24日にあるイベントがあり、昨日はカメラマンと電話で話をすることになっていたが、一向に連絡(luò)を取ることができなかった。夜になってやっと分かったのは彼が新型コロナウイルスに感染して入院中だということだ。連絡(luò)をくれた彼の整然としない様子から、狀態(tài)がどれだけひどいのか知ることができた。

詳しい狀況は彼の家族に連絡(luò)を取って初めて分かった。それによると彼は先週木曜日の帰宅時(shí)に疲労困憊で倒れるように眠り込み、翌日はベッドから起き上がれなかった。病院で受けた検査の結(jié)果は陽(yáng)性で、自宅療養(yǎng)中に容體は悪化。呼吸はますます困難になり、慌てて救急車を呼んだものの豊島區(qū)の病院に受け入れられるまで6時(shí)間以上かかったそうだ。日本の醫(yī)療システム崩壊の中、入院できたことは奇跡に近いだろう。

彼の妻は専業(yè)主婦で、夫婦には小學(xué)校に通う2人の子どもがいる。彼以外の3人もPCR検査で陽(yáng)性が判明し、現(xiàn)在は保健所の指導(dǎo)の下、自宅で隔離生活を送っている。彼の家では予約が取れなかったため誰(shuí)もワクチンを接種していなかったそうだ。この一家に起きたことは一つの縮図であり、同様の事態(tài)は日本の2萬(wàn)を超える家庭でも見られた。新型コロナに感染した妊婦が受け入れ先となる病院を見つけられなかったため自宅で早産し、直ちに手當(dāng)てを受けられなかった赤ちゃんが亡くなるという悲劇すら起きている。

感染の予防?封じ込めは、日本社會(huì)全體が団結(jié)して初めて乗り越えられる課題だということは疑いようがない。だが、記者をしているある友人は私に「今後しばらくの間、感染対策が日本の政治家の最重要事項(xiàng)でないことは明らかだ。9月に衆(zhòng)議院の解散はあるか、11月の総選挙で自民黨は勝てるか、菅義偉首相は続投できるのか。これらこそが重點(diǎn)だ」と告げた。もちろん、3日後に東京パラリンピックは予定通り開催される。

1人の在日外國(guó)人として、私は現(xiàn)地の事情について自分の考えをあまり述べたくない。ただ、感染拡大を成り行きに任せることは國(guó)民に受け取れない球を投げることだということを日本の政治家に分かってもらいたい。

■筆者プロフィール：呂 厳

4人家族の長(zhǎng)男として文化大革命終了直前の中國(guó)江蘇省に生まれる。大學(xué)卒業(yè)まで日本と全く縁のない生活を過(guò)ごす。23歳の時(shí)に急な事情で來(lái)日し、日本の大學(xué)院を出たあと、そのまま日本企業(yè)に就職。メインはコンサルティング業(yè)だが、さまざまな業(yè)者の中國(guó)事業(yè)展開のコーディネートも行っている。1年のうち半分は中國(guó)に滯在するほど、日本と中國(guó)を行き來(lái)している。興味は映畫鑑賞。好きな日本映畫は小津安二郎監(jiān)督の『晩春』、今村昌平監(jiān)督の『楢山節(jié)考』など。