拡大
米中対立にもかかわらず米國(guó)企業(yè)の対中貿(mào)易投資は急拡大。米政権は、日本など同盟國(guó)に厳しい対中政策を強(qiáng)要している裏で、米國(guó)企業(yè)には「対中利権の保持拡大」を容認(rèn)している。寫(xiě)真は中國(guó)國(guó)際輸入博覧會(huì)。
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米中対立にもかかわらず米國(guó)企業(yè)の対中貿(mào)易投資は急拡大している。中國(guó)?上海で2021年11月に開(kāi)催された「中國(guó)國(guó)際輸入博覧會(huì)(輸入博)」では世界最大の中國(guó)市場(chǎng)の成長(zhǎng)を取り込もうと多くの外國(guó)企業(yè)が最新の商品や技術(shù)を披露した。特に目立ったのは米國(guó)の出展企業(yè)で、過(guò)去最多となり熱気に包まれた。トランプ政権から続く米國(guó)の「対中デカップリング(切り離し)」は進(jìn)展しておらず、逆に「相互依存関係」が強(qiáng)化されている。
この輸入博における米國(guó)の企業(yè)?団體の參加數(shù)は200超で過(guò)去最多となった。ゼネラル?モーターズ(GM)、マイクロソフト、アップル、ナイキをはじめ従來(lái)からの進(jìn)出企業(yè)の多くは派手な巨大ディスプレイで會(huì)場(chǎng)を圧倒。メガ企業(yè)のアマゾンなど初出展の企業(yè)も目立ち、米中対立が続く中でも中國(guó)市場(chǎng)のビジネスチャンスを重視する姿勢(shì)が際立った。
中國(guó)稅関総署によると、2021年の対米貿(mào)易総額は過(guò)去最大となった。対米貿(mào)易総額は前年比29%増の7556億ドル(約86兆円)で、3年ぶりに最高を更新。20~21年はいずれも対米輸出の増加額が輸入の増加額を上回り、貿(mào)易黒字は拡大した。21年は25%増の3965億ドルと過(guò)去最大を記録した。米中間の貿(mào)易は拡大を続けており、貿(mào)易での相互依存はむしろ強(qiáng)まっている。
輸出は米個(gè)人消費(fèi)の回復(fù)でパソコンや玩具の出荷が好調(diào)だった。20年2月に発効した米中貿(mào)易協(xié)議の第1段階合意で、中國(guó)は米國(guó)から輸入するモノやサービスを20~21年に17年比で2000億ドル増やすと約束。この合意に基づき、農(nóng)産品だけでなくの輸入も増加した。中國(guó)人民大學(xué)は21年12月に公表した研究リポートで「米國(guó)が仕掛けた貿(mào)易戦爭(zhēng)は失敗に終わった」と指摘した。
◆世界貿(mào)易に占めるシェア、米國(guó)を凌駕
中國(guó)が世界貿(mào)易機(jī)関(WTO)に加盟して、21年12月で20年を迎えた。この間に貿(mào)易総額は9倍に拡大、世界貿(mào)易に占めるシェアは01年の4%から20年には13%に達(dá)した。13年には米國(guó)を追い抜き、日本を含む多くの國(guó)にとって最大の貿(mào)易相手國(guó)になった。
中國(guó)は安い人件費(fèi)を武器に「世界の工場(chǎng)」として輸出を急拡大する一方、段階的な関稅の引き下げで輸入も増やした。國(guó)連貿(mào)易開(kāi)発會(huì)議(UNCTAD)によると、20年の輸出は2001年の9.7倍、輸入は同8.4倍となった。
中國(guó)の貿(mào)易総額は同じ期間に9.1倍に膨らみ、2.8倍だった世界貿(mào)易の拡大ペースを大きく上回った。輸出品目をみると、加盟當(dāng)初は労働集約的な衣料品などが主力だったが、最近ではパソコンやスマートフォンの出荷も伸びている。
米國(guó)がインド太平洋地域での自由貿(mào)易協(xié)定(FTA)の枠組みに慎重な姿勢(shì)をとる中で、中國(guó)は參加を積極化。世界最大の包括的経済連攜(RCEP)は22年1月に発効した。21年9月には自由化の水準(zhǔn)がより高い環(huán)太平洋経済連攜協(xié)定(TPP)への加盟も申請(qǐng)した。
◆テスラの急成長(zhǎng)、中國(guó)市場(chǎng)が支える
米電気自動(dòng)車(chē)(EV)大手テスラは中國(guó)市場(chǎng)で成功した米企業(yè)の典型と言える。2021年7~9月期決算は売上高と利益がともに過(guò)去最高を更新し、時(shí)価総額は1兆ドル(約110兆円)を突破。その驚異的な成長(zhǎng)は中國(guó)事業(yè)が支えている。
1~9月のテスラの中國(guó)販売臺(tái)數(shù)は前年同期実績(jī)の約3.5倍に拡大。テスラの中國(guó)の販売臺(tái)數(shù)は4~6月から米國(guó)を安定的に上回るようになり、7~9月には全體の50%に達(dá)した。2年前に稼働した上海工場(chǎng)の生産臺(tái)數(shù)は米國(guó)工場(chǎng)を上回った。中國(guó)からテスラや中國(guó)企業(yè)がEVを世界中に輸出し急増している。時(shí)価総額で世界1、2位のマイクロソフトとアップルは中國(guó)事業(yè)のウエイトが大きいが、テスラも2社の中國(guó)重視戦略を追いかけている。
人口14億人を擁する世界最大の消費(fèi)市場(chǎng)を摑もうと米企業(yè)は必死である。中國(guó)の通信機(jī)器大手、華為技術(shù)(ファーウェイ)と半導(dǎo)體メーカーの中芯國(guó)際集成電路製造(SMIC)が米國(guó)の事実上の禁輸リストに指定されているにもかかわらず、米國(guó)內(nèi)の両社のサプライヤーがかなりの額の製品?技術(shù)の輸出許可を米商務(wù)省から取得していた事実が判明した。昨年11月から今年4月までの期間に、ファーウェイ向けの計(jì)610億ドル(約7兆円)の製品?技術(shù)の販売について計(jì)113件の輸出許可が付與され、SMICには420億ドル近い製品?技術(shù)を販売するために188件の許可が與えられた。許可は4年間有効で、SMICの米サプライヤーによる輸出許可申請(qǐng)の90%強(qiáng)が承認(rèn)され、ファーウェイの米サプライヤーによる申請(qǐng)は89%に許可が下りたという。
脫炭素で、中國(guó)は脫炭素(カーボンニュートラル)を今世紀(jì)中頃までに実施すると宣言しているが、米企業(yè)は保有ライセンスを前面に、中國(guó)企業(yè)への売り込みに血道をあげている。米國(guó)金融業(yè)界は中國(guó)で日本より多くのビジネス上の特権を持ちさらに拡大している。米中間の官民やの対話?交流は頻繁に行われており、中國(guó)に行くと米國(guó)人や米ブランドショップが目立ち、GMなどアメリカ車(chē)の多さに驚く。
◆米中覇権爭(zhēng)いの中、米中のしたたか戦略
米中の世界覇権を巡る爭(zhēng)いは表向き激化しているが、米國(guó)內(nèi)では最近の経済安全保障に名を借りた対中強(qiáng)硬策への反発も経済?金融界を中心に根強(qiáng)い。米シンクタンク幹部は「トランプ政権以來(lái)の保護(hù)主義政策は結(jié)果的に世界最大の消費(fèi)市場(chǎng)?中國(guó)でのビジネスチャンスを奪い、米國(guó)の経済力を衰退させる」と警鐘を鳴らす。米中経済の相互依存が強(qiáng)まる中で、米政府主導(dǎo)のデカプリング(対中切り離し)は進(jìn)展しておらず、「米中対立パラドックス(逆説)」とまで言われている。
ウォール街や米産業(yè)界にとってビジネス上の中國(guó)の重要性はむしろ増大するばかり。米政府は中國(guó)とのビジネスをやめるよう圧力をかけておらず、逆に前述したように、ファーウェイなどへの輸出を容認(rèn)するケースも散見(jiàn)される。グローバルな市場(chǎng)経済下で、成長(zhǎng)の機(jī)會(huì)を求める米経済界が中國(guó)市場(chǎng)を重視するのは當(dāng)然と言える。中國(guó)政府による市場(chǎng)開(kāi)放のチャンスを米企業(yè)がつかまなければ、歐州や他の地域の企業(yè)に橫取りされるとの懸念も根強(qiáng)い。
米國(guó)では対中貿(mào)易規(guī)制の長(zhǎng)期化により中國(guó)からの輸入品に高い関稅がかけられているため、昨年暮れのクリスマス商戦を前に物価が上昇、消費(fèi)者の不満が高まった。中國(guó)との投資や貿(mào)易取引が多大な米金融経済界や農(nóng)業(yè)界から米中対立の緩和を求めるロビー活動(dòng)も活発化している。昨年11月の米中首脳會(huì)談(リモート)もバイデン大統(tǒng)領(lǐng)から舊知の習(xí)主席に要請(qǐng)した。
米半導(dǎo)體大手インテルは中國(guó)?新疆ウイグル自治區(qū)の製品や労働力を使わないよう部品メーカーに通達(dá)したことについて、昨年12月23日に中國(guó)側(cè)に謝罪した。中國(guó)の國(guó)民感情に配慮することで同社製品の不買(mǎi)運(yùn)動(dòng)などに発展するのを避ける狙いだ。中國(guó)版ツイッター「微博(ウェイボ)」の公式アカウントに中國(guó)語(yǔ)で「尊敬する中國(guó)の顧客、パートナー、國(guó)民に迷惑をかけたことを謝罪する」「信頼のおける技術(shù)パートナーとなり、中國(guó)との共同開(kāi)発を加速する」などと恭順の意を示した。20年に同社の売上高の26%が中國(guó)本土と香港に依存しており、この傾向は多くの米企業(yè)にとって同様だ。インテルの「謝罪」は米経済界の中國(guó)依存を象徴する出來(lái)事と言える。
◆中國(guó)有力企業(yè)は香港上場(chǎng)ブーム、米証券界は収益源失う
こうした中、中國(guó)企業(yè)の米國(guó)市場(chǎng)における新規(guī)株式公開(kāi)(IPO)が急減速。米中対立が中國(guó)企業(yè)の米國(guó)におけるIPOに影響したためで、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック市場(chǎng)の収益を脅かしている。機(jī)密情報(bào)の取り扱いを巡り米中雙方が非難の応酬を繰り広げ、中國(guó)政府が大規(guī)模民間企業(yè)に対し締め付けを強(qiáng)化していることも背景になっている。
米中雙方の規(guī)制當(dāng)局の介入リスクを懸念し、最近中國(guó)保険大手?FWDグループ(富衛(wèi)集団)が米國(guó)上場(chǎng)計(jì)畫(huà)を撤回。中國(guó)の配車(chē)アプリ最大手?滴滴出行(ディディ)はニューヨーク証券取引所での上場(chǎng)廃止を12月に発表した。2021年に実施されたIPOの中で有數(shù)の規(guī)模となった上場(chǎng)からわずか5カ月での廃止である。
米國(guó)市場(chǎng)で他の國(guó)企業(yè)で中國(guó)企業(yè)の穴を埋めることは難しい。米証取が他の國(guó)の有力候補(bǔ)の呼び込みに躍起になっているが困難視されている。企業(yè)価値が200億ドルに上るインドネシアの宅配企業(yè)J&Tは香港市場(chǎng)での上場(chǎng)を準(zhǔn)備中とされるなど、香港上場(chǎng)を計(jì)畫(huà)する企業(yè)が相次いでいる。
◆経産相「海外市場(chǎng)における日本ビジネスを全面支援」
米國(guó)以上に対中依存が高いのが、低成長(zhǎng)が続き対外貿(mào)易に依拠する日本である。20年11月10日、経団連や安全保障貿(mào)易情報(bào)センター(CISTEC)など10団體が「中國(guó)及び米國(guó)の域外適用規(guī)制について」の要請(qǐng)書(shū)を経済産業(yè)省に提出。20年12月1日施行の中國(guó)輸出管理法や関係法令の懸念點(diǎn)(法規(guī)の域外適用、産業(yè)政策的の実施、報(bào)復(fù)措置等)のほか、従來(lái)からファーウェイなど向けに実施されている米國(guó)の再輸出規(guī)制の懸念點(diǎn)について觸れ、政府ベースでの対応を要請(qǐng)した。
20年12月、梶山経産相(當(dāng)時(shí))は産業(yè)界に対して経産省としての3點(diǎn)の考えを表明した。(1)企業(yè)各社は海外市場(chǎng)におけるビジネスが阻害されることのないよう萬(wàn)全の備えをして頂きたい(2)他國(guó)企業(yè)と同等の競(jìng)爭(zhēng)條件を確保することが重要であり、過(guò)度に萎縮する必要は全くない(3)仮にサプライチェーンの分?jǐn)啶划?dāng)に求められるようなことがあれば、経産省は前面に立って支援をしていきたい―などである。経済安全保障に名を借りた企業(yè)活動(dòng)制限の動(dòng)きをけん制したと受け止められている。
最近になって、岸田首相は対中関係で「したたかな外交を行う」との言辭を繰り返しているが、米國(guó)バイデン政権が「米経済界に根強(qiáng)くある、國(guó)益を優(yōu)先し攻撃一辺倒でない、したたかな外交をすべきだとの聲に押されて(米経済界に配慮した)ダブルスタンダード(二重基準(zhǔn))政策を展開(kāi)していることに觸発されたため」(外務(wù)省筋)とみられている。経団連幹部によると、米政権は、日本など同盟國(guó)に経済安全保障など厳しい対中政策を強(qiáng)要している裏で、米國(guó)企業(yè)には「対中利権の保持拡大」を容認(rèn)しているという。
中國(guó)の経済パワーは日米だけでなく歐州、アジア、アフリカ、中南米にも及んでいる。日米の一部政治家による表向き威勢(shì)の良い攻撃的な言説が目立つが、その裏で著々と進(jìn)行する「不都合な真実」を注視すべきである。
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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