1988年10月筆者らはキジル千仏洞修復(fù)保存活動がきっかけで「日中共同ニヤ遺跡學(xué)術(shù)調(diào)査」（文科省助成）を開始した。西域36國の「精絶國」であるニヤ遺跡は東西約7km?南北約25km（周辺をふくむ）の広大な範(fàn)囲に仏塔?寺院?住居?貯水池?生産工房?家畜小屋?並木など約250の遺構(gòu)が殘存している。古代西域研究に欠かせない重要遺跡である。1997年まで現(xiàn)地調(diào)査を繰り返し、日中雙方多領(lǐng)域の一流専門家多數(shù)の盡力をえて「精絶國」の全容を明らかにし、報告書や國際シンポジムで発表してきた。

調(diào)査開始7年後に発掘した「五星出東方利中國」錦は西域と中原王朝との密接な関係を示す貴重文物。「出國（境）展覧禁止文物指定」「1995年中國十大新発見」「20世紀(jì)中國大発見100」に続き、昨年には中國考古學(xué)「百年百大発見」の栄譽もえた。またCCTVの大型番組「國家寶蔵」などでも度々取り上げられている。さらに北京2022冬季オリンピック開催中に國家大劇場で大型歌舞「五星出東方」が上演され、日本をふくむ外國記者60余名も観劇した。中國各地50劇場へ巡回予定。中國の多數(shù)のネットで「日中共同調(diào)査隊が発掘した五星錦が題材」と報じられたことは停滯中の日中関係にとって明るい話題である。レコチャでも「日中共同調(diào)査隊が発見した中國の國寶『五星出東方利中國』錦、ついに舞踴劇化」と報じられた。

キジル千仏洞などはこの連載で記したように世界遺産となったが、ニヤ遺跡は不運にも次段階へ繰り越された。2006年中國國家文物局（文化庁相當(dāng)）などはトルファンで「シルクロード」申請予備會議を開催。中國の他にカザフスタン?キルギス?タジキスタン?ウズベキスタンなども參加し、國をまたぐ共同申請活動が開始された。2007年國家文物局が中國6省區(qū)48ヵ所の申請を決定。新疆ではキジル千仏洞?ニヤ遺跡はじめ樓蘭遺跡など12遺跡。

2011年タジキスタン?ウズベキスタン側(cè)の準(zhǔn)備遅れで申請延期と分離申請を決定。規(guī)模も縮小、天山山脈周辺に絞られ、ニヤ遺跡や樓蘭などは次段階へ繰り越された。東西南北の文明文化が行き交い、現(xiàn)在の「一帯一路」の歴史交流実例都市である「ニヤ遺跡」の登録に向け、保護対策など各種準(zhǔn)備が行われている。2015年広大な遺跡の保護強化のため巡視用小型沙漠車POLARISを寄贈した。やがて登録されるであろう。

今年は日中國交正?；?0周年の喜ばしい年。この50年、日中関係は花が咲く時も嵐が吹く時もあった。昨今また種々の要因で停滯中。しかし雙方の大小様々な活動をへて好転すると確信している。

國內(nèi)にいて相手國を批判するのは容易だが、それだけでは何も解決しない。雙方が違いを認(rèn)め合い、具體的活動を通して、相手國の自國への理解促進を図る努力こそ重要ではと思う。國際協(xié)力は平和を維持し、戦爭を抑止する重要活動と信じている。21世紀(jì)こそ自然?環(huán)境と「調(diào)和」し、民族?性別?宗教?障害?思想などをこえた「共生」、國家をこえた「國際協(xié)力」、流行りの言葉でいえば「SDGs」実踐の世紀(jì)でありたい。

筆者は國交正?；贬幛讼愀郏ó?dāng)時は英領(lǐng)）から歩いて中國へ入った。よって筆者にとって今年は中國訪問50周年にあたる。新疆訪問は1982年、以來新疆ウイグル自治區(qū)の漢?ウイグル?カザフ?回?シボ族など多民族諸氏とリスペクトしあって國際協(xié)力40年。人々の溫かい心と豊富な文化遺産に魅せられ、「大愛無疆」（大きな愛に境界はない）精神で活動してきた。細(xì)やかではあるが日中相互理解を促進してきた?！褐袊陆?6年國際協(xié)力実録』『21世紀(jì)は共生?國際協(xié)力の世紀(jì)　一帯一路実踐談』?ブログ「國獻男子ほんわか日記」や講演などで國際協(xié)力?相互理解の重要性を一庶民ながら訴え続けている。

この2年あまりコロナ禍で訪問できず、新疆大學(xué)奨學(xué)金?新疆文化文物優(yōu)秀賞?シルクロード児童育英金の提供を通じての人材育成支援活動も延期中。新疆ウイグル自治區(qū)政府の艾尓肯?吐尼亜孜主席から「新疆はかつてないほどの大発展中、「一帯一路」で國際合作に努める。貴方を高く評価している。コロナ後の再訪を熱烈歓迎する」（拙訳）などとFAXをいただいている。80歳の爺さんではあるが、今年は第二の故郷新疆を是非とも訪問したい。ワクチン証明などでスマホが必須とか、持っていないので準(zhǔn)備しなくては（笑）。 皆々様、拙コラム閲覧ありがとうございました。益々のご健勝ご活躍を願っています。機會あればまたお目にかかりましょう。合掌三拝

■筆者プロフィール：小島康譽

浄土宗僧侶?佛教大學(xué)內(nèi)ニヤ遺跡學(xué)術(shù)研究機構(gòu)代表?新疆ウイグル自治區(qū)政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種國際協(xié)力を?qū)g施中の日中理解実踐家。
ブログ「國獻男子ほんわか日記」
＜新疆は良いところ＞小島康譽 挨拶―＜新疆是個好地方＞
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小島康譽氏コラム