2021年10月2日、中國(guó)メディアの観察者網(wǎng)は、入試主義、學(xué)歴主義的傾向が強(qiáng)い韓國(guó)社會(huì)の教育に漂う「狂気」とその弊害について紹介する文章を掲載した。以下はその概要。

2019年2月1日に放送された韓國(guó)ドラマ「SKYキャッスル」の第20回が、韓國(guó)の有線テレビの視聴率記録を塗り替えた。有名な役者が出ているわけでもなく、紆余（うよ）曲折のラブストーリーが描かれているわけでもない同作品のテーマは教育であり、わが子を名門大學(xué)へ入れるために手段を選ぼうとしない4組の夫婦が繰り広げる闘爭(zhēng)が描かれた。

韓國(guó)の社會(huì)、文化を20年近く研究している中國(guó)社會(huì)科學(xué)院アジア太平洋?グローバル戦略研究院の王暁玲（ワン?シアオリン）氏は同作品について「誇張のように見(jiàn)えるが、ドラマに盛り込まれた一連の現(xiàn)象は、韓國(guó)でリアルに存在する」と語(yǔ)る。

ドラマでは、わが子の成績(jī)に執(zhí)著する両親が最終的に破滅的な家庭の悲劇を引き起こす。制作者としては行き過(guò)ぎた「教育熱」が子どもたちに危害を及ぼしていることを伝えたかったようだが、皮肉なことに同作品は逆の作用を生んだ。主人公が勉強(qiáng)に用いていた「スタディーキューブ」という個(gè)室型勉強(qiáng)機(jī)の売り上げが放送後急速に伸び、巨額の報(bào)酬と引き替えに受験生の勉強(qiáng)だけでなく交友関係や日常生活まであらゆる行動(dòng)をコーディネートする「入試コーディネーター」の需要も高まったのだ。

韓國(guó)が経済的な奇跡を?qū)g現(xiàn)した背景には、教育の成功という大きな要素もある。しかし、韓國(guó)の教育は経済発展をアシストすると同時(shí)に、社會(huì)全體に極めて重く、そして高価なコストを生んだ。極端な入試主義、學(xué)歴主義に基づく、各家庭の高額な教育投資、そして投資の失敗が「老後貧困」現(xiàn)象を引き起こしたのである。

王氏は「教育は投資であり、リスクを伴う。中年時(shí)代に全財(cái)産を子どもの教育に投資するも、成長(zhǎng)した子どもがいい職に就けずに親に『恩返し』できないことで生活に困窮し、子どもとの関係を斷絶した上で社會(huì)に救済を求める高齢者がいる。新型コロナの感染が続く中で、多くの高齢者がウイルスに感染し、自宅で孤獨(dú)死するケースが多く見(jiàn)つかった。まさに悲哀だ」と述べた。

一方で、王氏によれば、韓國(guó)社會(huì)ではここ數(shù)年親の教育熱が冷める傾向も見(jiàn)られるという。家の財(cái)産がなくなるほどの教育投資を受けて育つもエリートコースに乗れずドロップアウトという経験を自らしてきた世代が親になりつつあることがその理由とのこと。中國(guó)で起きている現(xiàn)象を借りて言えば、韓國(guó)の親の間でも「寢そべり」が始まっているようだ。（翻訳?編集/川尻）