來年5月のフィリピン大統(tǒng)領(lǐng)選にドゥテルテ大統(tǒng)領(lǐng) が副大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)として出馬する。ドゥテルテ氏と組む大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)は決まっていないが、長(zhǎng)女で南部ミンダナオ島ダバオ市長(zhǎng)のサラ氏らを大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)に據(jù)える作戦とみられ、自身の権力維持を図るため「ウルトラC」の打って出た形だ。

比大統(tǒng)領(lǐng)の任期は１期6年で、再選は憲法で禁じられている。正副大統(tǒng)領(lǐng)がペアで選ばれる米國(guó)などとは異なり、別々に選出される。政治的に対立する2人の組み合わせになることもあり、現(xiàn)在の副大統(tǒng)領(lǐng)ロブレド氏もそうだった。

選挙は候補(bǔ)者の屆け出が10月8日に締め切られ、來年2月8日から選挙戦が始まる。投票日は5月9日。

地元メディアによると、與黨PDPラバンは24日、ドゥテルテ氏を副大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)とすることを了承したと発表。ドゥテルテ氏も同日夜、出馬を明言した。7月に行われた世論調(diào)査で、ドゥテルテ氏は副大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)の中でトップとなる18％の支持を得ていた。

大統(tǒng)領(lǐng)選にはラクソン上院議員がすでに出馬を表明。サラ、ロブレト両氏のほか、プロボクシングで世界6階級(jí)を制したパッキャオ上院議員、故マルコス大統(tǒng)領(lǐng)の長(zhǎng)男ボンボン?マルコス元上院議員、マニラのモレノ市長(zhǎng)らの立候補(bǔ)が取りざたされている。

サラ氏の政治手腕は未知數(shù)だが、地元ダバオでは父親を引き継ぎ、圧倒的な人気を誇っている。フィリピンでは新型コロナ対策が功を奏せず、東南アジアでも最悪の経済停滯を招いているが、ドゥテルテ氏は政権末期になっても歴代大統(tǒng)領(lǐng)と比べて最も高い支持率を維持している。父娘の人気の高さからすれば、ドゥテルテ家による「マラカニアン宮殿（大統(tǒng)領(lǐng)府）獨(dú)占」というシナリオは現(xiàn)実味を帯びる。

大統(tǒng)領(lǐng)を務(wù)めた者が副大統(tǒng)領(lǐng)候補(bǔ)として出馬した例はないが、大統(tǒng)領(lǐng)退任後に副大統(tǒng)領(lǐng)に就任することは憲法上可能。しかし、憲法は大統(tǒng)領(lǐng)が職務(wù)不能となった場(chǎng)合には、副大統(tǒng)領(lǐng)が大統(tǒng)領(lǐng)と定めている。大統(tǒng)領(lǐng)の再就任は違憲となってしまうため、法律専門家からは問題があると指摘も出ているという。

16年に就任したドゥテルテ氏は麻薬対策に力を入れ、容疑者が抵抗した場(chǎng)合は容赦なく射殺するよう警察に指示した?！嘎樗a戦爭(zhēng)」と呼ばれ、治安が大幅に改善し、高支持率につながった半面、「超法規(guī)的な殺人が続出した」と批判を浴びている。

外交面では歴代大統(tǒng)領(lǐng)に比べて「親中色」が目立つ。アキノ前政権が國(guó)際海洋法條約に基づいて提訴した裁判で、オランダ?ハーグの仲裁裁判所が16年7月に中國(guó)の領(lǐng)有権主張を全面的に退ける判決を出したのに対し、ドゥテルテ氏は間を置かずに中國(guó)の習(xí)近平國(guó)家主席と會(huì)談し、援助の約束の見返りに「判決の棚上げ」を宣言した。（編集/日向）