中國で「山と人の関係」はどのように推移してきたのか―黃山の生態(tài)専門家が説明

中國新聞社    2022年1月20日(木) 23時20分

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南京大學(xué)黃山生態(tài)システム野外科學(xué)観測研究ステーションのステーション長も務(wù)める章錦河教授はこのほど、中國の山岳観や山岳の自然保護(hù)と利用の狀況を紹介した。寫真は黃山。

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昨今の中國では自然や生態(tài)系の保護(hù)が極めて強く意識されている。山岳についても観光資源などとして活用はするが、「持続可能」な範(fàn)囲にとどめて環(huán)境の悪化を阻止することが大前提だ。南京大學(xué)黃山生態(tài)システム野外科學(xué)観測研究ステーションのステーション長も務(wù)める章錦河教授はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じて、中國獨自の山岳観や山岳の自然保護(hù)と利用の狀況を紹介した。以下は、章教授の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

その他の寫真

■中國は文明が発達(dá)しても山と信仰が結(jié)びついていた

國連は2002年を「國際山岳年」として、03年には毎年12月11日を「國際山岳デー」とした。実施されてきた活動は、山岳部の生態(tài)システムの重視、山岳部の自然保護(hù)の緊迫性、山岳部における経済発展の停滯、山岳部住民の幸せなどに関連するものだ。

人と山岳の関係は、さまざまな段階を経て変化してきた。まずは山岳崇拝や山岳信仰の段階だ。人々は自然の超越的な力に接して、自然現(xiàn)象を象徴するさまざまな神を作り出した。西洋の山岳地帯でも住人が自然の神霊を崇拝したことはあった。しかし中國では自然と宗教を結(jié)び付ける傾向がはるかに強く、山東省の泰山、湖南省の衡山、河南省の嵩山、陝西省の華山、山西省の恒山が「五岳」と呼ばれ聖地とされるなどの現(xiàn)象が発生した。

山岳5カ所が選ばれたのは、五行説という思想にも関係している。文化文明が酢相當(dāng)に発達(dá)した段階になっても山岳が強く崇拝されていた點で、中國は西洋とは異なる。中國では現(xiàn)在でも「山岳」という言葉が人の獨特な感情を刺激するが、歐州人にとっては単なる地理上の用語だ。

■中國人にとって「自然との融合」は伝統(tǒng)の復(fù)興

次に山岳に美を見出した段階だ。中國がこの段階に入ったのは16世紀(jì)半ばで、歐州では18世紀(jì)末から19世紀(jì)初頭にかけてだった。次は山岳文明の段階だ。先進(jìn)國がこの段階に入ったのは20世紀(jì)半ばで、背景には、極度な工業(yè)化に対する反省などがあった。

スイス世界遺産ユングフラウ

ただし、先進(jìn)國では山岳文化の新たな前進(jìn)があまりなかった。中國には、伝統(tǒng)的な自然との付き合い方の知恵や、工業(yè)化が後発だったという強みがあり、「エコ文明」という新たな考え方が登場し、「人と自然の生命共同體」、「地球生命共同體」という新たな概念が提出された。

中國と西洋で、山岳に対する考え方が違うことには、文明における自然観全體が関係している。伝統(tǒng)的な西洋哲學(xué)は、思惟の主體である自分自身と他者を分離して対峙させる。人は自然を主導(dǎo)するとの考え方であり「山を征服」といった言葉も出現(xiàn)した。

中國では儒家が「天人合一(天と人との合一)」を主張したように、己と萬物とが溶け合うことを求める。中國仏教も「衆(zhòng)生、皆仏性あり」などとして、萬物の平等性を唱えた。中國人にとって、新たな時代に発生した「人と自然の調(diào)和ある共存」は、伝統(tǒng)的な文明の復(fù)興、すなわち古典に回帰するルネサンスだが、西洋人にとっては、ルネサンス以來進(jìn)められてきた「物化文明」に対する反省だった。

■黃山は姉妹山のスイス?ユングフラウなり、學(xué)習(xí)と協(xié)力を?qū)g施中

私は南京大學(xué)の黃山研究観測ステーションの責(zé)任者を務(wù)めているが、黃山は2002年に、スイスのユングフラウと「姉妹山」の協(xié)定を結(jié)んだ。また、ユングフラウ以外にも世界の多くの名山と提攜してきた。それらを通じて、黃山側(cè)は多くのことを?qū)Wぶことができた。例えば地元経済を発展させる計畫づくりや、施設(shè)建設(shè)にあたっての環(huán)境保護(hù)、自然が受ける負(fù)擔(dān)を限度內(nèi)に管理すること、経済活動の許可制、観光客に対する教育、地域としてのブランド戦略などだ。

黃山

一方で、20年5月には黃山側(cè)がユングフラウに「感染防止の條件を満たすための観光スポット開放ガイドライン」という情報を提供する?yún)f(xié)力をした。また同年9月にはユングフラウ側(cè)と提攜して、中國スイス國交樹立70周年を記念して実施された「スイス國家ブランドデー」の活動に參加した。

中華民國時代の1934年に設(shè)立された黃山建設(shè)委員會も、當(dāng)初から「資源保護(hù)、名勝を輝かせる、旅人に奉仕、住民に利益をもたらす」とのスローガンを掲げていたと伝えられる。これらの理念に加えて2011年には國際的な「持続可能な観光目的地準(zhǔn)則」の起草に參加して「観光體験の質(zhì)を絶えず向上、資源と関係をより大切にする、観光産業(yè)の広範(fàn)な融合、社會の幸せの増進(jìn)に努力」などの提案をするなど、時代の流れに沿った取り組みを行っている。(構(gòu)成 / 如月隼人

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