<ウクライナ危機(jī)>セルビアとハンガリー、「綱渡り」外交=ロシアとEUの狹間で

村上直久    2022年4月10日(日) 7時(shí)40分

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ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対して、ほとんどの歐州諸國(guó)は厳しく非難しているが例外もある。

ロシアウクライナへの軍事侵攻に対して、ほとんどの歐州諸國(guó)は厳しく非難しているが例外もある。舊ユーゴスラビアのセルビアと東歐のハンガリーは國(guó)連の非難決議には賛成したものの、セルビアは一連の制裁には參加しておらず、ハンガリーは中立の方針を打ち出し、両國(guó)とも対ロ批判で「及び腰」だ。

一方、セルビアはEU加盟を希望し、加盟候補(bǔ)國(guó)であり、ハンガリーは既にEU加盟國(guó)であり、両國(guó)ともEUに配慮せざるを得ない立場(chǎng)にある。

◆選挙で圧勝

こうした中で、4月3日、セルビアでは大統(tǒng)領(lǐng)選挙と議會(huì)選(一院制、定數(shù)250)が行われ、ロシアに融和的な現(xiàn)職のブチッチ大統(tǒng)領(lǐng)が約6割の票を獲得して再選され、右派與黨、セルビア進(jìn)歩黨も第一黨の座を維持した。ハンガリーで実施された総選挙は強(qiáng)権政治でEUとは距離を置くオルバン首相が率いる右派與黨「フィデス?ハンガリー市民連盟」が圧勝した。この結(jié)果、両國(guó)ではEUとロシアの間でこれまで通りの「綱渡り」外交が続きそうだ。

セルビアはEU加盟を目指すことで西側(cè)を志向する一方、民族と宗教が似通うロシアとの関係も重視。歐州とロシアの間でバランスを取ることに努めているようだ。

舊ユーゴ紛爭(zhēng)でのセルビア人勢(shì)力に対してNATOが行った執(zhí)拗な空爆を記憶するセルビア人とNATOの東方拡大により舊ソ連時(shí)代の勢(shì)力圏を徐々に「浸食」してきた西側(cè)への警戒感が根強(qiáng)いとされるロシア人は、「西側(cè)に対する恨みで育まれた被害者意識(shí)の絆で結(jié)び付いている」と米紙ニューヨーク?タイムズは指摘している。

セルビア人の対西側(cè)への反発はロシアへの手放しの「追隨的態(tài)度」としても表れる。セルビアのタブブロイド紙「インフォーマー(Informer)」は2月、ロシア政府は「潔白」であり、「ウクライナがロシアを攻撃」との大見出しの記事を一面に掲載した。

一方、セルビアの煮え切らない態(tài)度はEU內(nèi)で批判の的となっている。対ロ経済制裁への不參加について、ドイツのベアボック外相は「EUに加盟することは同じ立場(chǎng)をとることだ」とクギを刺した。

◆オルバン氏の続投

ハンガリーの議會(huì)選(一院制、定數(shù)199)では、オルバン氏のフィデスが、反オルバンで結(jié)集した野黨連合を破った。オルバン氏は首相としては連続4選(通算では5選)された。

ハンガリーは隣國(guó)ウクライナへのロシアの侵攻を非難する一方、歐州諸國(guó)の武器を自國(guó)経由でウクライナへ供與することは拒否。野黨連合はオルバン政権は「親ロシア」だとの批判を展開したものの、有権者は戦爭(zhēng)に関與しない姿勢(shì)を評(píng)価した模様だ。

オルバン政権は司法への介入やメディアの獨(dú)立性の制限、難民への厳しい政策などをめぐってEUとの間で軋轢が生じており、EU関係者はオルバン政権について「予測(cè)不可能であり、EUに突き刺さった棘のようなものだ」と手厳しい。

ウクライナのゼレンスキー大統(tǒng)領(lǐng)は、オルバン首相のロシアに対する融和的な姿勢(shì)を批判し、「誰の味方に付くのか自らはっきりさせなければならない」と訴えた。

ハンガリー政府高官は、「この戦爭(zhēng)から距離を置きたい」と主張。ウクライナへ武器を送れば同國(guó)西部にいるハンガリー系住民に危害が及ぶ可能性があると指摘。兵器の自國(guó)領(lǐng)內(nèi)通過を拒否する方針を強(qiáng)調(diào)した。

プーチン氏から祝電

ロシアはセルビアとハンガリーの姿勢(shì)をどう見ているのだろうか。ロシアのプーチン大統(tǒng)領(lǐng)は4日、セルビアのブチッチ大統(tǒng)領(lǐng)とハンガリーのオルバン首相に対し、3日の選挙での勝利を受けて、祝意を伝えた。ブチッチ氏に対しては「ロシア人とセルビア人は兄弟のような國(guó)民」との見方を示し、オルバン氏には「困難な國(guó)際情勢(shì)だが、一層の関係発展こそが両國(guó)の利益だ」と強(qiáng)調(diào)した。

ロシアのウクライナ侵攻に対しては、西側(cè)諸國(guó)はおおむね対ロ非難で一致しているが、セルビアやハンガリーのように過去の歴史的経緯や地政學(xué)的理由などから明確な反対を打ち出せない國(guó)も歐州には存在する。

■筆者プロフィール:村上直久

1975年時(shí)事通信社入社。UPI通信ニューヨーク本社出向、ブリュッセル特派員、外國(guó)経済部次長(zhǎng)を経て退職。長(zhǎng)岡技術(shù)科學(xué)大學(xué)で常勤で教鞭を執(zhí)った後、退職?,F(xiàn)在、時(shí)事総合研究所客員研究員。學(xué)術(shù)博士。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見解であり、RecordChinaの立場(chǎng)を代表するものではありません。

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