テレワークの次にくるものは何？ コロナがDXを「7年前倒し」に急加速

新型コロナウイルス――。日本では10月下旬現(xiàn)在、新規(guī)感染者數(shù)が減ってきている狀況だが、それでも今後に不安を持つ人は多いだろう。いわゆる「ウィズ?コロナ」や「アフターコロナ」の世の中が見えてこないことは気になる。そんな中で、「明日の世界」を考えるヒントになるイベントが開催された。華為技術(shù)（ファーウェイ）が日本企業(yè)などを?qū)澫螭?0月26日と27日に東京都內(nèi)で開催した「HUAWEI CONNECT 2021（ファーウェイ?コネクト2021。以下、コネクト2021）」だ。

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ファーウェイと言えば、攜帯電話のメーカーとの印象を持つ人もいるだろう。しかし同社は現(xiàn)在、全世界におけるデジタル?トランスフォーメーション（DX）を大きな著眼點として、むしろB to Bに重心を據(jù)える企業(yè)だ。日本法人であるファーウェイ?ジャパンによると、攜帯電話による売り上げの割合はすでに、全事業(yè)の売り上げの5分の1程度にまで縮小した。

このDXとは、デジタル技術(shù)あるいはIT技術(shù)を徹底的に浸透させることで、社會をあらゆる面で根本的に変革することを意味する。単純な効率化ではなく、暮らしや産業(yè)の従來型パターンを根底から変革するということが、重要なポイントだ。

コネクト2021に足を運んで、同社は「コロナ禍」を単なる「厄災(zāi)」とは考えていないと強(qiáng)く感じた。まずDXを、古代から現(xiàn)代に至るまでの人類の歴史における大きな変革の一つと位置付ける。その上で、「コロナ」はDXを一気に加速したと見なしている。

コネクト2021での説明によると、新型コロナウイルス感染癥の影響で、世界のデジタル化が一気に7年分前倒しされたとの調(diào)査結(jié)果がある。アジア太平洋地域では影響がさらに大きく、10年分の前倒し効果があったという。例えばコロナ発生前には多くの人が「未來のこと」と考えていたテレワークなども、すっかり「日常茶飯事」になった。

會場ではさまざまなセミナーが催されたが、講師を務(wù)めた一人である慶応大學(xué)の中村修教授も「コロナが後押し」と指摘。技術(shù)者は相當(dāng)以前からテレワークの実現(xiàn)などに言及していたが、それほど注目されなかった。しかしコロナがきっかけで一気に普及した。そして5Gなどの技術(shù)について、「こんなこともしたい。できないか？」といったユーザーからの要望が旺盛になったという。

■DXは経済効率を向上、ただし取り組まねばならないことがある

ファーウェイ?ジャパンの陳浩社長は、「通信ネットワークの『価値』は接続されているシステムの數(shù)の2乗に比例する」というメトカーフの法則などを引き合いに出し、DXが経済効率を向上させると改めて強(qiáng)調(diào)した。企業(yè)などとしては自社の競爭力を向上させるためにも、コロナが劇的に加速させたDXの流れに、さらに本腰を入れて取り組むことが「喫緊の課題」という。

DXの加速に伴って、コンピューティングや通信の総量が劇的に増加するのは必然だ。そのことに対応するためには、関連するインフラの大幅な変革が必須だ。ファーウェイによると、例えばDXに伴う光ファイバー利用の爆発的な増加を念頭に、開発を進(jìn)めて來た。

光ファイバーの重要性が増す理由は、通信量の激増だけではない。現(xiàn)在は一般的に使われているLANケーブルによる伝送距離は最大で100メートル程度だ。會社內(nèi)でも工場內(nèi)でも、DXの一環(huán)として通信を多用することになる。情報の伝送距離は劇的に増大する。施設(shè)內(nèi)が通信ケーブルの「超タコ足狀態(tài)」にするのは、どう考えても「スマート」な解決法ではない。光ファイバーならばキロメートル?yún)g位の送信が可能であり、配線をすっきりさせることができる。ファーウェイはさらに、電源供給も可能な光?電気ハイブリッドケーブルも獨自に開発したという。

問題はまだある。光ファイバーを全面導(dǎo)入したとしても、「接続箇所」はどうしても増える。解決のために開発されたのが、光ファイバー1000本分以上を用紙A4大のナノポリマーフィルムにプリントする技術(shù)だ。接続に際してのコストやスペース、エネルギーを大幅に削減することが可能という。また、関連機(jī)器の所定の場所にフィルムを挿入すれば接続が完了するので、手仕事に頼る作業(yè)が大幅に簡素化される。かつては個別のトランジスターなどをはんだ付けして回路を作っていた時代があった。そんな狀況にプリント基板が登場したことによく似た大きな飛躍だ。

■DXが描き実現(xiàn)する「脫酸素化」への道のり

ファーウェイがもう一つ注力していることに「脫炭素」への取り組みがある。陳社長は、「世界のカーボンニュートラルのペースは加速している」と指摘し、子々孫々のことを考えても喜ばしいとした上で、「その鍵は新エネルギー主體の電力システムを構(gòu)築し、伝統(tǒng)的なエネルギーについてのデジタル化を加速させること」との考えを示した。

デジタル技術(shù)による「省エネ」として紹介された興味深い事例の一つが、中國の黒竜江省ハルビン市で行われた暖房についての取り組みだ。中國では北部を中心に、比較的大型のボイラーで発生させた熱を地域や職域に配分する集中暖房が実施されている。暖房を供給される床面積は130億平方メートルに達(dá)するが、これまでは無人の部屋などにも熱を供給するなどで、無駄が多かった。しかしハルビン市內(nèi)でデジタル技術(shù)を応用して、無人の部屋への暖房をストップさせたところ、二酸化炭素の排出を12．1％削減できたという。

交通についても、例えば車の通行量によって表示を調(diào)整するインテリジェンス信號の導(dǎo)入により交差點などの通行狀況を最適化することで、エネルギー消費を低減させることができる。その他にも農(nóng)業(yè)など、さまざまな分野でデジタル技術(shù)を利用することで大幅な省エネが可能という。

なお、前出の中村教授は、「自動車目線」ではなく「道路目線」の交通関連のDXを紹介した。自動車に取り付けた裝置が個別に信號を“視認(rèn)”するのではなく、道路狀況によって信號の表示を決定し、同時に自動車に信號を伝える方式だ。ちなみに、歩行者や自転車に乗る人が持つスマートフォンからの情報を道路側(cè)が認(rèn)識して自動車に伝えることで、飛び出しなどによる事故を防止することも期待できるという。

■IT業(yè)界自身も変革する、キーワードの一つは「モジュール」

IT業(yè)界自身にも、省エネの波は押し寄せている。基本的な考えは、「1ビット當(dāng)たりのエネルギー消費を減らすこと」だ。

例えば、情報の取り扱いが劇的に増えることが確実なデータセンターだ。ファーウェイによると、ハードディスクを撤廃して記憶媒體をオール?フラッシュ化し、さらにモジュラー化することにより、コストダウン?信頼性の向上?省エネを?qū)g現(xiàn)したデータセンターのモデルを構(gòu)築した。さらにはデータセンターの宿命とも言える発熱対策についても、自然換気と水の蒸散熱を利用した冷卻をコンプレッサー使用の冷卻裝置と組み合わせ、溫度狀況に応じて最適な冷卻方式を自動的に選択して運転コストとエネルギー消費を低減させるシステムを作り上げた。

「新エネルギー主體の電力システム」についてファーウェイは、「スマート太陽光発電」の分野に力を入れている。2020年9月には青海省における世界最大の単一太陽光発電所の建設(shè)を支援し、送電網(wǎng)への接続に成功した。2021年10月にはサウジアラビアに建設(shè)される太陽光発電所に付設(shè)される世界最大の1300メガワット時のバッテリー貯蔵システムについての契約を結(jié)んだ。

ファーウェイによると、同社の蓄電施設(shè)の特徴の一つは、使用ユニットがモジュール化されており、施設(shè)としてセ氏マイナス40度から60度までと、極めて過酷な環(huán)境にも耐えられることだ。

この「モジュール化」は、データセンターについても登場したキーワードの一つだった。光ファイバー接続についてのフィルム方式の導(dǎo)入も「モジュール化」の一種と考えてよい?！弗猊弗濠`ル化」は「汎用化」にも通じる。DXが進(jìn)行すれば必然的に、生活や経済活動の場に、高度に進(jìn)化した機(jī)器が大量に出現(xiàn)することになる。さまざまな機(jī)器をさまざまな環(huán)境で使えるように「汎用化」すれば製造コスト、ひいては導(dǎo)入コストなどが低減し、使い勝手もよくなる?！弗猊弗濠`ル化」や「汎用化」は、DXにおいて目指すべき方向性の一つと考えられる。

■「一瞬も止められないシステム」だけに強(qiáng)く求められる信頼性

最後に、展示場で自社製品を説明する多くのファーウェイ?ジャパン関係者が、自社製品について異口同音に「信頼性」を強(qiáng)調(diào)したことにも觸れておきたい。歐米系の高性能コンピューター製造會社での勤務(wù)経験があるという技術(shù)者を含めて複數(shù)のスタッフが、歐米企業(yè)は出荷の際に製品のサンプル検査をするだけなのに対し、自社ではすべての製品をテストしてから出荷すると説明した。

DXが加速する世界にあっては、DXをより早く、よりよく実現(xiàn)した國や企業(yè)が新たな競爭力を獲得することになる。そして、そのためのハードやソリューションを提供する企業(yè)にとっては、極めて大きなビジネスチャンスが出現(xiàn)したことになる。そしてDXとは、生活や経済活動にとってデジタル技術(shù)がこれまで以上に欠かせない存在になることを意味する。各種のシステムは「一瞬たりとも止まってはならない」宿命を持つ。提供側(cè)の企業(yè)にとって、性能や価格だけでなく、「信頼性」がこれまで以上に強(qiáng)く求められることになることも、必然の流れだ。

今回のコネクト2021では「目からうろこ」と言いたくなる事例を多く知ることができた。これから何度も、新たな技術(shù)の出現(xiàn)に驚嘆することはあるだろう。今、こうしているこの瞬間にも、これまではだれも想像していなかった技術(shù)が開発されつつあるはずだ。

DXが目指すものとはそもそも、経済面でより繫栄し人にとっても地球環(huán)境にとってもやさしい世の中だ。すべてが効率化し、多くの分野で最適自動化が実現(xiàn)する。そして人は、人にしかできないことに、より専念できるようになる。コロナ禍でDXが加速されたことで、そんな世の中がより早く実現(xiàn)すると信じたい。（取材?構(gòu)成/如月隼人）