラムにコメントいただいたように「ワクチンによる薬害に対して『何があっても一切抗議しません』の文面に署名」したものの、當(dāng)?shù)丐扦贤鈬?guó)人への接種をまだ開始していませんと言われてから中國(guó)で待つこと丸1カ月。

ついに中國(guó)人の2回目の接種がほぼ終わったようで（僕の中國(guó)人の妻も2回目を無事終了）、外國(guó)人も7月から打てますよとの情報(bào)が入ったので、中國(guó)現(xiàn)地在住の日本人として早速打ちに行ってみた。

そんなわけで、まずは既に署名済みの「新型冠狀病毒疫苗知情同意書」なるものに最初からもう一度目を通す。以下は、この「同意書」からの直接の引用（日本語(yǔ)訳）である。

＃この書式は全國(guó)統(tǒng)一ではなく、今回ご紹介するのは山東省青島付近で使われているものであることをご了承いただきたい。なお百度で検索いただければ、ご自身でその他の地域の「同意書」の確認(rèn)が可能である。

【ワクチンの種類】現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で批準(zhǔn)されているのは4つの製薬會(huì)社により製作されたワクチンで、うち3つは不活化ワクチン（Vero細(xì)胞）、殘りの1つは為腺病毒載體疫苗つまりアデノウイルスワクチン（オックスフォード-アストラゼネカ製およびガマレヤ社製と同類のワクチン）である。

＃後者のアデノウイルスワクチンというのは「中國(guó)で初『1回で有効』新型コロナワクチン接種開始｜テレ朝news」で紹介されていた「カンシノ?バイオロジクス（康希諾生物）と人民解放軍の軍事科學(xué)院が共同開発した新型コロナワクチン（ウイルスベクターワクチン）」のこと。

他にも緊急時(shí)に限り、重組亜単位疫苗（CHO細(xì)胞）つまり組換えサブユニットワクチン（ウイルス表面タンパクの一部を抗原とした組換えワクチンで、生ワクチンではない）の接種が批準(zhǔn)されている。

【接種の対象】満18歳以上。

＃つまり中國(guó)において子どもたちや若い人たちは、今のところワクチンを接種していない。

【接種の手順】不活化ワクチンの2回の接種の間隔を3週以上8週以內(nèi)とする。組換えサブユニットワクチンであれば4週以上の間隔で、2回目は8週以內(nèi)に、3回目は半年以內(nèi)に終える。

【注意事項(xiàng)　※署名が必要】接種後30分間は留観區(qū)（と呼ばれる別室）にて副反応がないかどうかを見る。その他ワクチンと同様、コロナワクチンのすべての接種者に100％の保護(hù)効果は恐らく得られない。

＃ここの中國(guó)語(yǔ)の文言は興味深い。ワクチン接種イコール抗體形成イコール絶対コロナに感染しないとはならないかもしれず、そのことを大前提とし副反応はゼロではないことを承知していますというサインをする。

【副反応の補(bǔ)償】もし調(diào)査診斷を経て副反応またはその可能性が排除できない場(chǎng)合、ワクチン製作企業(yè)が自主加入した予防接種副反応補(bǔ)償保険の保険會(huì)社が責(zé)を負(fù)う。

なおこの中國(guó)のワクチン接種の詳細(xì)については、百度で「新冠病毒疫苗供応接種信息公告」あたりをご検索いただければ相応の情報(bào)が（中國(guó)語(yǔ)ではあるが）ネット上で明らかにされている。

＃當(dāng)の僕らは山東省に住んでおり、検索ワードに「山東省」を加え下記の詳細(xì)な點(diǎn)について知ることができた。

1．國(guó)家および山東省の統(tǒng)一された取り決めにより、6月10日から30日までに2回目の接種を終える。

＃だから7月1日からは接種し損ねた人々と僕らのような外國(guó)人が接種するらしい。

2．ワクチンは共に國(guó)薬集団（中國(guó)醫(yī)薬集団有限公司つまりシノファーム）傘下の北京生物制品研究所有限公司、長(zhǎng)春生物制品研究所有限公司、蘭州生物制品研究所有限公司、および北京科興中維生物技術(shù)有限公司（シノバック?バイオテック）による不活化ワクチン、および安徽智飛龍科馬生物制薬有限公司による組換えサブユニットワクチン。

＃1回のみ接種でOKのアデノウイルスワクチンを接種する機(jī)會(huì)は、山東省ではどうやら稀のようだ。

3．2回の接種が全く同一である必要はない。なぜならワクチン原液が北京生物制品研究所により殘りの3つの製造元に提供されているため。

＃WeChatアプリである電子健康通行カードアプリ（または「健康コード」アプリ）により、中國(guó)人はもとより中國(guó)在住外國(guó)人も14日以內(nèi)の行動(dòng)範(fàn)囲（攜帯の電波の受信狀況により立ち寄った市町村がすべて把握されている）やPCR検査の結(jié)果等がすぐに分かるようになっているが、この同じアプリにいつどこでどのワクチンを打ったかも記録されている。

4．接種後の抗體検査はない。マスクは引き続き必須、また手洗い?通風(fēng)?フィジカルディスタンスの保持を勵(lì)行する。

ところで、この中國(guó)のワクチンの有効性はどうなのだろう？この點(diǎn)でも中國(guó)ネット上の情報(bào)は興味深い。

まず目につくのは、今回ワクチンは「半年以上」の有効性が認(rèn)められたという點(diǎn)だ。つまり半年間は大丈夫であるが、半年後いつまで有効なのかは誰(shuí)も何とも言えない。その頃にはさらなる変異株への対応も必要だろうから、もしかするとしばらくは半年スパンのワクチン接種ということになるのかもしれない。

中國(guó)科學(xué)院院士で中國(guó)疾控中心（中國(guó)疾病予防管理センター?CCDC）の高福主任の発言も注目されている?！钢袊?guó)シノバック製コロナワクチン、有効性への懸念さらに高まる | Forbes JAPAN」等の記事の中で「自國(guó)製ワクチンの有効率が高くないことを認(rèn)め、問題解決の方法を模索している」とされた人物だ。

だがその記事も認(rèn)めているように、後になって「共産黨系の『環(huán)球時(shí)報(bào)』紙で、自身の発言に関する報(bào)道を『完全な誤解』だと語(yǔ)っ」た。そのようなわけで「中國(guó)疾病予防管理センター長(zhǎng)?高福氏に聞く－ワクチン接種で疾病負(fù)荷を軽減」と題する記事が、人民中國(guó)インターネット版および中國(guó)網(wǎng)にて日本語(yǔ)で公開されている。

つまり高福主任が言ったとされる「自國(guó)製ワクチンの有効率が高くない」というのは、同記事によれば「コロナワクチンの開発は容易ではなく、現(xiàn)在のところ、どのワクチンの効果がより高いか証明できるデータはまだありません（中國(guó)のワクチンの優(yōu)位性を數(shù)値で示すこともできない）」ということらしい。

とはいえ中國(guó)のワクチンは「WHOの判斷によれば重癥化や死亡を防ぐ効果に関しては100％に近い」という強(qiáng)みがあるという。

では、中國(guó)のワクチンを日本人として打って思うこととは何か。

まず第一に、これは自己責(zé)任だとつくづく思う。一家の頭として自身の「重癥化や死亡を防ぐ」ために僕も打ったが、「ワクチン接種イコール抗體形成イコール絶対コロナに感染しないとはならないかもしれず、そのことを大前提とし副反応はゼロではないことを承知していますというサインをする」必要があった。

幸い、僕（と中國(guó)人の僕の妻）は打っても何ともなかった。あとは2回目の接種を數(shù)週間後に無事に終え、抗體形成となることを願(yuàn)うばかりだ。

第二に、これは長(zhǎng)期戦だとつくづく思う。今回の中國(guó)の不活化ワクチンは「半年以上」の有効性が認(rèn)められているのみで、変異株との戦いも続く。

高福主任が上記記事で言う「新型コロナを今すぐ地球から取り除くことはできないかもしれませんが、今後はワクチン接種で疾病負(fù)荷を減らしながら、ウイルスと共存していくことはできる」というのは、とりもなおさずワクチン接種プラス「マスクは引き続き必須、また手洗い?通風(fēng)?フィジカルディスタンスの保持を勵(lì)行する」必要があるということにほかならない。

第三に、これは全世界の問題だとつくづく思う。僕的にはインドやブラジル他の親しい友人たちのことが非常に心配だったりするのだが、「ワクチン接種直後196人死亡、「打つべき人」と「打たないほうがいい人」｜NEWSポストセブン」のコメント欄（正確には、転載先のYahoo!ニュースのコメント欄）の2000以上のコメントを見ていると、日本の皆さんのこともやはり心配になってしまう。

だから高福主任の「新型コロナワクチンは世界の公共財(cái)です。中國(guó)は、日本を含む世界の國(guó)々と技術(shù)面での協(xié)力を進(jìn)め、より人間に適した質(zhì)の高いワクチンを選び出し、団結(jié)して新型コロナに打ち勝とうとしています」とのコメントは的を得ているように見えなくもない。

というのもワクチンに限ったことではないが、歐米はアイデア（開発）に強(qiáng)く、日本は製品化に強(qiáng)く、中國(guó)は量産に強(qiáng)い。

だが問題は「世界が団結(jié)して新型コロナに打ち勝とうと」するかどうかである。そうなるのかもしれず、そうならないのかもしれない。それはどういうことか。

現(xiàn)代人の記憶から消え去りかけていた1918年のスペイン風(fēng)邪の記憶は、今回のコロナ禍により再び人類に共有されることになったが、その當(dāng)時(shí)、世界は団結(jié)しただろうか？

そうであったとも、そうでなかったとも言える。當(dāng)初は第一次大戦がまだ収束していなかったから団結(jié)どころではなかった。ところが猛威を振るったスペイン風(fēng)邪がほぼ自然収束し（自然の成り行きに任せた結(jié)果、比較的短期間で世界規(guī)模の集団免疫が達(dá)成された）、1919年にベルサイユ條約が締結(jié)され、國(guó)際連盟が発足する。

スペイン風(fēng)邪は自然に去って行ったし、ベルサイユ條約で戦後処理は十分だったはずなのに、一體どうして「國(guó)際連盟」なのか。

その時(shí)、國(guó)際連盟の提唱者であり當(dāng)時(shí)の米國(guó)大統(tǒng)領(lǐng)であったウッドロー?ウィルソンは「キリスト教には実現(xiàn)できなかった人間同士の兄弟関係を國(guó)際連盟が実現(xiàn)することになる」と説明し、英國(guó)の首相ロイド?ジョージとフランスの首相ジョルジュ?クレマンソー を驚かせたという。

つまり「世界の団結(jié)」なるものは、世界的流行病や世界大戦の戦後処理程度ではまだ生じない。良かれ悪しかれ、それこそ既存の宗教をさえ凌駕し覆しかねないような尋常でないベクトルが働いて、初めてなんぼなのである。

そんなわけだから、上記記事にある「中國(guó)製薬大手の上海復(fù)星醫(yī)薬（Fosun Pharma）とドイツのバイオ企業(yè)ビオンテック（BioNTech Ltd．）が昨年3月から、mRNAワクチン（米ファイザー?獨(dú)ビオンテック?米モデルナが開発したワクチンと同種のもの）の共同開発を行っている」という高福主任の「良い知らせ」は、やはり「こちらのお國(guó)が使える『カード』がまた増える予定です」ぐらいの話なのだろう。

え？「じゃ日本のワクチンはどうなるんでしょう？今回は『世界の団結(jié)』なしですか？」という問いの答えですか？まあ、それはそうなるかもしれないし、そうならないかもしれない、としか……

■筆者プロフィール：大串 富史

本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國(guó)?北京に8年間、中國(guó)?青島に3年間滯在。中國(guó)人の妻の助けと支えのもと新HSK6級(jí)を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長(zhǎng)城中國(guó)語(yǔ)」にて中國(guó)語(yǔ)また日本語(yǔ)を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國(guó)?中國(guó)人?中國(guó)語(yǔ)學(xué)習(xí)?中國(guó)ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。

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