臺灣メディアは7日、ナンシー?ペロシ米下院議長が近く臺灣を訪問すると報じた。すると中國では、王毅外相がフランスのエマニュエル?ボンヌ大統(tǒng)領(lǐng)外交顧問と電話會談をした際に、この件について「米國による、レッドラインを公然と踏みにじる挙動」と述べるなどの、激烈な反応が相次いだ。その後、ペロシ米下院議長は新型コロナウイルス感染の検査で陽性反応が出たため訪問は延期された。米國華字メディアの多維新聞は、同件を分析する記事を発表した。以下は多維新聞記事の抄訳だ。

中國の王外相はフランスのボンヌ大統(tǒng)領(lǐng)外交顧問との電話會談の際に、ペロシ下院議長の訪臺について「臺灣問題で、『一つの中國』という（越えてはならならない）レッドラインを公然と踏みにじる挙動だ。もしも米國が獨斷専行するならば、中國は必ずや、斷固たる対処をする。一切の結(jié)果の責(zé)任は米國にある」と述べたという。

中國外交部の趙立堅報道官も、ペロシ議長の訪問について「一つの中國の原則と中米両國の三つの共同聲明の定めに甚だしく違反するものだ」「中米関係の政治的基礎(chǔ)に重大な打撃を與える」などと米國側(cè)を強く批判した。

米國憲法などの定めによれば、大統(tǒng)領(lǐng)が執(zhí)務(wù)を継続できなくなった場合に職務(wù)を引き継ぐのは副大統(tǒng)領(lǐng)であり、副大統(tǒng)領(lǐng)も職務(wù)執(zhí)行が不能ならば、下院議長が大統(tǒng)領(lǐng)の執(zhí)務(wù)を引き継ぐ。つまり下院議長は米國の政治で3番目に高い地位と言える。

直近では、1997年にニュート?ギングリッチ下院議長が訪臺した事例がある。しかしギングリッチ議長は共和黨に所屬し、當(dāng)時のクリントン民主黨政権とは対立していた。つまり米國國內(nèi)の政治的狀況が作用する側(cè)面も強く、ギングリッチ議長の訪臺は、當(dāng)時の米國政権の意向を反映したものとは言えない側(cè)面があった。

しかしペロシ下院議長はバイデン大統(tǒng)領(lǐng)と同じ民主黨に所屬する。つまり米現(xiàn)政権の意志として、政界で極めて高い地位にある人物が臺灣を訪問することになる。

中國メディアの環(huán)球時報の前編集長である胡錫進(jìn)氏はペロシ議長の訪臺について「中國は引き下がらない。前例のない対処をする」「ペロシ議長の臺灣訪問が正常に行えないようする。例えば臺灣上空を飛行禁止にして空から封鎖する」「解放軍の戦闘機(jī)を當(dāng)日、臺灣上空を通過させる。臺灣軍の攻撃により解放軍機(jī)が墜落すれば、ミサイルを発射した臺灣軍基地に壊滅的な打撃を當(dāng)たる」などと論じた。

胡錫進(jìn)氏にはあまりにも過激な論調(diào)が多く、「大言壯語」などと揶揄（やゆ）されてきた。しかし総合的に見れば中國では民間も當(dāng)局も激高しており、「一戦も辭さず」の狀況とも言える。このことで、中國政府が踏み越えることを認(rèn)めないレッドラインが、かなり具體的に見えてきた。

ペロシ議長は新型コロナウイルス感染のために訪臺を延期することになったが、米?中?臺を巡る極度な緊張が一時的に緩和されただけで、問題が解決されたわけではない。しかし米國政府がこの「モラトリアム」を利用して情勢を見極め、崖っぷちで踏みとどまれるかどうか、そのことによって、今回ほどには深刻な結(jié)果をもたらさない「臺灣カード」を切り続けられるようにできるかどうかは、バイデン政権の知恵だけでなく、米國による秩序の安定にも関わっている。

中國側(cè)は絶対に引き下がらないと表明しつつ、米國には「掟（おきて）」に従うよう積極的に呼びかけ続けている。中國側(cè)による、「ペロシ下院議長の訪臺はレッドラインを踏み越える」とする意思表明は十分に明確だ。そこで次は、バイデン大統(tǒng)領(lǐng)がどのように反応するかということになる。（翻訳?編集/如月隼人）

I’m overwhelmed with the wonderful well wishes and prayers, and thank everyone for the kindness. I remain asymptomatic thanks to the robust protection from the vaccinations and boosters, which I encourage everyone to get.

— Nancy Pelosi (@SpeakerPelosi) April 8, 2022