四川省成都市で最近、男性3人組ユニット「三男幫」が“デビュー”。メンバーの平均年齢は約30歳で、3人とも四川省出身だ。同ユニットのモットーは「退屈を吹っ飛ばせ」。でもこの3人、実はテレビでよく見る「アイドル」と違い、一般人だ。

成都市のある団地に住む黃さんは、新型コロナウイルス対策の影響で、いずれも羅という名字の內(nèi)裝職人2人と11日間一緒に暮らしている。それまで、知り合いでもなかった3人は11日間、一緒に家事をし、ゲームをし、ホラー映畫を鑑賞し、少しずつ打ち解けて、仲の良い友達(dá)となった。男同士はこんなふうに実に簡単に仲良くなれるのだ。

3人の「馴れ初め」を描いた動(dòng)畫がネット上にアップされると、ネットユーザーの間で大きな話題になり、8日早朝には、微博（ウェイボー）で「新型コロナがきっかけで內(nèi)裝職人と想定外の同居」が検索ランキングで急上昇した。

■想定外の「同居」、重い空気を変えた1本の電話

黃さんによると、內(nèi)裝職人に7月22日に暖房の設(shè)備を設(shè)置してもらうようかなり前から手配していた。そのため、その1週間前には、生まれてまだ3カ月の赤ちゃんと妻を雅安市にある実家へ送り屆けていた。ところが、想定外なことに、內(nèi)裝職人が黃さんの家に來られる日は7月28日になってしまった。

28日當(dāng)日、車ナンバーによる通行規(guī)制があるため、內(nèi)裝職人2人は早朝に家を出た。一方の黃さんは朝起きると、団地の住人が微信（WeChat）に立ち上げているグループに、「団地が封鎖された」というメッセージが來ているのを目にした。そして、內(nèi)裝職人に「日を改めて來るように」と連絡(luò)したものの、その時(shí)には2人はすでに黃さんの家の下まで來ていた。それが朝8時(shí)前の出來事だという。

団地から出られなくなったため、黃さんは寢室1室を片付けて、2人が泊まれるようにした?！袱瑜椁胜と摔?0日以上一緒に住むことになった。初めは心の準(zhǔn)備ができていなかったし、2人もとても堅(jiān)苦しかった。例えば、果物を買ってきても2人は食べなかった。みんな一生懸命話題を探して、気まずい空気にならないようにしていた」と振り返る。

「団地が封鎖されている間も、僕はずっと在宅勤務(wù)している。2人もスマホをいじったりしていて、あまりしゃべらなかった。夜は、2人は9時(shí)になると寢てしまっていた。そんな重苦しい空気を変えたきっかけは、ある『電話』だった」と黃さん。

「同居」して2日目、內(nèi)裝職人の1人が妻と電話していた。それを聞いた黃さんは初めてその內(nèi)裝職人には雙子の子供がいて、黃さんの子供が生まれた3日後に生まれたことを知った?！赋啶沥悚蟆工趣い餐à卧掝}が見つかり、世話をする経験などを話しているうちに、黃さんは2人が遂寧市出身のいとこどうしで、苗字は羅であることを知った。

ホラー映畫も3人の仲を一気に縮めたという。

黃さんは、「ホラー映畫で怖いシーンを見た時(shí)には、素の部分が出るものだ。誰かがあるシーンを見てあまりに怖がっている時(shí)には、殘りの2人が『そこまで怖くないだろう』と笑いながら突っ込む。そんなやり取りをしているうちに、だんだん打ち解けていった」と話す。

■想定外の「お仕事」、近所の人が臨時(shí)アルバイト頼む

「コロナで団地が封鎖されている今、夏の天気よりも熱いのは人の心だ」と話す黃さんは、「団地の住人は微信のグループを通して僕たち3人のことを知り、毎日食事の時(shí)間になると、グループ內(nèi)の人が『內(nèi)裝職人の2人はご飯食べた？』と聞いてくれる。また、団地が封鎖されて2人が內(nèi)裝の仕事ができないことを心配して、鏡や絵、浄水器を取り付けてほしいとか、給湯器を修理してほしいなどと連絡(luò)してきて、仕事をくれる住人もいる。ただ、みんなお金を渡したいと思っているものの、2人は受け取らない。だから、家にあるお菓子やアイスクリーム、ビールなどをもらって帰ってくる」と説明する。

10日以上一緒に暮らし、3人はすっかり仲の良い友達(dá)になっている。その仲の良さは、職人2人が寢る時(shí)間が夜9時(shí)から12時(shí)過ぎに変わったことからもよく分かる。

3人は一緒にゲームをして、映畫を見て、さらに一緒に食材なども買ってきて、一緒に料理もしているという?！袱撙螭柿侠砩鲜证?、それぞれに得意料理がある」と話す黃さんは、毎回料理をスマホで撮影している?！羔幛钦瘠攴丹毪?、とても面白いと思う」と黃さんは語る。

■想定外の「人気者」に、「ネットでこんなに注目を浴びるとは」

「以前は、みんなが団地內(nèi)で他の住人と交流することはあまりなかった。でも、新型コロナの影響で封鎖され、みんなよく行き來するようになり、近所の人との距離が縮まった。これも、成都の人々のポジティブで、団結(jié)している一面だ」と黃さん。

インターネット上で大きな話題となり、黃さんらを取材するメディアも登場。さらに、微博の検索ランキングで急上昇している様子をスクリーンショットして黃さんに送信する友人もおり、「不思議な感じ。こんなに注目を浴びるとは予想外」と黃さんは言う。

それでも、黃さんの生活パターンが変わることはなく、8日午前も朝早くに起きて、朝食を準(zhǔn)備し、仕事をした。その後、職人2人と一緒に晝食を作った。

「しばらくすれば、封鎖は解除され、普通の日常が戻るだろう。でも、今回の特別な経験は、僕の『人生の日記』において忘れがたい1ページとなるだろう。そこには、2人の內(nèi)裝職人の名前も刻まれることになる」と黃さんは語っている。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/KN）