中國の「竜」と西洋の「ドラゴン」は全く違う―竜伝説を調(diào)査して作品書いた作家が紹介

中國新聞社    2022年4月23日(土) 11時(shí)20分

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「竜」と「ドラゴン」は性格が全く違う。作家の金竜壽さんは、文化をきちんと國外に発信して正しく理解してもらうべきと訴えた。寫真は「竜」のデザインを用いた衣服などを著用して北京冬季五輪に臨んだ谷愛凌選手。

中國の「竜」はよく、西洋の「ドラゴン」になぞらえられる。しかし「竜」と「ドラゴン」は、その性格が全く違うという?!更\竜の伝説」などの作品で知られる作家の金竜壽さんはこのほど中國メディアの中國新聞社の取材に応じて、「竜」と「ドラゴン」の違いを説明した。以下は金さんの言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

■「黒竜江」という地名は、元は「白竜江」だったという伝説

私の著作の「黒竜の伝説」は、黒竜江省に伝わる「白竜と黒竜の伝説」を土臺にしたものだ。黒竜江の地には昔、白い竜が住んでいたので白竜江と呼ばれていた。ところがこの白竜は邪悪な存在で、しばしば嵐を起こした。そのため田畑は荒れてしまい、人々は大いに苦しんだ。すると白竜の所業(yè)を見かねた黒竜が人々と共に立ち上がり、力を合わせて白竜を倒した。黒竜は実は神だった。そして白竜江の地名は黒竜江に改められた。

私は黒竜江各地を調(diào)査し、資料も集めた。竜文化は中國にあって極めて重要だ。研究者によって異なる意見もあるが、竜文化の発生はトーテム信仰と関係があると考える人が多い。竜は、中國各地の文化を統(tǒng)合する役割りも果たしてきた。

儒教の古典である「易経」では、竜は雨風(fēng)を扱うとされている。また古い時(shí)代は帝王のことを「真竜天子」とも呼んだ。すでに散逸してしまったが「三墳五典」という書物には「竜は変化することがよくでき、風(fēng)雲(yún)を起こすことができる。竜は君(くん)たるものである」と書かれていたとされる。竜は皇帝のシンボルにもなった。だから皇帝の顔つきを「竜顔」という。民間では、竜が順調(diào)な雨風(fēng)をもたらす「縁起物」とされた。

■「竜」と西洋の「ドラゴン」の性格は正反対だった

中國の竜を英訳する際には「dragon(ドラゴン)」の語を使うことが一般的だ。ドラゴンの語源は大蛇を意味するラテン語の「ドラコ」、さらにはギリシャ語の「ドラコーン」にさかのぼれるという。

西洋文化におけるドラゴンのイメージは聖書から來ている。すなわち、ドラゴンとは悪魔サタンの化身の一つだ。英語で記述が殘る最古の伝承である長編敘事詩の「ベーオウルフ」は、主人公のベーオウルフと巨大で邪悪なドラゴンとの戦いがテーマだ?!弗侃`オウルフ」のドラゴンも、「悪魔的で邪悪」というキリスト教におけるドラゴンのイメージによる。

「竜」と「ドラゴン」の性格の違いには、中國人と西洋人の考え方も反映されている。西洋では自然やその他の力を「悪魔的で邪悪」と見なす傾向が強(qiáng)く、そのような「悪の存在」は、個(gè)人のヒロイズムにより打倒される。

一方、中國人の発想はより集団主義的で、環(huán)境や環(huán)境の変化とは敵対せず、むしろ受容することを望んできた。心の調(diào)和も重視された。そのため竜も、「超自然的」であるだけで邪悪な存在と決めつけることはせず、竜が悪いことをしなければ、人々は竜を受け入れ崇拝した。中國の竜文化は、寛容な世界観の象徴でもある。

舊暦2月2日は「竜抬頭」と呼ばれる。冬眠してた竜が目を覚まして、頭をもたげる日と考えられたからだ。この日が重視されたことは、中國が古い農(nóng)業(yè)國だったことと密接に関係している。竜が雨をつかさどる存在だったことを思い出してほしい。人々は順調(diào)な降雨を願(yuàn)って、竜に祈りをささげた。この日は現(xiàn)在の暦ではおおむね3月で、辺りが春めいてくる時(shí)期だ?!父o抬頭」には、人々が農(nóng)作業(yè)を本格的に始めることを促す役割りもあったという。

舊暦5月5日の端午の日には、「竜舟(ドラゴン?ボート)」のレースがある。また、十二支の中で竜は唯一の、実在しない動(dòng)物だ。中國の竜は人々に親しまれ、神聖で縁起のよいものと考えられてきた。

「竜」の文字は、人名にも使われてきた。私の名は「竜壽」だが、「素晴らしい人生を歩むように」との、両親の願(yuàn)いが込められているわけだ。

■西歐人の誤解を解くために、「竜文化」を発信する必要がある

西洋ではまだ、中國の「竜」が誤解されている場合がある。誤解を避けるために「竜」を「dragon」と翻訳せず、「loong」などと中國語の発音にもとづく名稱にすべきと主張する専門家もいる。

先の北京冬季五輪大會で金メダルなどを複數(shù)獲得した谷愛凌選手が、試合の前後に包子(バオズ、中國式小型肉まん)や北京ダック、さらには韭菜盒子(ジウツァイ?ホーズ、ニラ入りお焼き)を食べる姿が國外でも紹介されたことが、中國の食文化を大きくアピールしたとされる。

彼女は、北京冬季五輪で著用したスポーツウェアやスノーボード、ヘルメットに、自分がデザインした竜の姿をあしらった。このことは、世界に向けて中國の竜文化を発信する大きなPR効果があったと考える。谷選手は、竜のデザインを単獨(dú)で扱ったのではなく、中國のシンボルカラーの赤色や伝統(tǒng)的な「吉祥の雲(yún)」のデザインを示し、さらに「人々の中の竜」を意味する英語も表示した。彼女には、世界の人に中國文化を見てもらい、理解してほしいという気持ちがあったという。

中國にはまだ、文化の違いにより誤解されている部分がある。例えば中國の竜文化を全く知らない西洋人は、「中國人は邪悪な存在を崇拝しているのか」と思ってしまうかもしれない。谷選手のように、竜文化を含めて中國文化を國外に伝える努力をする人が増えれば、世界は中國をより客観的に評価するようになると考える。(構(gòu)成 / 如月隼人

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