〝産業(yè)のコメ?半導(dǎo)體の世界的な不足の影響が、自動(dòng)車、エアコンなど多くの製品に波及している。コロナ感染を予防するためテレワークなど在宅勤務(wù)が増え、家電やパソコンなどの「AI」「巣ごもり」需要が膨らんだ。米中対立でサプライチェーンが混亂したことも影響している。

半導(dǎo)體商社によると、インターネットの通信量が拡大。データセンターの設(shè)備増強(qiáng)が相次いでおり、必要な半導(dǎo)體も不足している?！感阅埭浞N類に関係なく半導(dǎo)體は絶対量が足りない」という。半導(dǎo)體生産設(shè)備の早期の増強(qiáng)は困難視され、「在庫を増やしたくても増やせない」?fàn)顟B(tài)が続いているという。

　　◆日本國內(nèi)新車販売、2カ月連続で減少

半導(dǎo)體の調(diào)達(dá)には完成品メーカー各社とも苦慮。自動(dòng)車メーカーが減産を迫られるなど影響が広がっている。第5世代（5G）移動(dòng)通信システムや人工知能（AI）などで利用が増加した上、新型コロナウイルス感染拡大を契機(jī)に、テレワークでのパソコン向けなども伸び、需給が逼迫している。

世界的な半導(dǎo)體の供給不足により8月の國內(nèi)新車販売臺(tái)數(shù)は前年同月比2?1％減の31萬9697臺(tái)で、2カ月連続のマイナスとなった。乗用車のブランド別では、スズキ、ホンダ、日産など5社が前年割れだった。マツダは7月に防府第1工場（山口県防府市）の稼働を止めたほか、8月にタイ工場を計(jì)10日間、メキシコ工場を計(jì)9日間、それぞれ稼働を停止した。トヨタも9月以降に半導(dǎo)體不足による生産調(diào)整が販売に影響したという。

21年の世界の車生産が半導(dǎo)體不足の影響で當(dāng)初予想よりも700萬～900萬臺(tái)減少すると予想されている。21年通年ではコロナ禍に見舞われた20年とほぼ同程度の約7400萬臺(tái)にとどまる見込みで、車載向け半導(dǎo)體の供給が安定するのは早くて22年後半と見られている。

電機(jī)メーカーにも同様の影響が出ている。カシオ計(jì)算機(jī)では電子ピアノの生産に影響が出ており。三菱電機(jī)は家庭用エアコン用半導(dǎo)體の確保に苦労している。パソコン大手のレノボ?ジャパンでは、注文通りに納品できない機(jī)種も出ているという。

　　◆今年の世界半導(dǎo)體需要、2割増の58兆円

世界半導(dǎo)體市場統(tǒng)計(jì)によると、今年の半導(dǎo)體市場は5272億ドル（約58兆円）に上り、前年比19．7％増という高い伸びとなる見込みだ。2022年も８．8％増と予測しており、需給の逼迫が解消するのは早くても來年になるとの見方が多い。半導(dǎo)體メーカーは設(shè)備増強(qiáng)に動(dòng)くが、そのために必要な裝置を、半導(dǎo)體不足で十分つくれないという悪循環(huán)に陥っている。

半導(dǎo)體の性能は自動(dòng)運(yùn)転や高速通信といった次世代技術(shù)の競爭力を左右する。このため米國、歐州、中國は數(shù)兆円を投じて企業(yè)の開発や生産を支援している。米中対立の深刻化によりサプライチェーンの一部が混亂、安全保障の観點(diǎn)からも安定調(diào)達(dá)が課題となっている。

深刻な半導(dǎo)體の供給不足を背景に、日本でも國內(nèi)の半導(dǎo)體産業(yè)を支援しようという機(jī)運(yùn)が広がっている。経済産業(yè)省は今年6月に「半導(dǎo)體戦略」をまとめた。自民黨も半導(dǎo)體産業(yè)を復(fù)活させる議員グループを立ち上げ、政府と與黨が一體となって、日本の半導(dǎo)體産業(yè)の振興を目指している。

日本は、スマートフォンなどに使う最先端半導(dǎo)體工場を海外から誘致する計(jì)畫を推進(jìn)している。これまで國內(nèi)企業(yè)を集約させる「日の丸半導(dǎo)體」路線を展開してきたが、行き詰まったため政策を転換した。

◆臺(tái)灣のTSMC工場誘致目指す

経済産業(yè)省が誘致を目指すのは臺(tái)灣積體電路製造（TSMC）。TSMCは自社で設(shè)計(jì)や開発を行わず、米アップルなど他社から製造を請(qǐng)け負(fù)う業(yè)態(tài)に専念し、生産技術(shù)の改善に巨額の投資を続けて成長した。蓄積したノウハウで設(shè)計(jì)を支援するサービスも手がけ、顧客を増やした。世界最高水準(zhǔn)の生産技術(shù)と収益力を誇り、誘致できれば関連産業(yè)への波及効果が期待できる。中臺(tái)関係の緊迫化に備え、臺(tái)灣に集積する半導(dǎo)體工場を分散させる思惑もある。

一方、製造裝置メーカーにとっては追い風(fēng)となっている。國內(nèi)最大手の東京エレクトロンが16日発表した2021年4～6月期連結(jié)決算は、最終（當(dāng)期）利益が前年同期比77．8％増の1003億円となり、四半期ベースで過去最高だった。

日本の半導(dǎo)體は1980年代、世界市場の6割近くを占め「電子立國」を掲げる日本の象徴だった。その後、韓國や臺(tái)灣の企業(yè)が急追し、今では日本のシェアは10%以下まで落ち込んでいる。衰退の理由とされるのは日本のメーカーの経営判斷の甘さ。半導(dǎo)體ビジネスは不振のときでも我慢して投資を続けなければならないが、日本では総合電機(jī)メーカーが一部門の半導(dǎo)體に集中的に投資できなかった。

　　◆中國メーカー、急速に力つける

半導(dǎo)體を製造する技術(shù)では、TSMCと韓國のサムスン電子が圧倒的に強(qiáng)く、開発?設(shè)計(jì)の技術(shù)では米國に優(yōu)れた企業(yè)が多い。

中國のメーカーも巨額の投資を受けて急速に力をつけている。中國企業(yè)は人工知能（AI）などを駆使した監(jiān)視システムなどで最先端をリード。中國の華為技術(shù)（ファーウェイ）は世界の基地局市場で3割を握り拡大している。開発途上國で中國企業(yè)のシステムを採用する動(dòng)きが広がる。

ファーウェイから獨(dú)立したスマートフォンのブランド「オナー」が好調(diào)を維持。米政府の輸出規(guī)制の影響をかわす狙いで、ファーウェイはオナーを売卻、2020年11月に中國地方政府の傘下企業(yè)に生まれ変わった。獨(dú)立後に下落した國內(nèi)シェアは新機(jī)種の積極投入などで今年春以降、急回復(fù)している。

ファーウェイは米國からの厳しい制裁にもかかわらず業(yè)績を順調(diào)に伸ばし、2021年上半期の決算によると、売上高は3204億元（約5兆4468億円）を確保。売上高純利益は9．8％で、前年同期比0．6ポイント上昇した。最新の米経済誌フォーチュンのフォーチュン?グローバル500では、ファーウェイは前年より５位上昇して44位になった。

米國政府は、米経済から中國を切り離し（デカップリング)、米國を「世界の製造業(yè)大國 」に復(fù)帰する計(jì)畫を推進(jìn)してきた。中國に拠點(diǎn)を持つ米企業(yè)に対し中國を放棄してアメリカに戻るよう求めたわけだが、在上海アメリカ商工會(huì)議所の調(diào)査によると、中國に拠點(diǎn)を置く米企業(yè)の70％以上が反対した。同會(huì)議所のケル?ギブス會(huì)頭は「世界最大の消費(fèi)市場の中國で事業(yè)を継続するメリットは大きい」と述べている。

米國の対中デカップリングはクリスマス商戦を前にした米國內(nèi)の物価高騰を招いたり、サプライチェーンの分?jǐn)啶摔瑜牖靵yに繋がったりし、米國にブーメランのように跳ね返っている。このため米産業(yè)金融界はバイデン政権に対中政策の是正を要求している。

　　◆一帯一路?AIIB総動(dòng)員、アフリカ、中東、南米にも迫る

中國はアジア、中南米、中東、アフリカを中心に勢力を広げている。広域経済圏構(gòu)想「一帯一路」、アジアインフラ投資銀行（AIIB）、中國?ロシア?インドなど8カ國で構(gòu)成する上海協(xié)力機(jī)構(gòu)のほか、中東歐や南米など世界各地で多國間の枠組みができている。中國貿(mào)易統(tǒng)計(jì)によると、コロナ禍の下、アジア諸國連合（ASEAN）や歐州諸國との貿(mào)易額は著実に増加している。

さらにアフリカ、中東、南米諸國の多くがファーウェイに代表される、中國の安価で高性能のハイテク製品への依存を深めている。アフリカの4G基地局の7割はファーウェイ製で、5Gへの転用を考えれば脫ファーウェイは非現(xiàn)実的。ジンバブエやベネズエラ、イランなど60カ國以上が中國と契約し、AIを使った中國流の都市監(jiān)視システムを?qū)毪工搿?/p>

　　◆ソニーのセンサー素子、世界シェア5割

一方、日本は半導(dǎo)體の一種であるソニーグループの畫像センサー素子が世界の市場でシェア4～5割を占めている。電力を送ったり止めたりするパワー半導(dǎo)體も日本企業(yè)が強(qiáng)い分野だ。

重要なのは新しい技術(shù)と新しい需要の創(chuàng)造であり、材料や加工法など基礎(chǔ)的な研究開発の力が試される。従來想像もしなかった分野への半導(dǎo)體の活用が実現(xiàn)すると、需要は一気に拡大する。人工知能（AI）や仮想現(xiàn)実（VR）、電気自動(dòng)車（EV）などの新分野が広がるにつれて、特定の企業(yè)のために少量生産する専用半導(dǎo)體の需要が増えそうだ。

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。