高野悠介 2022年4月25日(月) 20時50分
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今後、中國小売業(yè)はどのように展開していくのだろうか。アリババを中心に展望してみよう。
ここ數(shù)年、中國の小売業(yè)界には、新零售(ニューリテール)、ライブコマース、社交電商などの言葉が飛び交った。新零售はオンラインとオフラインを融合させ、即配により、どこでも同じサービスの提供を目標(biāo)とする。ライブコマースもアリババの生んだカリスマライバーの登場により、一大産業(yè)へ発展した。いずれも2016年、アリババの主導(dǎo)でスタートした。しかし、社交電商では出遅れ、苦戦している。今後、中國小売業(yè)はどのように展開していくのだろうか。アリババを中心に展望してみよう。
■盒馬鮮生…新零售の象徴
新零售の象徴は、アリババの新型スーパー「盒馬鮮生」だ。2016年1月、上海に1號店?金橋店をオープンした。印象は大型の食品スーパーである。普通のスーパーとの違いは、天井に備えたハンガーシステムだ。これはアプリの注文を店員がピックアップし、配送場へ送るためにある。そして指定地域內(nèi)なら30分で配達(dá)する。
2017年以降、急速出店を進(jìn)め、現(xiàn)在では上海73店舗、北京40店舗、深セン24店舗、武漢23店舗、南京23店舗、成都21店舗、杭州20店舗、西安16店舗、広州13店舗、重慶10店舗、長沙8店舗、蘇州7店舗、青島7店舗、昆明7店舗、寧波5店舗、貴陽5店舗など、計326店舗を展開している。店舗タイプも分化した。
盒馬X會員店、1萬6000~1萬8000平米
盒馬鮮生店、2500~5000平米
盒馬mini、500~1000平米
盒馬生鮮奧萊、200~500平米
ところが最近は、成長に陰りが見える。そのため不採算の盒馬鮮生店を閉鎖し、小型店に置き換える方向だ。最小の盒馬生鮮奧萊は、廃棄になりような品を特価で“処理”する役割だ。盒馬の名を冠した業(yè)態(tài)にはあと2つ、「盒馬集市」「盒馬隣里」がある。
■社交電商と社區(qū)団購…アリババは出遅れ
小売業(yè)のもう1つの大きな潮流が社交電商だ。その代表は「拼多多」で、アリババと関わりはない。拼多多は2015年に事業(yè)をスタート、わずか3年後に米ナスダック市場へ上場という大躍進(jìn)を遂げた。成功の要因はSNSにあった。國民的SNS?微信を最大限に利用し、顧客が自らのコミュニティーへ販促する精緻なシステムだ。各商品とも募集數(shù)に達(dá)しなければ取引は成立しない。そのため友人を誘うのだ。またサプライヤーにとっては、売れ殘りリスクがなく、安値をオファーできる。決済は微信支付をタップするだけでよい。低価格の魅力で、地方都市のネット通販初心者を開拓した。
これを地域コミュニティーに限定したのが社區(qū)団購だ。グループリーダーの団長がコミュニティーメンバーに商品をオファーする。取引が成立すれば、メンバーは地域のステーションで商品を受け取る。予約販売のため、新零售のようなスピード感はないが、安い。2019年の市場規(guī)模は340億元、翌2020年にはコロナ禍も追い風(fēng)となり750億元と、2倍以上となった。IT大手も大挙して參入し、有力な団長の奪い合いとなった。
アリババも急いで対応した。拼多多に対しては、休止?fàn)顟B(tài)だった「聚劃算」というサイトを復(fù)活させ、社區(qū)団購では「淘菜菜」「盒馬隣里」を投入した。
■社區(qū)団購…淘菜菜と盒馬隣里
淘菜菜…2021年3月、社區(qū)電商事業(yè)部を設(shè)立、零售通(パパママストアのデジタル化を推進(jìn))と盒馬集市(盒馬鮮生の末端をカバーした)を統(tǒng)合し、社區(qū)団購の新ブランド「淘寶買菜」とした。同年9月、長沙市に60平米の「淘菜菜小店」をオープン。商品受け取り、生鮮店、日用品店、ライブコマーススタジオ、充電ステーション、宅配ステーション、公益コーナー、シェアキッチン、花屋などを兼ねている。
盒馬隣里…當(dāng)日注文、翌日受け取り。社區(qū)団購に似ているが、団長は存在せず、バックボーンはアリババグループのビッグデータと販売ノウハウだ。盒馬鮮生店の補完をしつつ、コミュニティーの1日3食の需要を賄う。上海、北京、広州、武漢、西安など10都市、400店舗を展開した。
■盒馬隣里…展開都市縮小
4月上旬、その盒馬隣里が事業(yè)の縮小を発表した。昨年10月、10都市から7都市へ展開都市を縮小したのに続き、さらに4都市でサービスを停止した。
1カ月前の3月上旬、盒馬隣里は宅配サービスを始めた。盒馬の遺伝子のなせる業(yè)だったかもしれない。しかし、これが裏目となり、逆に注文が2~4割減ってしまった。店員は1人しかおらず、配達(dá)に出ると、店番はいなくなる。すると受け取りステーションとして機能しない。二兎を追う者は一兎をも得ずを地で行ってしまった。
おりしも社區(qū)団購は、淘汰、再編期に入っている。2021年7月、大手の一角「同程生活」が破産。2022年3月、もう一つの大手「十薈団」が活動を停止。十薈団には、アリババが出資していた。アリババは、社交電商になると、急にうまくいかなくなる。2016年、新零售をうたいあげた時のような颯爽とした姿はここにはない。
盒馬鮮生も赤字解消が待ったなしとなっている。苦戦の根本的原因は、アリババの持つデータテクノロジーと、生鮮食品のサプライチェーンがアジャストできないことにある。
2020年4月現(xiàn)在、上海ではロックダウンにより、社區(qū)団購にZ世代の新しい団長が続々登場している。彼らは不意に訪れた食料危機を自らの手で打開しよういうのだ。積極的に社會問題に関與しようとする彼らの行動は、中國小売業(yè)に新しい局面を開きそうだ。それはアリババ主導(dǎo)時代の終わりとなるかもしれない。
■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王國上海」東京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。
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