中國新聞社 2022年1月18日(火) 13時50分
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中國には多くの民族が存在し、伝統(tǒng)文化の種類も多い。そして各民族が互いに吸収しあうことで國全體としての「共同體意識」が強まる現(xiàn)象が発生したという。寫真は貴州省などに多く住むミャオ族の人々。
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中國では人口の9割以上を占める漢族以外にも、55の少數(shù)民族が認定されている。そして、それぞれの民族が固有の文化や蕓術を伝承している。しかし、伝統(tǒng)文化の“衝突”は発生しないのだろうか?!甘|術と心理の健康」を専門とする雲(yún)南大學の李世武教授はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じて、中國ではある民族のよい文化や蕓術を別の民族が吸収することで「大家族の一員」という意識が強められてきたと説明した。以下は、李教授の言葉に若干の説明內容を追加して再構成したものだ。
【その他の寫真】
■民族文化にはそれぞれ異なる部分と共通する部分がある
民族は人類を分類する重要な方法の一つだ。そして、民族は人類全體の文化に多様性を與えてきた。しかし一方で、さまざまな民族の文化には、人類として共通する部分がある。中國南西部ではさまざまな民族が、民族としては別でも祖先は同じという神話を、伝えてきた。この現(xiàn)象には、「族」という範疇(はんちゅう)の上に「人」という範疇が存在する哲學的內省が込められている。
中國の各民族の知恵は、文化の多様性の面で「和して同ぜず」という考えに象徴されている。他者と同一になることはしなくても、調和して共存するということだ。そして、異なる民族との生活における交流が盛んになれば、文化の面でも交流は盛んになり、互いに學び取ることも増えていく。
■「異の中に同あり、同の中に異あり」の狀況が出現(xiàn)
そうなれば、蕓術の面で「同」の部分も増えることになる。しかしそれは、完全に同一になることではない。他の民族の蕓術を參考にして、自民族の本來の感情や題材、技巧を生かす。そうして新たな蕓術が登場する。つまり「異の中に同あり、同の中に異あり」といった狀況が出現(xiàn)する。
例えば、イ族が伝える長大な敘事民謡の「董永記」だが、その元になったのは漢族に伝わる「大孝記」と考えられている。構成や細かい內容で類似する部分が多いからだ。イ族の「董永記」は「大孝記」に比べて複雑で、內容も豊富だ。そしてイ族の民族文化の色彩がある。しかし両者とも「師の恩」「婦徳」「孝」という三つのテーマを扱っている點では同じだ。
中國において各民族の交流は伝統(tǒng)蕓術の豊富な滋養(yǎng)源になった。そして「蕓術が通じれば心も通い合う」という現(xiàn)象が発生する。それは中國全體としての共同體の意識を強めることにつながった。
人口が圧倒的に大きい漢族が、その他の民族の蕓術に與えた影響は大きい。かつて契丹で作られた遼三彩は漢族の陶器の影響で制作されるようになったものだ。ペー族に伝わる大本曲、モンゴル族に伝わるウルゲルという弾き語りの蕓術遺産も、少數(shù)民族が漢族の蕓術を吸収した典型的な例だ。しかしながら、漢族の伝統(tǒng)を単に引き寫したのではなくて、それぞれ自民族の特徴が濃厚にあらわれている。
■ 漢族も少數(shù)民族の文化蕓術を大いに吸収した
漢族も、少數(shù)民族の文化や蕓術を多く取り入れた。漢族文化は変容しつつも漢族としての特徴を殘した。漢族文化が少數(shù)民族文化の寄せ集めであるわけではない。中國を代表する楽器の一つと見なされている二胡だが、漢族がこの楽器の原型を使い始めたのは北宋時代か、さらにさかのぼってもせいぜい唐代の末期で、漢族全體の歴史を考えれば「新參者」の部類に屬する。この楽器は北方民族から伝わったとされる。そして漢族は今では、自らの心情をこの楽器に託して奏でている。
少數(shù)民族同士の蕓術交流については、中國でも特に多くの民族が暮らす雲(yún)南省で、典型的な狀況を見ることができる。それぞれの民族は自らの伝統(tǒng)蕓術に、極めて自覚的だ。しかしそれでも、他の民族のよい伝統(tǒng)は吸収する。雲(yún)南ではさまざまな民族が多彩な蕓術を作り伝えてきたが、交流と吸収を通じて蕓術が形成されてきたことを考えれば、創(chuàng)造と伝承はすべての民族の共同作業(yè)の結果と理解してよい。
さまざまな民族が交流と吸収を通じて蕓術、さらには文化を形成されたことで、中國では國としての共同意識が強まることになった。このことには、中國以外の多民族國家も參考にする価値があると考える。(構成 / 如月隼人)
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