<資本主義の未來(lái)>米國(guó)型「能力資本主義」と中國(guó)型「政治的資本主義」に変異=共通の難題に直面

八牧浩行    2022年6月2日(木) 7時(shí)30分

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『経済思想』『自由と秩序』ほか多くの著書で経済學(xué)と社會(huì)の在り方について、鋭く分析している豬木武徳大阪大學(xué)名譽(yù)教授が5月31日、日本記者クラブで「資本主義の未來(lái)を考える」と題して記念講演した。

『経済思想』『自由と秩序』ほか多くの著書で経済學(xué)と社會(huì)の在り方について、鋭く分析している豬木武徳大阪大學(xué)名譽(yù)教授が5月31日、日本記者クラブで「資本主義の未來(lái)を考える」と題して記念講演した?!纲Y本主義は世界で様々な課題に直面しているが、現(xiàn)狀と將來(lái)を論じる興味深い著作が出版されている」と指摘。ブランコ?ミラノヴィッチ著『資本主義だけ殘った=世界を制するシステムの未來(lái)』と梶谷懐、高口康太著『幸せな監(jiān)視國(guó)家?中國(guó)』を推奨した。

◆米中はともに「資本主義」―勝つのはどちら?

豬木武徳氏の講演要旨は次の通り。

世界銀行調(diào)査部の主任エコノ ミストを20年間務(wù)めたミラノヴィッチは、優(yōu)れた経済學(xué)者である。ベストセラーになった『21世紀(jì)の資本』(トム?ピケティ著=(2014年刊))の批評(píng)や解説は秀逸である。

ミラノヴィッチは同著の中で、現(xiàn)在の経済について、基本的に(1)利潤(rùn)の追求、(2)株主、社員、住民などステークホルダーの重視、(3)労働市場(chǎng)を介した雇用者関係、(4)主要生産手段が私的に所有されている、(5)意思決定が中央からの指令ではなく分散されている――などと指摘している。

現(xiàn)代の資本主義は米國(guó)型「リベラル能力主義」と中國(guó)型「政治的資本主義」との、二つに分類されるが、基本的に同じ資本主義である。

ミラノヴィッチはグローバル化した資本主義が、格差を拡大させるメカニズムであることを豊富な実例や統(tǒng)計(jì)に基づいて示している。同時(shí)に、「資本主義対社會(huì)主義」というイデオロギー対立が消滅し、米國(guó)が導(dǎo)く「リベラル能力資本主義」と、中國(guó)に代表される「政治的資本主義」の二つの資本主義に「変異」した。

米國(guó)では、貧富の格差が拡大した結(jié)果、社會(huì)病理現(xiàn)象が顕著で、低學(xué)歴の白人は黒人で高學(xué)歴の黒人より壽命が短い。自殺者、アルコール性肝炎や薬物過(guò)剰摂取による死者も増加しており、従來(lái)の共和黨支持者層や民主黨支持層が崩壊している。

國(guó)家社會(huì)主義を標(biāo)榜する中國(guó)も、米國(guó)などと同様、グローバル化した資本主義の利點(diǎn)と弊害を體現(xiàn)している。習(xí)近平主席は「汚職追放」や「共同富?!工蛲七M(jìn)。所得格差など急速な経済発展のもとで後回しにされてきた公平性を追求せざるを得なくなっている。

第二次世界大戦後に先進(jìn)各國(guó)では、(1)交渉力の強(qiáng)い労働組合、(2)累進(jìn)性の高い稅負(fù)擔(dān)、(3)政府による大規(guī)模な所得移転―など修正資本主義的な政策が採(cǎi)用され、所得と不平等の縮小に繋がったが、グローバル化とともに機(jī)能しなくなり、格差が急拡大し、富裕層が富を獨(dú)占し、中間層が沒落した。この見方は、冷戦終結(jié)後の世界各國(guó)で資本への分配率が次第に上昇し、並行して所得格差が拡大した実態(tài)を明らかにしたトマ?ピケティの『21世紀(jì)の資本』とも共通する。

『資本主義だけ殘った=世界を制するシステムの未來(lái)』(みすず書房)は二つの資本主義がはらむ、不平等の拡大と腐敗の進(jìn)行という病弊の根本原因を分析。未來(lái)の姿を考察している。

◆『幸せな監(jiān)視國(guó)家?中國(guó)』は実像に迫る力作

習(xí)近平體制下で、監(jiān)視による統(tǒng)治が進(jìn)む「監(jiān)視國(guó)家?中國(guó)」について実態(tài)を記した『幸せな監(jiān)視國(guó)家?中國(guó)』(NHK出版新書)も、中國(guó)の実像に迫る著作である。同書は「市民的公共性」の脅威となるはずの「監(jiān)視社會(huì)」が、「より安全で快適な社會(huì)に住みたい」という市民自らの欲求によって支えられている。功利主義に視點(diǎn)を置き監(jiān)視社會(huì)の有用性を強(qiáng)調(diào)しているのは新たな視點(diǎn)である。かつてのソ連や東ドイツで実施された「人による相互監(jiān)視」と全く異なり、AI関連技術(shù)の発展が情報(bào)の平等性に繋がっている。

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見解であり、RecordChinaの立場(chǎng)を代表するものではありません。

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