山西省孝義市內(nèi)で違法操業(yè)をしていた炭鉱で15日、出水事故が発生した。同事故では作業(yè)員22人が坑內(nèi)に閉じ込められた。約45時(shí)間に及んだ救出作業(yè)で20人は助かったが、2人が死亡した。中國は違法に操業(yè)する炭鉱が増え、事故も多発している。背景に石炭価格の高騰があるとの見方がある。

中國メディアの澎湃新聞は15日の事故を受け、違法採掘が橫行する狀況を「死灰復(fù)燃（消えたはずの灰が再び燃えた）」と表現(xiàn)した。また孝義市內(nèi)で事故を起こした炭鉱について、「道路の近くに坑口があるが、道路との間にフェンスがあって坑口は見えない」、「石炭の取り出し口は土と雑草で偽裝されていた。石炭を取り出すための油圧棒を地中に入れれば、入口のふたは完全に覆い隠された」?fàn)顟B(tài)であり、「驚くべき隠匿（いんとく）」と紹介した。

フランスメディアのRFIは中國の現(xiàn)狀について「世界一の石炭消費(fèi)國である中國が、深刻なエネルギー危機(jī)に直面している」と紹介。中國政府の対応措置について、國內(nèi)における石炭の増産や製造業(yè)企業(yè)に対する電力供給の削減強(qiáng)化、さらに発電所やその他の石炭を使用する企業(yè)に石炭の輸入量を増やさせたと紹介した。

また、石炭の大産地である山西省と內(nèi)モンゴル自治區(qū)の政府は炭鉱200カ所以上に増産を要請したが、山西省では大雨の影響で炭鉱約60カ所以上が洪水被害を受けた。山西省政府関係者は、年産量が計(jì)480萬トンの炭鉱4カ所が操業(yè)停止に追い込まれたと述べたという。

中國では天然ガスの導(dǎo)入に力が入れられた2010年ごろから、石炭事業(yè)は「斜陽産業(yè)」と見なされるようになった。民間の石炭企業(yè)の経営者の多くは「歴史の舞臺から退場」することになった。しかし21年になってから「復(fù)帰」する者が増え、短期間で莫大な利益を得たという。

中國安全生産科學(xué)院の元院長である劉鉄民氏は、中國はかつて、安全面に問題がある小規(guī)模炭鉱で石炭採掘を盛んに行っていたと説明。このような炭坑が現(xiàn)在でも大量に存在し、石炭価格が高騰したことで、利益を得ようと長年に渡り閉鎖されていた炭鉱で違法な操業(yè)が行われるようになったようだと説明した。

劉氏によると、過去についての研究で、違法操業(yè)の炭鉱に限らず、石炭価格が高騰して増産を行った時(shí)期には、炭鉱で重大事故と死者が発生する確率が明らかに増加したという。劉氏は、國有企業(yè)が保有する大規(guī)模炭鉱を含めて、安全基準(zhǔn)を満たさない場合には絶対に操業(yè)させないことが、安全維持のために重要と主張した。

炭鉱の安全問題や事故情報(bào)を紹介するサイトの煤鉱安全網(wǎng)が21年6月18日付で掲載したページによると、中國では同年1月1日から6月17日までに、死傷者を伴う炭鉱関連事故が40件、発生している。同ページが取り上げた事故について死亡と明記された、あるいは「坑內(nèi)に閉じ込められた」の説明だけで救出の記載がない人の合計(jì)は130人を超える。

孝義市トップの中國共産黨同市委員會(huì)書記と、行政トップの市長はいずれも、事故発生後に免職処分となった。今後は関係者が、利益を受け取ることの見返りに違法操業(yè)を黙認(rèn)していなかったかなど、癒著についての調(diào)査が行われることになる。（翻訳?編集/如月隼人）