2021年8月31日、米華字メディア?多維新聞は「臺灣はどうして中國人民解放軍を気にしないのか」とする評論記事を掲載した。以下はその概要。

8月17?19日に中國人民解放軍が臺灣南西部、南東部周辺海域で大規(guī)模な軍事演習(xí)を?qū)g施した。中國メディアも大々的にこれを報(bào)じ「米臺の結(jié)託を揺るがす」「臺灣を震撼させた」などと形容したが、臺灣島內(nèi)の反応は基本的に冷ややかだった。また、日本や米國の政治家やメディアが頻繁に「臺灣海峽危機(jī)」の可能性を叫ぶ中、臺灣の反応はリアリティーに欠け続けている。

中國に対する脅威を意識しながら、一方で人民解放軍の軍事演習(xí)には冷ややかという現(xiàn)象は、2つの點(diǎn)から分析することができる。まずは臺灣が完全に人民解放軍を気にかけていないわけではないということだ。2019年3月に解放軍機(jī)が初めて臺灣海峽の中央線を越えて飛行した際には臺灣島內(nèi)に震撼が走った。しかし、その回?cái)?shù)が増えるにつれて市民の感覚は麻痺していき、今やすっかり慣れてしまったのだ。この點(diǎn)について言えば、中國政府の思惑は間違いなく成功したと言える。

次に、市民の感覚が麻痺した背景には、慣れ以外に「臺灣には中國に抗う能力はないことを悟っている」ことも関係している。20年9月に解放軍機(jī)が臺灣海峽の中央線を越え、さらに臺灣に近いところまで飛んできた際に、臺灣の國防部は「われわれは自衛(wèi)反撃権しか行使できない」と語っている。すなわち、解放軍が明らかに攻撃を仕掛けてこない限り手を出せないということだ。

臺灣市民は「中國共産黨が臺灣海峽の現(xiàn)狀を変えようとしているが、米國に阻まれて中央線を越えて飛行する以上のことができないでいる」と認(rèn)識しており、もし米國がいなければ臺灣には中國に抗う力はないと考えている。

驚異を感じながら相手の行動に反応しないというのは現(xiàn)実逃避と分析する専門家もいるが、臺灣社會にとっては「逃げるは恥だが役に立つ」なのだ。解放軍の行動に対する無視は、臺灣自身のやるせなさということに盡きるのだ。（翻訳?編集/川尻）