中國の伝統(tǒng)思想が現(xiàn)代社會に教えてくれるものとは―中國の専門家が具體的に紹介

中國新聞社    2022年1月20日(木) 8時50分

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中國の文化文明には「人と現(xiàn)実社會」を中心に考える発想が強(qiáng)かった。そんな中國の伝統(tǒng)文化と文明は、現(xiàn)代社會に多くのことを教えてくれる。寫真は2020年、遼寧博物館で開催された唐宋八大家文物展。

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一神教が思想を支配した西洋やイスラム圏、極度に抽象的な哲學(xué)が発達(dá)したインドなどと異なり、中國の文化文明には「現(xiàn)実の人と社會」を中心に考える発想が強(qiáng)かったとされる。中國國家イノベーションと発展戦略研究會の下部組織である「中國文明と中國の道研究センター」の謝茂松主任はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じて、中國文化を理解するキーワードは「民本と天下」などと説明した。以下は、謝主任の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

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■西洋中世とは異なり、中國では社會階層に流動性が存在した

文明史の観點(diǎn)からは、中國は孔子の出現(xiàn)以來、平民の時代に入ったと言える。唐代(618-907年)までは名家一族、すなわち貴族と稱することができる家柄があったが、宋代(960-1279年)にはほぼ消滅した。社會は士大夫及び農(nóng)?工?商で構(gòu)成されるようになった。士大夫は科挙に合格することで社會の支配層に加われた。そして農(nóng)?工?商、特に農(nóng)民が生産を擔(dān)った。しかし、エリート層だった士大夫も元をたどれば農(nóng)民の家の出身であることが大多數(shù)だった。

2020年、遼寧博物館で開催された唐宋八大家文物展

そして中國では「民をもって本位となす」との考えが出現(xiàn)した。この考えかたには二つの意味が込められている。まず士大夫には、國を治め管理し「社會を優(yōu)先」することが望まれた。そして一般大衆(zhòng)は、「道徳を自覚する」ことが求められた。

「道徳」は本來、士大夫に求められたものだったが、明代(1368-1644年)ごろからは民衆(zhòng)にも強(qiáng)く求められるようになった。例えば、王陽明(1472-1529年)が樹立した心學(xué)は、人として「良知に至る」ことを主張した。そしてだれでも「良知に至る」ことは可能であり、それができた人は「聖賢」と説いた。

西洋では中世と呼ばれる時代、國王、領(lǐng)主、騎士といった身分はすべて世襲制だった。そして文化面は全てキリスト教の神職者が擔(dān)った。庶民である農(nóng)民や農(nóng)奴は社會の最下層だった。中國のように、庶民の家から「聖賢」が出現(xiàn)する可能性が殘される社會とは、本質(zhì)的に異なっていた。

2020年、遼寧博物館で開催された唐宋八大家文物展

■「運(yùn)命共同體」構(gòu)想は西洋式の「勝者が総取り」を超越する試み

士大夫は順列がある官僚組織に組み込まれたわけだが、その上にはさらに天?君?臣?民という順列があった。君すなわち皇帝は「民を本位」に政治を行わねばならないが、君も臣も民も「天」の制約を受ける。そこで「天命」や「天の理」といった概念が重視されるようになった?!柑煜隆工趣いρ匀~で分かるように、天という上位の存在があって、全ての存在は天の摂理に従うという考え方だ。

現(xiàn)代中國社會において、かつての「天」と同様なのが、人や自然による「運(yùn)命共同體」の考えだ。中國が世界に向けて提唱している「人類運(yùn)命共同體」は、中國の伝統(tǒng)的な天下観と見事に合致している。また、社會主義國家である中國が人民全體の利益を優(yōu)先することも、儒家などが説いてきた中華文明の特徴に合致する。

現(xiàn)在の「一帯一路」イニシアティブや「人と自然の共同體」は、中華の伝統(tǒng)精神の延長線にある。我々は「共同富裕(皆が共に裕福になる)」を目指し、それを全世界に拡大しようと考えている。これは西洋文化にある「勝者が総取り」の発想を最終的に超越しようとする試みでもある。

2020年、遼寧博物館で開催された唐宋八大家文物展。

■中國の伝統(tǒng)的発想で「國際関係のあるべき姿」が見えてくる

中國では世界で唯一の、「原初の文明」が現(xiàn)在まで連続して発展した國だ。中國文明の普遍性は極めて強(qiáng)い。西洋文明にも普遍性はあるが、中國文明には西洋文明をさらに內(nèi)包できる普遍性がある。

中國文明の普遍性を知ることができる言葉として、例えば論語の「君子は人の美をなさしむ(君子は他人の美點(diǎn)に著目し、それを達(dá)成させる)」という、大きな器量を求めるとする言葉がある。同じ論語には「己の欲せざるところを、人に施すことなかれ」という言葉もある。これは、「他者と平等につき合い、謙虛さを忘れるな」との考え方による主張と理解できる。

2020年、遼寧博物館で開催された唐宋八大家文物展

一方で、「君子は自ら強(qiáng)めてやまず」や「己が達(dá)せんと欲して人を達(dá)す」、つまり「自分自身は努力を怠らない」と同時に「自分が達(dá)成したいと願っていることは、他人も達(dá)成したいと願っているのだから協(xié)力の手を差し伸べよ」という言葉もある。これらの考えかたは、現(xiàn)在の國際関係を認(rèn)識する上でも、極めて有益であるはずだ。(構(gòu)成 / 如月隼人

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