2021年11月3日、米華字メディア?多維新聞は「どうして米軍が臺(tái)灣に駐留すると、中國(guó)による武力統(tǒng)一のハードルがかえって低くなるのか」とする評(píng)論記事を掲載した。以下はその概要。

臺(tái)灣の蔡英文（ツァイ?インウエン）総統(tǒng)は10月28日に米CNNによるインタビューで、米軍が臺(tái)灣で訓(xùn)練に協(xié)力していることを認(rèn)めた。ただ、この発言の政治的な効果はともかくとして、「米軍が臺(tái)灣に駐留する」ことの軍事的な意味は現(xiàn)実的には大きくないのである。

まず、現(xiàn)狀の米臺(tái)の軍事協(xié)力は「臺(tái)灣駐留」の段階からはまだまだ遠(yuǎn)くかけ離れている。米軍の人員は50人足らずであり、戦時(shí)の指揮能力を持たない上、臺(tái)灣の作戦システムの引き継ぎを行うことも難しい。また、米軍が協(xié)力しているという臺(tái)灣の訓(xùn)練には特殊部隊(duì)、海軍陸戦隊(duì)、米國(guó)から売卻された火器の取り扱いといった?jī)?nèi)容を含んでいるとのことだが、中臺(tái)間の軍事力の差や、現(xiàn)代の戦爭(zhēng)ではミサイルや遠(yuǎn)距離火器が勝敗を決定づける重要な兵器となっていることを考えると、人民解放軍と臺(tái)灣軍、あるいは米軍との対決において海軍陸戦隊(duì)や特殊部隊(duì)が役割を発揮する余地は少ない。

仮に米國(guó)が中國(guó)による臺(tái)灣の武力統(tǒng)一に介入したとしても50人では何もできず、大量の兵力を現(xiàn)地に動(dòng)員しようとしても地理的な理由から時(shí)間がかかる。そして仮に米軍がインド太平洋地域に大挙したとしても、解放軍が構(gòu)築した地域の防御網(wǎng)を速やかに突破することは難しく、臺(tái)灣に近づくことはできないのだ。

現(xiàn)在、中國(guó)、米國(guó)、臺(tái)灣の三者の中で、臺(tái)灣の現(xiàn)狀を変える力を持つのは中國(guó)だけである。しかし、中國(guó)政府は選挙の票集めといった短期的な利益を優(yōu)先する必要がないので、三者の中で最も理性を保っている。統(tǒng)一という歴史的な任務(wù)を忘れているわけではないが、中國(guó)は長(zhǎng)期的な國(guó)際イメージをつくり上げること、そして內(nèi)部のガバナンス問題の改善を重視することを選択し、臺(tái)灣問題についてはある程度曖昧に処理してきたのである。

それが、文化大革命を経験していない上、21世紀(jì)に入っての飛躍的な発展を経験してきた若いインターネット世代が社會(huì)の柱になりつつある中で、中國(guó)國(guó)內(nèi)では自國(guó)、さらには中國(guó)共産黨に対する自信、信頼がみなぎり始め、臺(tái)灣の武力統(tǒng)一を求める民間の聲が大きくなってきている。中國(guó)政府は有権者への気遣いをする必要がないものの、米國(guó)や臺(tái)灣による「米軍臺(tái)灣駐留」などのあおりによって武力統(tǒng)一を求める聲がますます大きくなれば、ゆくゆくはその意思を変えることになる。ひとたび武力統(tǒng)一が密かにスケジュールに乗り、聲なきカウントダウンに入ってしまえば、民間で起こる弱々しい反対の聲では中國(guó)政府の決心を揺るがすことは不可能だろう。（翻訳?編集/川尻）