中國(guó)の名門(mén)大學(xué)として知られる清華大學(xué)には、蘇世民書(shū)院（シュワルツマン?スカラーズ）という機(jī)構(gòu)が付設(shè)されている。米國(guó)に本拠を置く大手投資ファンドのブラックストーン?グループを創(chuàng)立した同グループ最高経営責(zé)任者のスティーブン?シュワルツマン氏（中國(guó)語(yǔ)名は蘇世民）の資金提供で設(shè)立された「未來(lái)の世界的指導(dǎo)者」を育成することを目的とする教育機(jī)関だ。同書(shū)院の院長(zhǎng)を務(wù)める薛瀾教授はこのほど、中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材を受け、「中國(guó)の特色ある経済統(tǒng)治」について解説した。以下は薛教授の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

■「経済統(tǒng)治」とは、政府が市場(chǎng)の機(jī)能を維持する役割りを果たすこと

國(guó)家にとって政府とは「形のある手」で、市場(chǎng)は「形のない手」と言える。経済統(tǒng)治とは、この両者を有機(jī)的に結(jié)びつけて、経済システムをよりよく機(jī)能させることだ。

これまでの経済の歴史を振り返れば、市場(chǎng)が機(jī)能不全になった場(chǎng)合、政府は力を発揮すべきであることが分かる。

市場(chǎng)の機(jī)能不全にはさまざまなタイプがある。例えば自然発生する可能性がある獨(dú)占だ。獨(dú)占がいったん発生すれば競(jìng)爭(zhēng)原理が働くなり、市場(chǎng)は機(jī)能不全に陥る。従って、政府は獨(dú)占の問(wèn)題を回避する規(guī)則あるいは規(guī)制を設(shè)けねばならない。さらに、情報(bào)の非対稱(chēng)、公共財(cái)の提供、経済外の要因によるものなど、市場(chǎng)の機(jī)能が失われる原因はさまざまだ。

市場(chǎng)の機(jī)能が失われれば、経済資源を有効に配置できなくなる。つまり経済は停滯したり衰退したりする。政府は公然たる手段を用いて市場(chǎng)の機(jī)能不全を回避あるいは解決せねばならない。

■中國(guó)はモデルチェンジを続けている、新たな問(wèn)題に直面するのは必然

市場(chǎng)経済國(guó)はすべて、この考えに基づいて経済政策を?qū)g施している。中國(guó)の場(chǎng)合に特殊なのは、中國(guó)は発展モデルを転換し続けてきた國(guó)であることだ。そして中國(guó)は今も発展モデルを転換しつつある。モデル転換の過(guò)程においては、多くの新しい問(wèn)題に直面することになる。

例えば、改革開(kāi)放の過(guò)程で財(cái)産権がはっきりしない問(wèn)題が発生した。市場(chǎng)主體の経済運(yùn)営が発育不全である分野もある。制度の體系は今も構(gòu)築中だ。政府は計(jì)畫(huà)経済から市場(chǎng)経済への移行を、今後も積極的に推進(jìn)せねばならない。

中國(guó)が社會(huì)主義市場(chǎng)経済システムを構(gòu)築するには、市場(chǎng)の制度を確立しつつ、一方では市場(chǎng)の機(jī)能不全を防止あるいは解消せねばならない。これが「改革」ということの本質(zhì)だ。

中國(guó)の発展の過(guò)程を理解していない一部の西側(cè)の人は、中國(guó)の経済體制は國(guó)家が過(guò)度に介入するものと見(jiàn)なしている。中國(guó)政府は他國(guó)と比べて経済分野でより多くのことをしているように見(jiàn)えるが、これはモデル転換のために客観的に見(jiàn)て必要なことだ。そして、中國(guó)政府は実際には、多くの改革を推進(jìn)している。

中國(guó)政府も過(guò)去數(shù)年にわたり、行政の簡(jiǎn)素化や権限移譲などで努力してきた。また「政府の不要な介入を可能な限り減らしたい」と言ってきた。

一部の地方政府に、経済に干渉しすぎる問(wèn)題が存在しているのは事実だ。従って、改革をさらに推進(jìn)し、中國(guó)の経済発展モデルが合理的であることを、事実によって証明せねばならない。

■市場(chǎng)に行政による監(jiān)督管理は必要、ただし過(guò)剰であってはならない

市場(chǎng)で行われることは、経済的主體による自由意思による取引だ。しかし、いかなる取引も無(wú)條件で認(rèn)められるというわけでない。例えば、いかに安価であっても、明らかに問(wèn)題がある商品を仕入れ、それを他者に売るといった行為は認(rèn)められない。最終的に消費(fèi)者あるいはエンドユーザーが不良品をつかまされてしまうからだ。そのような取引は社會(huì)にとって有害であり、規(guī)制や禁止の対象になるのは當(dāng)然だ。

それ以外にも、先に述べた獨(dú)占や有価証券についてのインサイダー取引の禁止など、市場(chǎng)や経済の健全さを維持するためには、行政による監(jiān)督管理がどうしても必要だ。

しかしその一方で、行政による監(jiān)督管理が過(guò)剰だと市場(chǎng)の機(jī)能が損なわれる。中國(guó)にとっては、この管理監(jiān)督システムをいかに整備していくかが課題だ。また、マクロコントロールを通じて経済の安定した発展を維持する手法についても、まだ改善の余地がある。政府はこれらの分野で努力せねばならない。しかし中國(guó)は実際には、革新的な手法を多く編み出してきた。中國(guó)はそれらの経験を総括して、全世界と共有することができる。

もちろん、他國(guó)に対して「中國(guó)の経験を必ず受け入れるべきだ」ということではない。どの國(guó)も、自國(guó)の実情に基づいて、中國(guó)のどの経験が適用できて、どの経験は必ずしも適用できないかを、見(jiàn)極めねばならない。肝要なことは、どの國(guó)も獨(dú)立自主の態(tài)度で、中國(guó)を含め、さまざまな他國(guó)の経験を知り、自國(guó)の立場(chǎng)でその評(píng)価をすることだ。これこそが、國(guó)々が真に學(xué)び合い、交流することだ。（構(gòu)成 / 如月隼人）