KDDIが2日未明に発生させた通信障害は、復(fù)舊するまでに3日間もかかった。総務(wù)省は同障害を「重大な事故」と位置づけた。直接の原因とは言えないだろうが、事故の背後には日本社會(huì)が抱えてしまった市場(chǎng)原理とは逆行する動(dòng)きが存在するのではないか。思い起こせば2018年にはソフトバンクが、2021年にはNTTドコモが障害を発生させた。通信キャリア主要3社がいずれも大規(guī)模なトラブルを出してしまったということは、個(gè)別の問題というだけでなく、通信業(yè)界全體を覆う構(gòu)造的な問題が存在すると考えた方が自然ではないのか。

■事態(tài)の概要、原因不明の不具合引き金に連鎖反応的に事態(tài)拡大と判明

2日に発生した障害の概略はこうだ。KDDIは2日未明に、中継機(jī)器の一つであるコアルーターの一つを、舊製品から新製品に切り替えた。コアルーターの交換はしばしば行われる日常的業(yè)務(wù)という。ところが新しいコアルーターで、音聲トラフィックの一部が不通になった。本稿執(zhí)筆時(shí)點(diǎn)で、この音聲トラフィックの不具合の原因などは発表されていない。

KDDIスタッフはただちに音聲トラフィックを元の狀態(tài)に戻す作業(yè)を行った。ところが、攜帯端末については50分に1度は位置登録を行う。そのため、音聲トラフィックを戻す作業(yè)に関連して、多數(shù)の端末からの「再接続要求」が発生した。その結(jié)果、情報(bào)が集中する「輻輳（ふくそう）」という狀態(tài)が発生して機(jī)器が対応不能な狀態(tài)に陥り、この「輻輳」が次々に拡大していった。

KDDIの事故では、単に攜帯電話の利用ができなくなっただけでなく、KDDIの回線を使っていた金融や物流分野でも業(yè)務(wù)に大きな支障が出た。つまり現(xiàn)代社會(huì)では、デジタル技術(shù)を使った情報(bào)のやり取りがますます重要になっていることを痛感させられることになった。そして日本には情報(bào)ネットワークの管理や運(yùn)営について、「不足している部分」があることを改めて痛感させられることになった。

■もはや社會(huì)に欠かせないが今も未熟なデジタル技術(shù)、必要なことは何か？

まずデジタル技術(shù)についての「歴史的評(píng)価」だが、「とても若い技術(shù)」と考えるべきではなかろうか。例を挙げてみよう。1970年代ぐらいまでは、時(shí)おり停電が発生した。しかし今では極めて少ない。経験の積み重ねで関連技術(shù)が成熟したことが背景にあると考えてよいだろう。デジタル技術(shù)については、しばらく前までは「パソコンが固まる」という事態(tài)が多発した。最近ではパソコンが固まることは少なくなってきたが、規(guī)模が大きなシステム障害はしばしば発生している。技術(shù)全體としてやはり未熟な部分が多く殘っていると言わざるを得ない。

しかし人々の行動(dòng)や産業(yè)にこれほど密接にかかわるようになったからには、デジタル技術(shù)は可能な限り迅速に「さらに成熟」してもらわねばならない。技術(shù)の進(jìn)歩をもたらすために極めて有効なのが、競(jìng)爭(zhēng)原理をよりよく機(jī)能させることだ。

ところが、業(yè)界內(nèi)部では、日本の通信業(yè)界では競(jìng)爭(zhēng)原理が十分に働かなくなり、そのことが通信キャリアの機(jī)器メーカーに対する評(píng)価能力や監(jiān)督能力の低下などに結(jié)びついており、さらにそのことが、通信障害の多発の背景にあるとの見方が発生しているという。

■國(guó)民生活と社會(huì)の進(jìn)歩にとって何が「得」になり何が「損」になるのか

國(guó)際情勢(shì)の要素はもちろん考慮すべきだが、産業(yè)政策の最終目的は自國(guó)の國(guó)民に対して責(zé)任を果たすことだ。國(guó)民にとって納得がいく社會(huì)が実現(xiàn)し、國(guó)民がきちんと生活できる狀態(tài)であってこそ、さらに國(guó)民が國(guó)の將來像について、少なくとも一定以上の安心感を持ててこそ、社會(huì)は正常に進(jìn)んでいき、その社會(huì)にある企業(yè)も順調(diào)に業(yè)績(jī)を上げることができるはずだ。

世界の狀況を見れば、経済面における國(guó)と國(guó)の間にある「垣根」が取り払われることで、企業(yè)も人々も恩恵を得てきた。自由競(jìng)爭(zhēng)も、國(guó)と國(guó)の「垣根」を超えて広がってきた。だから、「選択肢」が増えてきた。さまざまなことを総合的に考慮した場(chǎng)合、國(guó)として競(jìng)爭(zhēng)原理にブレーキをかけるような方向が、國(guó)民にとって「得」になるのか「損」になるのか。

市場(chǎng)原理や競(jìng)爭(zhēng)原理を認(rèn)めるならば、「排除」は少なくとも、技術(shù)の進(jìn)歩や技術(shù)を利用した社會(huì)の改善にとっては「損」になると言わざるを得ないだろう。優(yōu)れた技術(shù)を利用できないことは、自らの「體力消耗」につながるはずだ。

「今の局面における対立」に気を取られすぎると、長(zhǎng)期的に有効なビジョンを持てなくなりかねない。何よりも大切なことは、「最終的あるいは長(zhǎng)い目で見た場(chǎng)合に、何が得策か」ということをしっかりと洞察することだろう。

考えてみれば、江戸時(shí)代の日本は後に「鎖國(guó)」と言われるようになる政策を取っていた。門戸を完全に閉ざしていたわけではないが、日本人が取り入れられる西洋諸國(guó)の進(jìn)んだ知識(shí)や技術(shù)には大きな制約があった。國(guó)內(nèi)は確かに安定していたが、國(guó)全體としての競(jìng)爭(zhēng)力の増強(qiáng)では大きな後れを取ることになった。

そして日本は明治維新を通じて、外國(guó)に対しての開放度の高い國(guó)になった。進(jìn)んだ知識(shí)や技術(shù)がどんどん入ってくるようになった?！告i國(guó)」あるいは「閉鎖」という道が長(zhǎng)期的に見て何をもたらすか、「開放」と「自由化」を推し進(jìn)めれば、どのような狀況が出現(xiàn)するのか。日本はかつて、そのことを経験したはずだ。（構(gòu)成/如月隼人）