プーチン、金正恩両政権が急接近=ウクライナ戦爭で軍事協(xié)力説も―経済制裁受け「利害」一致?。?

山崎真二    2022年4月22日(金) 6時(shí)50分

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ウクライナ戦爭を契機(jī)にロシアのプーチン政権と北朝鮮の金正恩政権が急接近しているとの情報(bào)が流れている。

ウクライナ戦爭を契機(jī)にロシアプーチン政権と北朝鮮金正恩政権が急接近しているとの情報(bào)が流れている。軍事協(xié)力説も取り沙汰されるなど、雙方の連攜が一層進(jìn)展するなら同戦爭に與える影響も無視できないだろう。

◆ロシア國防相が北朝鮮に支援要請か

両政権急接近説のきっかけは、ウクライナのテレビ局が今月初め、ロシアのショイグ國防相が3月に中國と北朝鮮を訪れ、武器支援を要請したと報(bào)じたことだ。同テレビはイスラエルに亡命しているロシア石油企業(yè)大手「ユコス」の元最高経営責(zé)任者(CEO)レオニード?ネブズリン氏の話として伝えた。中國は支援を斷ったが、北朝鮮は同意したという。

この情報(bào)はすぐに中央日報(bào)はじめ韓國各紙や一部歐米メディアで紹介されたが、公には確認(rèn)されてはいない。ショイグ國防相の中朝訪問が行われたとしても、「當(dāng)然、秘密訪問であり、公の報(bào)道はあり得ない」(韓國有力紙記者)との見方がある一方、ネタ元とされるネブズリン氏が反プーチン派なのにどのようにしてロシアの政権中樞の動(dòng)きを入手したのか、情報(bào)の信ぴょう性を疑問視する向きもある。ただ、筆者が取材した複數(shù)のロシア問題専門家は「ウクライナ戦爭でロシア軍は弾薬やミサイルを消耗しているとの有力情報(bào)があるので、舊ソ連製由來の武器を大量に持つ北朝鮮に支援を求めることは十分考えられる」と口を揃える。

◆陸路の露朝貿(mào)易再開情報(bào)も

両政権の急接近に関する情報(bào)は他にもある。一例を挙げれば、北朝鮮情報(bào)専門の獨(dú)立系ニュースサイト「NK News」は、ロシアや中國との國境付近に位置する北朝鮮の豆満江駅で、昨年暮れから中斷されていた貨物列車関連施設(shè)の工事が3月下旬から再開されたと報(bào)じた。これは、ロシアからの貨物輸入を再開するためとみられるという。陸路による露朝貿(mào)易は過去2年間中斷されており、豆満江駅の工事再開はこの種の貿(mào)易が再び始まることを示す、と「NK News」は指摘している。

ソウルの北朝鮮問題専門家は「プーチン政権が歐米各國の経済制裁を受ける一方、北朝鮮も國連制裁で経済苦境にあえいでおり、雙方にとって陸路の貿(mào)易再開は死活的利益につながる」と分析する。さらに、故金日成主席生誕110年記念日(4月15日)を祝う集會(huì)がモスクワで開かれ、ロシア高官が出席したとのニュースもごく最近伝えられている。

◆北朝鮮はロシアに“借り”を返す?

ロシアと北朝鮮が伝統(tǒng)的に友好関係にあるのは確かだが、プーチン大統(tǒng)領(lǐng)は金正恩書記とは必ずしも親密なつながりを持っていたわけではない。2015年5月モスクワで第2次世界大戦終結(jié)70周年記念式典が開催された際、金正恩氏はプーチン大統(tǒng)領(lǐng)から招待狀を受け取っていたにもかかわらず、欠席した。また、2018年9月にロシア極東のウラジオストクで開かれた「東方経済フォーラム」でも金正恩氏はプーチン大統(tǒng)領(lǐng)の招待に応じなかった。こうした経緯もありプーチン大統(tǒng)領(lǐng)が金正恩氏に好意を抱いてないとの見方が広がったのは當(dāng)然だろう。

2019年4月ウラジオストクでようやく、プーチン大統(tǒng)領(lǐng)と金正恩朝鮮労働黨委員長(當(dāng)時(shí)の肩書)による首脳會(huì)談が実現(xiàn)したが、ロシア側(cè)は金正恩氏の歓迎式典を迎賓施設(shè)ではなく、ウラジオストク駅前の広場で行うなど、両首脳の関係がそれほど親密ではないことをうかがわせた。

だが、ここにきてプーチン政権と金正恩政権の接近をめぐる情報(bào)が流れる背景にはウクライナ戦爭の影響があることは疑いない。朝鮮戦爭で舊ソ連が北朝鮮を軍事面で支援したことやロシアが北朝鮮の舊ソ連時(shí)代の巨額債務(wù)を100億ドルも免除したことなどから、北朝鮮はロシアに“大きな借り”があるので、金正恩政権がプーチン政権の軍事支援要請に応じても不思議ではないと、多くの北朝鮮問題専門家が指摘しているのはその通りだろう。

北朝鮮としても、今、恩返ししておけば、引き続き國際政治面でロシアの後ろ盾を得ることができるとの思惑があるかもしれない。一方、歐米のメディアの間では「プーチン大統(tǒng)領(lǐng)が北朝鮮に対し過去の“貸し”を理由に軍事支援を要求している」(米有力シンクタンクのロシア専門家)といった見方も出ている。こうしてみると、ウクライナ戦爭でロシア軍が北朝鮮の軍事支援を得て戦うという事態(tài)も全くあり得ないわけではないとみた方がよさそうだ。

■筆者プロフィール:山崎真二

山形大客員教授(元教授)、時(shí)事総合研究所客員研究員、元時(shí)事通信社外信部長、リマ(ペルー)特派員、ニューデリー支局長、ニューヨーク支局長。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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