日本と中國で異なる越境Eコマース、中國は世界展開図るも、日本は日本製品輸出のみ?

高野悠介    2021年12月10日(金) 15時(shí)50分

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越境Eコマースがホットワードになっている。新しい貿(mào)易形態(tài)だが、日本と中國では、その意味合いがかなり異なる。資料寫真。

越境Eコマースがホットワードになっている。新しい貿(mào)易形態(tài)だが、日本と中國では、その意味合いがかなり異なる。

■日本の越境EC…アジアへの売り込み中心

越境Eコマース(以下越境EC)とは、日本では、海外の消費(fèi)者へ向けて、日本商品をネット販売するイメージが強(qiáng)い。それも視線は歐米ではなく、アジアへ向いている。日本貿(mào)易振興機(jī)構(gòu)JETRO)の越境ECページを見ると、「中國、ASEAN、インドなどの越境EC関連情報(bào)をご提供します」とある。

中でもメインは中國向けである。その中で有名な企業(yè)は「インアゴーラ」だ。中國で「豌豆公主」という日本商品専門のECサイトを運(yùn)営している。その他、アリババ、京東などへの出店や、自社通販構(gòu)築サポートをうたう企業(yè)は、ジグザグ、クロスシー、BeeCruise、トランスコスモス、ジェイグラブなど多士済々だ。繁栄しているといってよい。

中國企業(yè)も日本で積極的に活動している。アリババジャパンの公式サイトはB2Cの取引先を募集、また別サイトのアリババジャパンプレスではB2Bの取引先を募集している。

ユニコーン企業(yè)の「行雲(yún)集団」も日本法人、行雲(yún)商事を運(yùn)営し、中國國內(nèi)の小売業(yè)者向け日本商品調(diào)達(dá)を行う。サプライチェーン一體化サービスで、B2Cに近いB2Bといえそうだ。

B2Bに盡力しているのは中國企業(yè)だ。日本企業(yè)は品質(zhì)の優(yōu)れた日本製品を発展途上國の消費(fèi)者へ売り込むという古いテーマから脫していない。

■中國越境EC…貿(mào)易額の17%

中國はそれだけにとどまらない。消費(fèi)者向けは、売買雙方を指し、B2B取引のスケールも桁違いだ。

iiMediaによれば、2019~2020年、中國の越境ECは全貿(mào)易額の17%を占める。さらにそのうち90%がB2Bだ。そして17%に達(dá)した越境ECをサポートすべく、中國には全土に105カ所の越境電商試験區(qū)がある。先鞭を付けたのは2015年、アリババの主導(dǎo)でスタートした杭州試験區(qū)だ。貿(mào)易システムを中國有利に改変しようというのである。

その中國では2019年1月、電商法が施行された。代理購入業(yè)者を規(guī)制する內(nèi)容で、越境ECにはプラスに働いた。実際に同年の越境EC成約額は10兆8000億元、18.7%も増加した。ただし2020年は、コロナ過の影響で10兆3000億円に微減となった。一般商品の貨物貿(mào)易が大きく伸びた余波と思われる。2021年は増加に転じそうだ。先日の雙11獨(dú)身の日セールは好調(diào)だった。以下、個(gè)別に見ていこう。

■輸入…天貓國際がダントツ

輸入プラットフォームには、天貓國際、京東國際、蘇寧全球購、聚美極速免稅店、唯品會、洋碼頭などがある。小紅書も入る。代表的なものを取り上げてみよう。

天貓國際…11月1~11日のセール期間中、235の海外ブランドがGMV(成約総額)1000萬元を突破した。前年比46%の増加である。參加したブランドは2萬9000、そのうち2800は今年初めて參加した。

京東國際…京東國際の発表は小出しだ。11月10日午後8時(shí)からの4時(shí)間で、成約総額は11倍、1000の海外ブランドが前年2倍となった。中でも資生堂は26倍だった。また、初のメタバース(仮想空間サービス)ライブコマースを行った。

洋碼頭…洋碼頭は海外商品専業(yè)プラットフォーム。社交電商(団體購入)の他、雙11ではライブコマースに力を入れた。抖音、快手、淘寶直播に30人のトップライバーを送り込み、同時(shí)ライブを開催した。免稅數(shù)量限定商品を強(qiáng)調(diào)し、最も早い商品は1時(shí)間で1億元を突破した。

■輸出…やはりアリババ系

東南アジアのプラットフォームを始め、雙11セールは世界展開された。3つ紹介しよう。

全球速売通(Ali Express)…速売通は米西部時(shí)間11月11日午前0時(shí)から48時(shí)間、全世界へ向けて雙11のセールスプロモーションに入った。速売通はこの1年、歐州の物流に力を入れ、ドイツ、フランス、イタリアに倉庫を新設(shè)、契約納期を90%守れるようになった。伸びたのはロシアである。セール期間中のGMVは4608億ドル、前年比1.5倍を記録した。

Shopee…東南アジアのネット通販大手、テンセント系。セール開始5分で1100萬の商品が売れ、開始2時(shí)間のページビューは前年の5.5倍、売り上げは2.5倍だった。インドネシアでは、コスメティックスとメンズファッションが人気だった。中國ブランドは、スマホのrealme、コスメの菲鹿児、Pinkflash、完美日記などが好調(diào)だった。

Lazada…東南アジアのネット通販大手、アリババ系。シンガポールではセール開始1時(shí)間の売り上げが平日の10倍、ベトナムでは前年の2倍だった。今年參加した東南アジアのブランドは80萬、これも前年の2倍だった。広告塔として、當(dāng)?shù)丐侨藲荬?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=韓流'>韓流スターを多數(shù)起用した。

■アクティブな中國企業(yè)

他にも輸出越境ECの話題には事欠かない。

2021年夏、アマゾンは中國出店業(yè)者の“大封殺”を行った。5萬を超える不良業(yè)者のアカウントを凍結(jié)し、サプライヤー業(yè)界を“浄化”した。また、衣料品越境ECのShinは米國向けで急成長し、今やZALA、ユニクロに迫ろうという勢いだ。

投資も盛んだ。自動與信判斷など、越境EC業(yè)者向けフィンテックサービスを提供する「橋彼道」、越境EC業(yè)者にデジタルマーケティングサービスを提供する「邑炎科技」などのベンチャー企業(yè)が資金調(diào)達(dá)に成功した。

中國越境EC企業(yè)は、巨大マーケットや生産背景を生かし、存分に暴れている印象だ。世界中に商品を流通させている。日本企業(yè)は、日本製品の流通だけでは、世界的なプラットフォームを作れそうにない。例えば楽天は、京東、テンセントと提攜することで、逆に海外進(jìn)出を封じられた。世界的プラットフォームに出店するか、自社通販サイトを世界中で構(gòu)築するしかない。ただし、デジタル化が進(jìn)み、越境ECは低コスト化したサポート企業(yè)もたくさん出現(xiàn)している。最良の手段を選びたい。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報(bào)を提供。著書:2001年「繊維王國上?!箹|京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。

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