臺(tái)灣への接近を背景に中國から外交的、経済的圧力を受けているバルト3國のリトアニアのビールメーカーが臺(tái)灣市場(chǎng)の開拓に力を入れている。中國からの注文はすべてキャンセルされたが、臺(tái)灣メディアは「臺(tái)灣の消費(fèi)者が同社のビールをこぞって買い、高い評(píng)価を寄せた」と報(bào)じた。

リトアニアは昨年5月、中國と中東歐17カ國間の首脳會(huì)議「17＋1」を離脫。これを機(jī)に中國との関係が緊迫し始めた。その後、臺(tái)灣への代表機(jī)関設(shè)置を発表。臺(tái)灣も7月20日、リトアニアへの代表機(jī)関設(shè)置を発表し、中國の反発を招いた。

中國は8月、駐リトアニア大使の召還を決め、11月に臺(tái)灣の代表機(jī)関「駐リトアニア臺(tái)灣代表処」がリトアニアの首都ビリニュスに設(shè)置されると、リトアニアとの外交関係を「代理大使級(jí)」に格下げした。リトアニア製の商品が中國の通関で足止めされるなど、経済的圧力も強(qiáng)まっている。

臺(tái)灣?中央通信社によると、リトアニアのビールメーカー「ヴォルファスエンゲルマン」には昨年の夏の終りごろ、中國のパートナーから「リトアニアはいったいどうしたんだ」との問い合わせが突然寄せられた。その時(shí)、中國のネットやメディアでの同社製品に対するコメントは批判的なものだらけで、リトアニア製商品はボイコットされていた。小売業(yè)者は入荷をためらい、同社は10月になって、「年內(nèi)の注文をすべてキャンセルする」との通知を中國側(cè)から受けた。

同社は約7年前に中國に進(jìn)出。2020年の販売高は70萬リットル、昨年は120萬リットルに達(dá)した。今年の目標(biāo)は當(dāng)初、200萬リットルに設(shè)定していたが、今となっては中國市場(chǎng)の先行きは見通せない狀況になっている。

ヴォルファスエンゲルマンは20年に臺(tái)灣にも進(jìn)出。1年目の販売高は約8000リットルだったが、21年には約23倍の18萬リットルにまで大きく伸びた。昨年12月に臺(tái)北で開かれた総合食品見本市「FOOD TAIPEI 2021」でも多くの業(yè)者から関心が寄せられ、好評(píng)を得た。インターネット上の口コミでも臺(tái)灣の消費(fèi)者からの評(píng)価は非常に高いという。

同社の責(zé)任者は中央通信社の取材に対し、「愛は相互的でなければならない」と話し、臺(tái)灣からの愛がより多いのであれば「そこになぜ注力しないのか」として、臺(tái)灣市場(chǎng)に力を入れる姿勢(shì)を示した。

ヴォルファスエンゲルマンのCEO（最高経営責(zé)任者）も臺(tái)灣の消費(fèi)者がSNS（交流サイト）や各レビューサイトで同社のビールに対する感想をこぞって投稿してくれれば「大きな勵(lì)みになります」と強(qiáng)調(diào)。「そうなれば、臺(tái)灣市場(chǎng)に対し『何か特別なこと』をしようと社內(nèi)でより活発に考える契機(jī)にもなる」と語った。（編集/日向）