和華 2022年2月7日(月) 23時10分
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2021年1月30日には、日本初の華僑華人系オーケストラ「多元交響楽団」の新年音楽會を実施しました。寫真は2021年多元交響楽団新年音楽會。
私たち東京華楽坊蕓術學校は、主に音楽や絵畫の教室運営?イベント運営を行っています。東京近郊にある7つの教室でレッスンを行っていますが、これは華僑華人の生徒さんにとっては、ルーツである中國の文化を勉強する學び舎であり、日本人の方にとっても中國文化を知る場となっています。ただ、教室の全ては、人と人が対面してこそ成り立つもので、コロナ禍は、「波亂萬丈」そのものでした。
2020年1月の児童春節(jié)イベントを終えて、2月になるとコロナの問題が日本でも深刻になってきたため、3月から5月はやむを得ずレッスンを全面休講としました。レッスン料は無條件で全額返金して、教室に來られない生徒さんや、レッスンに興味を持っている方達のために、無料オンライン授業(yè)を全90回実施しました。この期間は授業(yè)収入がない狀態(tài)で、教室の家賃だけが発生しており、事務スタッフの給料も支払わなければなりませんでした。困窮の末に、もともと2フロアだった大久保教室を1フロア減らすほど…。この引越し作業(yè)は全て自分たちで行いました。手狹にはなってしまいましたが、スタッフたちが本當によく頑張ってくれたことに加えて、日本政府による補助金が利用できたことに救われました。
さて、既存教室を縮小するのは非常に苦しかったのですが、私たちはこのピンチの中でチャンスを見出そうとしました。コロナ禍の流れに「逆行」するようですが、6、7月に西川口?船橋で新しい教室を開こうと考えたのです。というのも、以前から物件を探していた場所で、普段では考えられないような費用で手に入れることができたため、1箇所縮小した分で、違うエリアでの認知度向上を図れると考え「運命に負けるな」と自分に言い聞かせ、この賭けに出ました。
同時期に全教室でレッスンが再開すると、やはりオンラインより対面で空気感や細かい部分が伝わる対面レッスンが好まれ、検溫、手指消毒、全員マスク著用を徹底してレッスンを続けることになりました。
コロナ禍で最も異例だったのは中國中央音楽院の音楽検定試験の開催でした。その名の通り、中國?西洋楽器の學習者のレベルアップを図るもので、合格者は中央音楽院への入學が有利になる制度もあります。この日本地區(qū)の検定を年1回、私たち東京華楽坊蕓術學校で運営しています。今年で第3回目でしたが、例年なら教授が審査のために來日して、直接受験者を見ていたところ、今年はそれが葉わず、試験會場の様子をオンライン中継して審査するというハイブリット形式になりました。そのため私たちは通常の會場運営に加え、手探りで感染対策、中國への配信を実施したのです。初めての形式に備え、事前にオンライン説明會を行ったため、なんとか成功させることができました。福岡會場は參加者1人のために、私ともう1人のスタッフが赴いて開催しました。約束を守ることによって、信頼感を得ることができ、いずれ必ず參加者が増えることを信じています。
また、2021年1月30日には、日本初の華僑華人系オーケストラ「多元交響楽団」の新年音楽會を実施しました。これはコロナ問題が現(xiàn)れる前から準備を進めていました。どんなに苦しい時期でも諦めず、言葉がなくても心に伝わる音楽のちからで、みんなが明るくなれるようなことをしたかったからです。メンバーは、華楽坊の講師を含む20數(shù)名の中國人と、日本人30名、韓國系の方もいて非常に多國籍なオーケストラとなりました。
オンライン配信も行いましたが、會場では集客よりも來てくれた方の安全を優(yōu)先し、感染対策として、まだ普及していなかった自動検溫機を入口用に2臺購入しました。本番ではクラシックの定番曲や中國の曲を演奏しました。會場席數(shù)に対し來場者は半分ほどでしたが、中には日本人の方も多く、終演後には、コロナ禍で開催したことを労い、大勢のお客様の中から賛助會員として支援したいという方が現(xiàn)れ、とてもありがたかったです。
その後は、音楽発表會、ダンス発表會も開催しました。こちらも會場は人數(shù)制限を行う代わりに、オンライン配信を行いました。ギリギリまで開催できるかわからなかった中、スタッフ一丸となって準備を進め、子どもたちの1年の練習の成果を披露して成長を実感する時間を作ることができました。子ども時代の1年は大人以上に長く感じられるものです。この逆境の中、どうにか健やかに育ってほしいと願っています。
それからコロナ禍での新しい取り組みとして、子ども向けの新聞をスタートしました。ネットが主流となった時代ですが、「溫度感があるものを伝えたい」という思いから、印刷して紙面を作成することにしました。日本の主要な新聞には殆ど子ども向け版が存在しますが、華人華僑向けのものは他に例がなく、月1回発行で16ページにわたり、ニュース?自然?動物?蕓術?子どもたちによる文章や絵?受験?保護者向けの情報など、私たちならではの內容を掲載しています。
ただ、やはり開催できなかったイベントも多く、特に國と國を行き來しての交流はやはり難しかったため、いくつも中止に追い込まれました。コロナ後には必ずまたこれらに取り組み、併せて講師たちの交流會も実施したいと考えています。
コロナに限らず辛いことも沢山ありますが、生徒や保護者の皆さん、スタッフや講師、応援してくださる方のことを思えば踏ん張ることができます。「笑っても笑わなくても人生、ならば笑って過ごしたい」と常に思って、これからもどんな困難があっても経営者としての責任を持って乗り越えてゆきます。
※本記事は、『和華』第31號「日中100人 生の聲」から転載したものです。また掲載內容は発刊當時のものとなります。
■筆者プロフィール:何慧群(かえいぐん)
東京華楽坊蕓術學校校長、チャイナリニア株式會社代表取締役。中國江西省九江市出身、2006年日本に留學し、早稲田大學大學院スポーツ研究科健康スポーツ専攻修士を卒業(yè)。2013 年にチャイナリニア株式會社を発足し、中國楽器や華僑児童向けの東京華楽坊蕓術學校を設立。児童向けの新聞『少年華僑報』 社長、江西省日本商工會議所副會長、日中文化旅行促進協(xié)會會長、東京多元交響楽団運営総監(jiān)督等を兼任?!溉A僑が心を寄せ、蕓で知恵を合わせ、徳で人を育てる」という理念のもと、両國の文化活動に取り組んでいる。
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