2021年12月29日、米國際放送局VOAの中國語版サイトは、世界のレアアース産業(yè)における中國の獨占的地位が崩れる可能性があるとする記事を掲載した。以下はその概要。

中國は現(xiàn)在、世界で唯一レアアースの産業(yè)チェーン全セクションを掌握している國であり、一部のセクションでは絶対的な主導(dǎo)権を握っている。しかし、中國のレアアース資源の優(yōu)位性が徐々に弱まっており、米國やその同盟國が中國から獨立したレアアースサプライチェーンの雛形を形成し始めていることを示すさまざまな兆候が出ている。

中國は1990年代より世界一のレアアース鉱産大國であり続けてきたが、長年にわたる高度な開発によってその資源は急速に消耗した。2020年時點で世界で見つかっているレアアース埋蔵量1億2000萬トンのうち、中國が占める割合は36％前後となっており、以前の50％に比べて低くなっている。

レアアースは世界に埋蔵されており、米地質(zhì)調(diào)査局の昨年の報告によると、世界では20近い國がレアアースの採掘を行っているという。中國地質(zhì)調(diào)査局の論文でも、中國における大量のレアアース採掘と、他國での新たなレアアース鉱床発見によって世界のレアアース資源の構(gòu)図は変化し始めており、中國が持つ強(qiáng)みはすでに弱まりつつあると指摘された。

1980年代まで世界一のレアアース採掘大國だった米國は、中國の臺頭により採掘事業(yè)を軒並み中止した。その結(jié)果、2000年には中國の採掘量が米國の14倍となり、05?08年には米國で用いられるレアアースの91％が中國からの輸入品となった。10年に中國が尖閣諸島問題で日本に対してレアアースの輸出規(guī)制をかけて世界に衝撃を與えると、米國を始めとする世界各國は中國への著しい依存狀態(tài)を意識するようになり、中國に頼らないレアアース供給網(wǎng)の構(gòu)築に著手し始めた。

すでにほぼゼロからのスタートとなった米國は何度も失敗を重ねながらも、17年に生産を再開した自國のレアアース鉱山マウンテン?パス、オーストラリアのマウント?ウェルド、そしてマレーシアにある採掘、製錬拠點による初歩的な「中國から獨立したレアアースサプライチェーン」の構(gòu)築に成功した。11年には6億9600萬ドルだったレアアース製錬製品の輸入額は、20年には1億1000萬ドルにまで減少した。

一方で、アナリストからは米國やその同盟國による努力はなおも緩慢であり、中國との産業(yè)規(guī)模の差は依然として非常に大きいとの聲も出ている。各國政府はレアアース問題を重視しているものの、10年代にレアアース価格が長期的に低迷したことで、市場の動力が明らかに不足しているのだ。ただ、昨年下半期以降は、ミャンマーの政情不安、風(fēng)力発電タービンや電気自動車などによるレアアース需要拡大により、レアアースの価格は上昇し始めている。

ある市場アナリストは、レアアース価格上昇は中國企業(yè)に一層の利益をもたらすものの、価格上昇が1年程度続くことがあれば、他國による自前のレアアースサプライチェーン構(gòu)築を加速させることになると語った。（翻訳?編集/川尻）