近代五輪大會は、紀(jì)元前に始まった古代オリンピックを參考に創(chuàng)設(shè)された。この古代オリンピックは信仰と強(qiáng)く結(jié)びつくなど、強(qiáng)い精神性を伴っていた。中國で古代に行われていた競技も強(qiáng)い精神性を伴っていた。北京語言大學(xué)比較文學(xué)研究所の陳戎女所長はこのほど中國メディアの中國新聞社の取材に応じて、古代中國と古代ギリシャのスポーツ精神と、現(xiàn)代における古代のスポーツ精神を解説した。以下は陳所長の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

【その他の寫真】

■爭わないはずの君子でも競技を行う場合はあるが、主眼は人徳の育成

紀(jì)元前800年から同200年にかけて、中國でもギリシャでも、競技に関する「禮」や「儀」、さらに価値観が発生した。中國では、例えば論語に孔子の言葉として「君子は爭うところなし。爭うとすれば弓矢ぐらいか。その場合も互いに禮を盡くし譲り合う（中略）その爭いや、君子の爭いなり」といった意味の記述がある。論語の記述は、「君主は本來、他者と爭わないものだ」とした上で、弓矢は君子として身につけねばならない技でなので、例外的に「腕を競う」ことを認(rèn)めるが、主眼とするのは技術(shù)や力の勝負(fù)ではなく人徳の育成と主張している。

古代中國では角力、競爭、乗馬、蹴鞠（けまり）、弓矢の5競技が行われていた記録がある。例えば弓矢の場合には鳥獣を得る狩猟の技から出発して「射禮」の段階までの、長い年月をかけた文化の発展の道のりがあった。儒教の最も重要な経典の一つであり、「禮」についての集大成である「禮記」には「射義」という章を特に設(shè)けており、そこには「心身共に正しくしてはじめて、弓を正しく持てる。弓を正しく持って初めて、的に當(dāng)てることができる。これをもって弓を射る者の徳行を見て取ることができる」と書かれている。

この思想が後世に與えた影響は極めて大きかった。中國では公正?仁愛?友好など伝統(tǒng)的なスポーツの倫理思想が形成された。この思想は現(xiàn)代のスポーツの発展にも影響を與えている。

■ギリシャ人にとって競技は信仰と不可分、不正は許されなかった

古代オリンピックは紀(jì)元前776年に始まったとみられている。そしてローマ皇帝の命により廃止される紀(jì)元393年まで続いた。各地のギリシャ人が參加する競技會は他にもあった。ギリシャでは規(guī)範(fàn)化された大規(guī)模な競技會が周期的に開催され、競技種目も充実していった。

古代オリンピックでは競技における公平さが重視された。不正をした者は厳しく処罰され、莫大な罰金を科せられた。その罰金は主神であるゼウスの像を作るために使われた。競技の勝者は大きな栄譽(yù)を得た。勝者に贈られるものが光明の神であるアポロンの神木である月桂樹の枝で作った冠だったことで示されるように、その栄譽(yù)とは精神的なもので物質(zhì)ではなかった。

古代オリンピックはゼウスに祈りを捧げる儀式がその一部だった。古代ギリシャ人にとって宗教儀式と競技會は一體になったものであり、分離することはできなかった。

古代ギリシャでは競技場や練習(xí)場所に、力を司るヘラクレス、戀心や友情を司るエロス、弁舌を司るヘルメスの3神の像が置かれていた。つまりスポーツは體力と感情、知力を向上させるための、広い意味での教育だった。ギリシャの伝統(tǒng)はローマにも受け継がれ、西洋人の社會観と個人の行為に影響を與え続けた。

■古代のスポーツ精神は五輪精神につながり、世界に相互理解や平和友好をもたらす

中國とギリシャはいずれも古い文明國であり、現(xiàn)代文明世界の構(gòu)築において長期的に共に聲を上げ、優(yōu)良な伝統(tǒng)の遺伝子と現(xiàn)代の活力を合わせ備えた競技精神を凝縮していくべきだ。

長期的にみれば、近代五輪は「相互理解、長い友情、一致団結(jié)、公平な競爭」といったオリンピック精神を追求している。中國とギリシャの古い文明の伝統(tǒng)を汲み取ることは、現(xiàn)代の五輪精神をより豊かに共有し、良好な國際社會の環(huán)境と人類運(yùn)命共同體を構(gòu)築することの助けとなる。

古い「禮?儀」の國である中國とギリシャは、現(xiàn)代の五輪精神、そして多元文明が相互に學(xué)び合う今後の世界において歴史?現(xiàn)在?未來の三つの角度から、衝突を繰り返す世界おいてより多くの相互理解や平和と友好をもたらす役割りを擔(dān)うことができる。（構(gòu)成 / 如月隼人）