Record China 2022年5月16日(月) 12時(shí)0分
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ファーウェイが手掛けるハーモニーOSは「アンドロイド?iOSとの対決」などの切り口で語(yǔ)られることが多い。しかしハーモニーOSは従來(lái)のスマートフォン用OSと開(kāi)発に當(dāng)たっての主たる目的が違っていた。
華為技術(shù)(ファーウェイ)が手掛ける鴻蒙操作系統(tǒng)(ハーモニーOS)については、「アンドロイド?iOSとの対決」などの切り口で語(yǔ)られることが多い。しかしハーモニーOSはもともと、それまでのスマートフォン用OSと開(kāi)発に當(dāng)たっての主たる目的が違っていた。
■「第2のiOS、第2のアンドロイドでは意味がない」の考え方
ファーウェイが獨(dú)自O(shè)Sの開(kāi)発に著手したのは2012年ごろとされる?!弗烯`モニーOS」として本格的な開(kāi)発を始めたのは16年5月だった。ファーウェイはその時(shí)點(diǎn)で、「もう1つのアンドロイドやiOSを作るつもりはない。それには価値はない」との意識(shí)を明確に持っていた。
ファーウェイはかなり早い時(shí)期から「ポスト?スマホ」の戦略を明確にしていたとされる。それは「デジタル技術(shù)によりすべてを結(jié)び付ける」ことであり、より具體的に言えばIoT(モノのインターネット)や高度なコンピューティングなどで、あらゆるものが高度に効率化され、さらに人々の安全や快適さが実現(xiàn)する社會(huì)だ。別の言い方をすれば、スマートフォンのように情報(bào)の授受に特化された機(jī)器に過(guò)度に依存するのではなく、あらゆるモノが情報(bào)ネットに組み込まれた社會(huì)だ。
「ハーモニー OS」は、あらゆるハードウエアデバイスの搭載システムの問(wèn)題が解決でき、「ハードが違うとシステムも違う」?fàn)顩rに別れを告げることができることも目指して開(kāi)発された、つまりハーモニーOSを搭載すれば、ハードやシステムごとに異なるアプリが必要という問(wèn)題が解決され、開(kāi)発作業(yè)が効率化されることになる。
■「アンドロイドを代替できるOS」のイメージが一人歩き
ファーウェイの経営陣の一員として現(xiàn)在は端末事業(yè)の最高責(zé)任者(CEO)などを務(wù)める余承東氏は、米國(guó)が中國(guó)への対抗策の一環(huán)としてファーウェイに制裁を科す約2カ月前に「獨(dú)自O(shè)Sを準(zhǔn)備している。アンドロイドを使えなくなった場(chǎng)合、それに代わるプランBはすでにある」と発言した。
この発言が注目されて「ファーウェイは獨(dú)自O(shè)Sで米國(guó)による制裁に対抗」との見(jiàn)方が強(qiáng)まったのだが、時(shí)系列を考えれば少々おかしいことになる。
まず米國(guó)でトランプ政権が発足したのは17年だ。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は15年の出馬記者會(huì)見(jiàn)で対中貿(mào)易問(wèn)題について言及したが、中國(guó)や中國(guó)當(dāng)局を敵視して強(qiáng)硬策に踏み切る考えを示す表現(xiàn)はなかった。トランプ政権が発足してからも米中は協(xié)議を繰り返し、雙方の対立は解消可能であるとみられていた。米國(guó)が19年5月に、ファーウェイを含む複數(shù)の中國(guó)企業(yè)との取引を禁止した時(shí)には、むしろ「そこまでやるか」との衝撃が強(qiáng)かった。
しかし、ファーウェイが獨(dú)自O(shè)Sの開(kāi)発に著手したのは12年で、遅くとも16年には「既存のOSとは本質(zhì)的に異なるOSを開(kāi)発」との意識(shí)が明確だった。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)によるエンティティーリスト(取引禁止リスト)の発表よりしばらく前に「危険な兆候」をつかんでいたとしても、ハーモニーOSの開(kāi)発當(dāng)初から、「アンドロイドに代わるプランBの入手」が主たる目的だったとは考えにくい。
■他者との協(xié)力?提攜と、積極的な獨(dú)自開(kāi)発を平行させる企業(yè)體質(zhì)
さらに、ファーウェイの「社風(fēng)」の影響もある。ファーウェイは研究開(kāi)発に極めて熱心な會(huì)社として知られるが、「何が何でも獨(dú)自路線」を目指しているわけではない。むしろ、「他者が開(kāi)発したよいものを取り入れる」ことに積極的だ。その上で、「目標(biāo)実現(xiàn)のために必要な“道具”が入手できない」?fàn)顩rが発生すれば、「自主開(kāi)発の資金には糸目をつけない」というやり方を貫いてきた?!改繕?biāo)ありき」を出発點(diǎn)として、その実現(xiàn)のために最も合理的な道筋を追求してきたとも言える。
すでにアンドロイドやiOSという全世界的に主流のOSが存在するならば、「そのOSでは達(dá)成できない目標(biāo)がある」と認(rèn)識(shí)しないかぎり、ファーウェイが獨(dú)自のOSの開(kāi)発に乗り出したとは考えにくい。つまりハーモニーOSは當(dāng)初から、米國(guó)による圧力から自らを「守る」ことよりも、新たな目標(biāo)を?qū)g現(xiàn)するための「攻め」の発想が強(qiáng)くあったと考える方が自然だ。
■炭坑用ハーモニーOSは、今後の利用法のひな型か
ハーモニーOS 1.0の発表は19年、ハーモニーOS 2.0の発表は20年だった。そして21年9月には、中國(guó)國(guó)家能源集団と共同で開(kāi)発された鉱山用システムの、ハーモニーOS?フォー?マイニング(以下、ハーモニーOSFM)が発表された。
このハーモニーOSFMは、ハーモニーOS開(kāi)発の當(dāng)初目的にまさに合致したOSと言える。ファーウェイは21年10月に、炭鉱事業(yè)など5事業(yè)を扱う部門(mén)を「軍団」という組織に改編した?!杠妵狻工趣い盲皮廛娛陇乳v係するわけではなく、事業(yè)に伴うニーズの研究から研究開(kāi)発、販売、維持補(bǔ)修などの全てを、軍部隊(duì)のように「自己完結(jié)型」で遂行できる組織ということだ。
炭鉱事業(yè)を重視したのは、坑內(nèi)作業(yè)の少人數(shù)化や無(wú)人化によって炭鉱労働者を過(guò)酷で危険な労働環(huán)境から解放し、同時(shí)に高効率化することが、ファーウェイが目標(biāo)とする「次の社會(huì)像」に合致するからであり、システムを?qū)g用化すれば炭鉱以外の鉱業(yè)分野への応用や、中國(guó)國(guó)外の鉱業(yè)企業(yè)への売り込みも見(jiàn)込めるとの考えがあった。その目標(biāo)のために、ハーモニーOSが利用できたということだ。
ファーウェイはそれ以降もハーモニーOSの改良を進(jìn)めており、7月にはハーモニーOS 3.0を搭載した初のスマートフォンであるMate50を発表する予定だ。しかしハーモニーOS 3.0の主たる改良點(diǎn)としては「ハードウェアとソフトウェアの連結(jié)最適化」「ファイル?システムの垂直方向の高速化」「高性能IPCの実現(xiàn)(プロセス間通信)」が挙げられている。
IPCとは、産業(yè)の現(xiàn)場(chǎng)で用いられるパソコンであり、データ収集や制御、さらに「見(jiàn)える化」で威力を発揮する。産業(yè)の現(xiàn)場(chǎng)で制御用に用いられてきたプログラマブルロジックコントローラ(PLC)よりも、「ソフトウェアの幅広い利用で柔軟な対応が可能になる」「現(xiàn)場(chǎng)からのデータをリアルタイムで分析しながら最適な処理をする」などが実現(xiàn)するという。これらにより、ハーモニーOS 3.0は産業(yè)用やIoTを強(qiáng)く意識(shí)したOSであることは間違いない。
■海外市場(chǎng)のスマホに搭載は困難、しかしIoT用なら可能性あり
市場(chǎng)分析會(huì)社のストラテジー?アナリティクスによると、スマートフォンプラットフォームとしてハーモニーOSの中國(guó)における市場(chǎng)シェアは21年1-3月期には0%だったが、22年同期は4%に成長(zhǎng)した。同社は少なくとも23年まではシェア拡大が続くとの見(jiàn)方を示し、一方ではハーモニーOSが歐米や新興國(guó)市場(chǎng)で広く受け入れられることは難しいと指摘した。
ハーモニーOSの中國(guó)國(guó)外での浸透が難しい大きな理由としては、グーグルモバイルサービス(GMS)が利用できないことなどが挙げられている。中國(guó)國(guó)內(nèi)ではグーグルによる各種サービスが利用できず、百度など中國(guó)企業(yè)が同様のサービスを提供している。従ってGMSの利用の可否は中國(guó)國(guó)內(nèi)のユーザーにとっては、「無(wú)用の機(jī)能」だ。しかし中國(guó)國(guó)外のユーザーにとってはGMSが使えなければ、「実用性に大いに欠ける」ことになってしまう。
確かに、現(xiàn)狀ではハーモニーOSが中國(guó)國(guó)外で一定以上のシェアを獲得することは考えにくい。パキスタンやロシアのような中國(guó)と関係が良好な國(guó)であれば、スマートフォン用OSとしてハーモニーOSを受け入れることに障壁はないだろうが、GMSが利用できないので、消費(fèi)者が受け入れるかどうかは大いに疑問(wèn)だ。
しかしIoTあるいは産業(yè)用に特化した機(jī)器ならば、GMSを必要としない場(chǎng)合も多い。ハーモニーOSにアンドロイドなどでは実現(xiàn)できない機(jī)能があれば、「ハーモニーOSしか選択肢はない」という狀況が出現(xiàn)する可能性はある。
なお、ルイ?ヴィトンが1月に発売したスマートウオッチは、iOSとアンドロイドに加えて、ハーモニーOSにも対応している。同製品は日本での販売価格が約43萬(wàn)円の「高級(jí)ブランド商品」だが、中國(guó)での需要も大いにあると判斷した上での、ハーモニーOSへの対応と考えられる。外國(guó)製品が中國(guó)市場(chǎng)を重視する戦略を立案するならば、ハーモニーOSを無(wú)視できない狀況になりつつあるとも考えられる。(構(gòu)成 /如月隼人)
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