北京冬季五輪が4日、開幕した。北京は史上初の夏冬両大會(huì)開催都市となった。開會(huì)式會(huì)場(chǎng)の國(guó)家體育場(chǎng)（通稱「鳥の巣」）など一部の施設(shè)は2008年夏季大會(huì)の再利用で、開會(huì)式総監(jiān)督も08年大會(huì)と同じ著名な映畫監(jiān)督の張蕓謀氏だが、ロイター通信は中國(guó)を取り巻く狀況は「それら以外はほとんど様変わり」と伝えた。

今回の22年冬季五輪の開催地選びはノルウェーのオスロなど複數(shù)の有力候補(bǔ)が辭退し、カザフスタンのアルマトイと北京の一騎打ちになったが、15年に北京がアルマトイを破った。ウインタースポーツの歴史が淺く、雪も少ないにもかかわらず、國(guó)際オリンピック委員會(huì)（IOC）は安全な選択肢として北京を選んだ。中國(guó)は大規(guī)模な人口造雪による環(huán)境への影響が懸念されるものの、効率的に準(zhǔn)備を進(jìn)め、IOCの信頼に応えた。

ロイター通信は08年夏季大會(huì)について「日の出の勢(shì)いの中國(guó)が世界の表舞臺(tái)に登場(chǎng)し、見る者を圧倒した」と回顧。これに対し、今回は「今や中國(guó)は以前よりも裕福かつ強(qiáng)力になり、習(xí)近平國(guó)家主席の下で権威主義の様相を強(qiáng)め、歐米諸國(guó)と対立を深めている」と述べた。

コロナ禍も大きく変化した要因の一つ。中國(guó)は「ゼロコロナ」戦略という獨(dú)自路線を採(cǎi)り、ほぼすべての國(guó)際便の運(yùn)航を停止した。このため、選手や関係者は外部と接觸させない「バブル」の中にチャーター便で直接入る必要がある。ロイター通信は「今大會(huì)は昨夏の東京大會(huì)よりもはるかに厳しい『閉じた輪』の中で実施され、新型コロナウイルスの新変異株オミクロン株への対応が試される」とした。

08年夏季大會(huì)と同様に、五輪によって中國(guó)の人権問(wèn)題が再び注目を浴びた。記事は「中國(guó)の人権弾圧は08年大會(huì)以降悪化」と言及。米國(guó)政府は中國(guó)がイスラム系少數(shù)民族ウイグル族にジェノサイド（集団虐殺）を行っていると批判し、米英両國(guó)などが「外交ボイコット」に踏み切った。中國(guó)は疑惑を否定し、大會(huì)の政治化だと繰り返し反発している。

英オックスフォード大學(xué)のラナ?ミッター教授（中國(guó)史?政治學(xué)）は「08年夏季五輪は世界的な影響力の獲得を目指す中國(guó)にとってソフトパワーの強(qiáng)力な源泉だった。この1年で西側(cè)世界における中國(guó)の評(píng)価は大幅に悪化した」と指摘した。

北京市內(nèi)は08年大會(huì)ではカーニバルのようなにぎわいを見せたが、冬季五輪は新型コロナ感染拡大阻止のための制限措置に諦めムードが漂っている。チケットが一般発売されないことに対する失望もある。

それでも大會(huì)ボランティアのイェ?ウェンシャオユーさん（20）はロイター通信の取材に「08年大會(huì)はすごく壯大で、世界に向けて華やかなショーを見せてくれた。今年の北京大會(huì)はとてもシンプルで、低炭素なものになる。でも當(dāng)然ながら、そんなことと関係なく素晴らしい大會(huì)になるだろう」と期待感を示した。（編集/日向）