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原油価格高騰の影響で、ガソリンや燈油などの石油製品が高止まりしている。効率的で安全、地球にやさしいレトロな太陽熱給湯?暖房を見直すべきである。
原油価格高騰の影響で、ガソリンや燈油などの石油製品が高止まりしている。12月中旬時點で、東京郊外の筆者の自宅周辺では燈油が18リットル2180円程度で販売されており、妻は「去年は1800円くらいだったのに」とこぼしていた。電気?ガス料金のさらなる値上げも予定されており、コロナ禍で苦しむ家計をさらに圧迫しそうだ。
日本はじめ各國が備蓄原油の取り崩しに動くなど、消費國側(cè)は事態(tài)の打開に躍起になっている。しかし、コロナ後の経済活動活発化をにらんだ需要増が値上がりの背景にあるほか、石油輸出國機構(gòu)(OPEC)など産油國側(cè)は増産に慎重姿勢を続けており、早期の値下がりは期待しにくい狀況だ。
◆効率的で安全、地球にやさしい
一方で石油製品の値上がりは、他のエネルギーの競爭力を相対的にアップさせるという側(cè)面を持つ。地球溫暖化対策の一環(huán)として二酸化炭素(CO2)の発生を抑制するため、再生可能エネルギーの利用拡大を目指す観點からは、絶好のチャンスという見方もできる。
再生可能エネルギーといえば、多くの人が思い浮かべるのは太陽光発電や風(fēng)力発電ではないか。もちろんそれらの利用拡大に異論はないが、同時に筆者は太陽熱を利用した給湯?暖房システムを見直すよう提唱したい。古臭い時代遅れの技術(shù)と思われがちの同システムだが、日本にとって(そして恐らくは中國、韓國など溫帯に位置する他のアジア諸國にとっても)効率的で安全、かつ地球にやさしいエネルギーの利用方法と考えるからだ。
◆家庭のエネ需要、給湯?暖房で54%
改めて説明する必要もないかもしれないが、太陽熱給湯?暖房システムは、住宅の屋根などに設(shè)置したタンクなどの集熱裝置で水や空気を溫め、それを給湯や暖房に利用するもので、太陽熱溫水器が代表的存在だ。
このシステムのどこが優(yōu)れているのか。真っ先に挙げられるのが効率性の高さ。業(yè)界団體のソーラーシステム振興協(xié)會によると、太陽光発電では集めたエネルギーの15~20%しか活用できないが、太陽熱溫水器では40~60%を利用できる。裝置の設(shè)置費用も太陽光発電に比べ安い。確立した技術(shù)であり、安全性も高い。一度設(shè)置すればCO2をほとんど放出せずに太陽の恵みを享受できるという究極の省エネ機器といえる。
もう一つ強調(diào)したいのは、このシステムが家庭のエネルギー需要にフィットしている點だ。日本エネルギー経済研究所によると、家庭で使うエネルギーの用途別使用量は、給湯が27.7%、暖房が26.7%、冷房が3.2%、キッチン関係が9.0%、その他が33.4%となっている(2018年度実績)。同システムがもっとも威力を発揮する熱需要(給湯と暖房)で54%を占めているのだ?;钣盲筏胜な证悉胜ぁⅳ瓤激à毪韦纤饯坤堡坤恧Δ?。
◆政策的支援の充実を
ところが、現(xiàn)実は逆方向に動いている。2021年8月3、4日付朝日新聞によると、1980年ごろには年間80萬臺も売れた太陽熱溫水器が、最近は1萬臺ほどだという。メーカーの幹部は同紙に対し「高い省エネ性能が忘れ去られている?!趾瘠ふ叩闹гⅳ?発電用の)太陽光パネルとは勝負にならない」とコメント。屋根にタンクを置くのは恰好が悪いといった理由で使える裝置を撤去する人もいるほか、レトロな技術(shù)であるため成長戦略として見栄えが悪く、政治家や役所の反応が鈍いとの指摘もあるという。オール電化が最先端のライフスタイルともてはやされる近年の風(fēng)潮も影響しているのかもしれない。
しかしもう一度考えてほしい。電気は確かに便利で高品質(zhì)な萬能エネルギーだが、その分手間とコストのかかるぜいたく品でもある。原子力?火力発電では、放射性廃棄物やCO2などのやっかいな副産物も生み出す。大事な電気は、ほかのエネルギーで代替できない用途で使用するのが賢いやり方で、熱需要を満たすために使うのはもったいない。ここは有害物質(zhì)の排出なしに効率的にお湯を沸かしたり、部屋を暖めたりできる太陽熱の出番だ。
潮流を逆転させるためのヒントは、先のメーカー幹部の発言に隠されている。太陽熱給湯?暖房システムを設(shè)置する際の政策的支援を、太陽光パネル並みに充実させればいい。そのためには、同システムの利用拡大が、環(huán)境面でも経済面でもプラスが大きく、しかも確立された技術(shù)なのでリスクがほとんどない點を多くの國民に理解してもらう必要がある。日本社會が電気依存の傾向をますます強めている中、決して簡単な課題ではないが、関係する皆さんが地道にアピールを続けるよう期待したい。
■筆者プロフィール:長田浩一
1979年時事通信社入社。チューリヒ、フランクフルト特派員、経済部長などを歴任。現(xiàn)在は文章を寄稿したり、地元自治體の市民大學(xué)で講師を務(wù)めたりの毎日。趣味はサッカー観戦、60歳で始めたジャズピアノ。中國との縁は深くはないが、初めて足を踏み入れた外國の地は北京空港でした。
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