中國では近年、土壌汚染事件や事故が頻繁に発生している。工業(yè)化と都市化の加速に伴い、人類生存の物質(zhì)的基盤としての土壌は、現(xiàn)在すでに大部分の汚染物質(zhì)の消費(fèi)地となっている。汚染企業(yè)による廃液の投棄から水銀米、鉛小麥まで、土壌汚染事件?事故はどこでも見られる光景だ。

土壌汚染は、生態(tài)環(huán)境の安全を脅かすだけでなく、人間の健康と安全を危険にさらす。土壌中の重金屬過剰で土地の健康指標(biāo)が低下しており、土壌修復(fù)は急務(wù)となっている。

■土壌修復(fù)について

土壌修復(fù)とは、物理的、化學(xué)的、生物學(xué)的方法を利用し、土壌中の汚染物質(zhì)を移動(dòng)、吸収、分解、変換して、それらの濃度を許容レベルまで下げるか、有毒で有害な汚染物質(zhì)を無害な物質(zhì)に変換することを指す。

現(xiàn)在、中國の土壌環(huán)境狀況は総體的に深刻で、一部地域の汚染は特に厳しい狀況にある。土壌環(huán)境保護(hù)は、エコ社會(huì)の建設(shè)を促進(jìn)し、國の生態(tài)安全を維持するための重要な部分となっている、そのため、政府部門は土壌の保護(hù)と修復(fù)を非常に重要視しており、土壌保護(hù)と修復(fù)の取り組みを強(qiáng)化し一連の保護(hù)と包括的な整備措置を採用している。

「土十條」、「土壌汚染防止整備法」、「汚染區(qū)畫の土壌環(huán)境管理弁法」、「2017年國家ネットワーク土壌環(huán)境モニタリング技術(shù)要求」などの公布に伴い、中國は今後數(shù)年間で土壌修復(fù)に関連する法律と政策を?qū)毪?、土壌修?fù)法制度を改善し、土壌修復(fù)産業(yè)にさらに詳細(xì)な指導(dǎo)意見を提示し、土壌修復(fù)産業(yè)の発展を後押しする。土壌修復(fù)市場規(guī)模は1兆元（約17兆円）を見込む。

■土壌修復(fù)兆市場はブルーオーシャンか

中國の土壌汚染修復(fù)整備が遅れたことで、業(yè)界は今後、同市場が拡大すると見ているが、土壌修復(fù)市場の規(guī)模はどのくらいの大きさになるのか？

あるデータによると、2016年の土壌修復(fù)産業(yè)の受注総額は60億元（約1020億円）近くだったが、2017年の受注総額は約250億元（約4250億円）に急増し、2020年の受注総規(guī)模は約400億元（約6800億円）となった。しかし、業(yè)界內(nèi)のアナリストは、中國の土壌修復(fù)産業(yè)はまだ揺籃期にあり、市場規(guī)模は年々拡大するだろうと予測(cè)している。

また、中國華東、南西部などで詳細(xì)な調(diào)査と整備計(jì)畫の策定が完了し、修復(fù)の需要が徐々に明らかとなり、2020年以降の市場成長を支えることが期待されている。業(yè)界関係者は、「用地修復(fù)、農(nóng)地修復(fù)、鉱山修復(fù)などを含め、土壌修復(fù)の潛在的な市場スペースは5兆2000億元（約88兆4000億円）を超えるだろう」と指摘した。

政策支援型の産業(yè)として、土壌汚染防止?整備行動(dòng)計(jì)畫から土壌汚染防止?整備法、土壌環(huán)境モニタリングの技術(shù)的要求に至るまで、土壌汚染防止?整備を非常に重視していることを示している。兆元規(guī)模の土壌修復(fù)市場の「ブルーオーシャン」の実現(xiàn)には、政策支援が必須であるだけでなく、関連する環(huán)境保護(hù)企業(yè)の「內(nèi)部の強(qiáng)さ」、市場潛在力、土壌修復(fù)、先行モニタリング、土壌モニタリング計(jì)器を継続的に育成する必要がある。「新たなブルーオーシャン」に期待がかかっている。

■土壌モニタリング計(jì)器の巨大な需要

前述のように、土壌修復(fù)は汚染土壌の正常な機(jī)能を回復(fù)するための技術(shù)手段であり、土壌汚染の深刻さ、修復(fù)の難しさと緊急性のために、汚染土壌修復(fù)はすでに今日の環(huán)境科學(xué)研究のホットスポットと挑戦的な分野になっている。

土壌修復(fù)、先行モニタリング、土壌修復(fù)モニタリングのプロジェクトは主に土壌中の汚染物質(zhì)や有害有毒成分を検出する。この中には殘留農(nóng)薬、重金屬含有量、固形廃棄物含有量、放射性物質(zhì)の検出、無機(jī)非金屬含有量などを含む。土壌修復(fù)モニタリング方法は、主にガスクロマトグラフィー、紫外分光光度法、イオンクロマトグラフィー、周波數(shù)領(lǐng)域反射率測(cè)定法、原子吸光分析法、原子蛍光法、フレーム原子吸光分光法など、さまざまな項(xiàng)目に応じて各種の方法を採用する。

汚染土地の修復(fù)と改善のプロセスをモニタリングするため、関連する土壌モニタリング計(jì)器が特に重要になっている。水銀、ヒ素、セレン、ビスマス、アンチモン、その他の重金屬などの土壌中の沈殿物の測(cè)定には、デュアルチャネル原子蛍光分光法、液相クロマトグラフィー原子蛍光分光計(jì)、X蛍光分光計(jì)、誘導(dǎo)結(jié)合プラズマ分光計(jì)がある。

さらに、モニタリング計(jì)器の使用により、土壌環(huán)境モニタリングシステムの構(gòu)築、定期的な土壌環(huán)境モニタリングの実施、土壌環(huán)境モニタリングの結(jié)果のタイムリーな報(bào)告、土壌環(huán)境の全體的な狀態(tài)、潛在的なリスク、変化動(dòng)向を把握する。同時(shí)に技術(shù)の発展の伴い、土壌モニタリングはより體系的かつインテリジェント化と進(jìn)化する。

土壌修復(fù)産業(yè)が近年急速に成長し、汚水処理、大気汚染整備、固形廃棄物処理の後に続く、環(huán)境保護(hù)市場のもう1つの重要なセグメントになっている。業(yè)界アナリストは、潛在的な総市場規(guī)模は5兆2000億元を超えると分析している。

■筆者プロフィール：內(nèi)藤 康行

1950年生まれ。橫浜在住。中學(xué)生時(shí)代、図書館で「西遊記」を読後、中國に興味を持ち、臺(tái)灣で中國語を?qū)Wぶ。以來40年近く中國との関わりを持ち現(xiàn)在に至る。中國の環(huán)境全般と環(huán)境（水、大気、土壌）に関わるビジネスを?qū)熼Tとするコンサルタント、中國環(huán)境事情リサーチャーとして情報(bào)を発信している。著書に「中國水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現(xiàn)狀」（用水と廃水2016?9）、「中國水ビジネス産業(yè)の現(xiàn)狀と今後の方向性」（用水と廃水2016?3）、「中國の農(nóng)村汚染の現(xiàn)狀と対策」（CWR定期レポ）など。