2021年8月23日、米華字メディア?多維新聞は、オーストラリアとの対立が続く一方で同國(guó)からの鉄鉱石輸入依存から脫卻できない中國(guó)が、新たな手を繰り出そうとしていると報(bào)じた。

記事は、中國(guó)が昨年オーストラリアに対して経済的な「懲罰」を與えて以降、オーストラリアの農(nóng)作物対中輸出が激減した一方で、鉄鉱石の対中輸出は量、金額ともに増え続けており、同國(guó)からの全體的な対中輸出がかえって増加する事態(tài)になっていると紹介。豪メディアや米メディアからは「鉄鉱石の依存が、習(xí)近平（シー?ジンピン）氏の戦略的な弱點(diǎn)になっている」との見(jiàn)方が出ていると伝えた。

そして、オーストラリアにとって鉄鉱石輸出の増加だけでは農(nóng)作物輸出激減の損失を補(bǔ)填するには不十分であるものの、中國(guó)の「懲罰」の効果は大幅に軽減されているとともに、中國(guó)はオーストラリアへの鉄鉱石依存により鉄鉱石価格を決定する上での発言権を十分に得られていない狀況が露呈したと説明。「発言権を奪うためには、依存狀態(tài)を脫卻しなければならず、中國(guó)政府は鉄鉱石関連政策を打ち出すことが急務(wù)になっている」とした。

一方で、中國(guó)がこれほど大量の鉄鉱石を輸入しなければならない理由は、ここ數(shù)十年の急速な工業(yè)化、インフラの現(xiàn)代化による鉄鋼の需要が世界で最も旺盛であるのに対し、國(guó)內(nèi)の鉄鉱石資源が不足しているためであると指摘?！袱膜蓼辍⒅袊?guó)の現(xiàn)代化需要が落ち著けば輸入は減ることになる。大規(guī)模なインフラ建設(shè)が一段落し、製造業(yè)のモデルチェンジが実現(xiàn)すれば鉄鋼の需要は早晩低下する。ただ、短期間のうちに需要をコントロールすることは難しく、中國(guó)にできるのは価格の発言権を得るべく努力することなのだ」と論じている。

その上で、中國(guó)は國(guó)內(nèi)の鉄鋼業(yè)企業(yè)の再編に著手し、世界的な鉄鋼産業(yè)企業(yè)を複數(shù)つくって世界10大鉄鋼會(huì)社のうち7社を中國(guó)企業(yè)が占めるという狀況を生み、価格の発言権を奪いにかかったと説明。確かにこの施策が奏功して世界の鉄鉱石価格は一時(shí)下落するとともに、中國(guó)企業(yè)による積極的な國(guó)外投資による資源確保によってオーストラリアへの依存から脫卻の手がかりを摑んだものの、新型コロナの流行によって鉄鉱石の価格は今年に入って高騰、中國(guó)企業(yè)の利潤(rùn)が増える以上に鉄鉱石企業(yè)が儲(chǔ)かる狀況になってしまったと伝えた。

記事は、鉄鋼価格の高騰を抑えるために中國(guó)政府が4月と7月にそれぞれ鉄鋼製品の輸出関稅を引き上げ、稅還付を廃止する措置を講じたと紹介。さらに、熱間圧延鋼などの輸出関稅を10?25％引き上げることも検討しているとの報(bào)道も出ているとし、今年に入って増えている鉄鋼製品の輸出に規(guī)制をかけることで「國(guó)內(nèi)市場(chǎng)における鉄鋼価格を下げられるとともに、鉄鉱石の輸入抑制にもつながる」と解説した。そして、中國(guó)が鉄鋼輸出を規(guī)制することによる國(guó)際的な鉄鋼価格上昇については「中國(guó)政府が考慮する問(wèn)題の範(fàn)囲外だ」とした。

「時(shí)代遅れな鋼鉄生産の淘汰、業(yè)界再編による世界クラスの鉄鋼企業(yè)出現(xiàn)、鉄鋼製品輸出制限、そしてアフリカの鉄鋼資源確保、さらには廃鋼の再利用というコンボに、中國(guó)の大規(guī)模なインフラ完成が加わることで、中國(guó)にとってのオーストラリアの鉄鉱石という『戦略的弱點(diǎn)』は克服されることになるだろう」と記事は結(jié)んでいる。（翻訳?編集/川尻）