教材に“不倶戴天の敵”の演説を「愛國話」として掲載、出版社に非難集中―中國

Record China    2022年6月19日(日) 19時50分

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出版社が國語教材にマッカーサーの「愛國演説」を掲載していたことが問題視されている。中國でマッカーサーは「侵略戦爭であり數(shù)多くの中國人將兵を殺した朝鮮戦爭の指導(dǎo)者」とされている。

江蘇省教育出版社は15日付で、高校生向け國語教材に掲載していた文章について、「文章選択の問題について心からお詫びいたします」などとする謝罪文を発表した。教材は米國の軍人だったダグラス?マッカーサーの演説原稿を「愛國を深く考える」の章に掲載していた。

ダグラス?マッカーサー(1880-1964年)は米國陸軍元帥などを務(wù)めた軍人だ。第二次世界大戦時には太平洋戦域の責(zé)任者になり、日本が降伏した後には日本占領(lǐng)政策を遂行するための連合國最高司令官になった。當(dāng)時は中華民國が連合國の一員であり、アジア戦線で日本と戦ったのは中華民國軍(國民軍)だったが、中華人民共和國も第二次世界大戦で米中は友軍だったとしており、マッカーサーの第二次世界大戦中の行為が問題にされることはない。

問題はマッカーサーが朝鮮戦爭において、米軍を主力とする國連軍の司令官を務(wù)めたことだ。朝鮮戦爭は勃発當(dāng)初から、韓國を含む西側(cè)諸國は「北側(cè)が発動した朝鮮半島武力統(tǒng)一の試み」としており、北朝鮮及び中國やソ連など東側(cè)諸國は「韓國が戦端を開いた北側(cè)に対する侵略戦爭」と主張してきた。しかしソ連が崩壊して當(dāng)時の機密文書が閲覧可能になったことで、ロシアでは「朝鮮戦爭は南側(cè)の侵略戦爭」という主張が聞こえなくなった。しかし現(xiàn)在も中國では「朝鮮戦爭は米國などによる侵略戦爭」とされている。

朝鮮戦爭には中國も「中國人民志願軍」の名義で人民解放軍を派兵しており、10萬人以上が戦死したとされる。つまり、中國人の考えでは、マッカーサーは「西側(cè)による侵略戦爭である朝鮮戦爭を指導(dǎo)し、極めて多くの中國の將兵を殺した人物」、すなわち“不倶戴天の敵”ということになる。

江蘇省教育出版社の國語教材には、「責(zé)任-栄譽-國家」と題するマッカーサーの演説原稿が掲載されていた。同文章は「米國軍人の道徳基準」を絶賛し、米兵は「世界で最も崇高な人物」「國際対立の渦中で救いをもたらす存在」などと記述していた。

同教材は2020年度末を持って絶版となり、すでに出回っていないが、最近になり同文章を掲載したことに対する批判が発生した。ネットには「米覇権主義が、ありとあらゆる方法でわれわれを叩き圧迫していた時期に、中國人民志願軍の最大の敵であったマッカーサーの言葉を教材に“お招き”した。何を考えているのだ?」などの投稿が寄せられた。問題視された教材は、國が検定する國語教材でも、省政府が審査した上で選定する推薦教材でもなく、出版社が獨自に制作して市場に流通させる教材だったという。

江蘇省教育出版社は、「問題の深刻さを十分に認識しております。文章選択の問題について心からお詫びいたします。われわれは深く反省し、教訓(xùn)を汲み取ります。細かな部分から始めて、全面的に自主検査をいたします。責(zé)任を厳格に追及し、類似した問題の再発を厳格に防止します」と謝罪した。(翻訳?編集/如月隼人

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