新疆ウイグル自治區(qū)には世界で唯一、翼竜の化石が大量に存在する場(chǎng)所が存在する?！敢砀oのエデンの園」と言われるほどだ。発見(jiàn)されたのは2006年。しかし10年近くも「秘密」扱いで公開(kāi)されなかった。なぜなのだろう。中國(guó)科學(xué)院古脊椎動(dòng)物および人類(lèi)研究所の専門(mén)家である汪筱林氏は中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材に応じて、翼竜という生物の特殊性や現(xiàn)地の特殊な狀況、そして世紀(jì)の大発見(jiàn)の公開(kāi)を遅らせた特殊な事情を説明した。以下は王氏の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。

■翼竜という特殊な動(dòng)物と大量の化石が発見(jiàn)された特殊な狀況

まず知ってほしいことは、翼竜は恐竜の一種ではないことだ。両者とも爬蟲(chóng)（はちゅう）類(lèi)で、いずれも出現(xiàn)時(shí)期は今から2億3000萬(wàn)年ほど前だったが、翼竜と恐竜は別の系統(tǒng)の生物だ。そして今から6000萬(wàn)年前の生物の大量絶滅期に、いずれも滅んだ。地球に出現(xiàn)した飛翔能力がある脊椎動(dòng)物は翼竜、鳥(niǎo)類(lèi)、哺乳類(lèi)のコウモリの3種だけしか確認(rèn)されていない。

恐竜が鳥(niǎo)類(lèi)に姿を変え、多くの種が飛翔能力を持つようになったことは知られるが、翼竜の子孫が鳥(niǎo)類(lèi)であるわけではない。翼竜はコウモリの先祖でもない。

新疆ウイグル自治區(qū)のハミ市西部のゴビ地區(qū)には「翼竜のエデンの園」と呼ばれる一帯がある。この場(chǎng)所は天山山脈よりも南の位置にある。発掘作業(yè)を最初に行ったのは、中國(guó)科學(xué)院古脊椎所の邱占祥氏らだった。2005年のことだ。その後、科學(xué)調(diào)査隊(duì)が結(jié)成された。私も加わって現(xiàn)地調(diào)査を続けるようになった。調(diào)査は今も続けられている。

この「翼竜のエデンの園」は、世界でも翼竜化石が最も豊富で、広大な地區(qū)だ?；植激工牍?fàn)囲は1000萬(wàn)平方キロ以上で、うち70－80萬(wàn)平方キロの部分では1平方キロ當(dāng)たり少なくとも翼竜が1個(gè)體生息していたとみられる。生きていた個(gè)體の総數(shù)は億単位に達(dá)する。

重要なことは、この場(chǎng)所で翼竜の卵及び胚の化石が大量に発見(jiàn)されたことだ。かつては世界で出土した翼竜の卵の化石は4個(gè)だけで、すべて押しつぶされていた。胚が保存されていたのはうち3個(gè)だ。ハミで発見(jiàn)された翼竜の卵は200個(gè)以上ある。うち十?dāng)?shù)個(gè)は立體的な形狀が殘っていた。

ハミで発見(jiàn)された翼竜の化石は、卵、容體、亜成體、成體と、すべての発育段階のものが含まれている。また頭部の裝飾部分から雄と雌の違いが判明した。翼竜の性別が実証されたのは初めてだ。

天山山脈よりも北に位置するジュンガル盆地北西縁のウルホ地區(qū)では、1963年に石油関係者が翼竜の化石を発見(jiàn)した。中國(guó)科學(xué)院古脊椎所の楊鐘健氏はこの化石を研究し、1964年に「魏氏ジュンガル翼竜」と命名した。これは中國(guó)初の比較的完全な翼竜化石であり、初めて命名された翼竜だ。楊氏はその後も周辺地域で調(diào)査を続け、翼竜と共生する多くの恐竜やその他の爬蟲(chóng)類(lèi)の化石を発見(jiàn)した。そして1973年にはより小型の別種の翼竜を確認(rèn)して「複歯湖翼竜」と命名した。

天山山脈より北の地域と南の地域で翼竜が生きていたのはいずれも白亜紀(jì)だが、南と北では個(gè)體の形態(tài)が大きく異なる。理由については、二つの可能性がある。まず「白亜紀(jì)」は今から1億4500萬(wàn)年前から1億年ほど前の時(shí)期であり、4500萬(wàn)年の幅がある。南のハミと北のウルホでは翼竜の生息していた時(shí)期が異なるのかもしれない。ただし、どちらが早い時(shí)期なのかは分かっていない。

もう一つ考えられる理由は、天山山脈が現(xiàn)在よりも高く険しかったことだ。そのため北と南の翼竜が隔絶されてしまい、別の進(jìn)化が発生したことも考えられる。

■次第に解明されてきた「特殊な大量死」、しかし謎はまだ殘る

私たちのチームは、天山山脈の南北はいずれも、今から1億2000萬(wàn)年前から1億3000萬(wàn)年前の土地は、湖だったことを突き止めた。翼竜は湖の畔で群れをなして生活していた。湖の豊富な魚(yú)類(lèi)は翼竜にとって豊富な餌となったはずだ。

白亜紀(jì)の「翼竜のエデンの園」に存在した湖は、面積が1萬(wàn)平方キロ以上もあったと考えられている。地層生成および化石形成についての知見(jiàn)からは、化石としてハミに殘る翼竜は、突発的な災(zāi)害により短時(shí)間に大量死したと分析できる。湖で大きな嵐が発生するたびに、翼竜の群れが、もちろん卵なども含めて集団死したのだ。そして泥と共に湖底に沈んだ。

そして、ハミ地區(qū)の大きな湖で発生した嵐は極めて局所的なものだったと考えられる。すなわち翼竜の大量死が発生しても、嵐に見(jiàn)舞われなかった場(chǎng)所の翼竜は生き殘った。嵐は幾たびも発生したので、翼竜の化石は何層にもなって殘った。

翼竜は飛翔する動(dòng)物なので、重い骨があったのでは不都合だ。翼竜の骨は肉薄の中空のパイプ狀だ。そのため化石が殘ることは少なく、しかも狀態(tài)が良いものは極めて少ない。したがって、翼竜の化石がこれだけ大量に殘ったハミは、全世界の中でも極めて特異な場(chǎng)所だ。

ハミ地區(qū)では現(xiàn)在も古生物學(xué)の調(diào)査が続いており、新たな発見(jiàn)が付け加わりつつある。私たちは最近になり、ハミ地區(qū)には翼竜以外にも竜腳下目に分類(lèi)される恐竜と、獣足類(lèi)に屬する恐竜が生きていたことを突き止めた。この恐竜2種はそれぞれ「中國(guó)シルクロード巨竜」、「新疆ハミ巨竜」と命名した。このことにより、ハミ地區(qū)に存在した生物多様性の認(rèn)識(shí)の幅を広げることができた。

まだ不明なこともある。私たちはハミに生息していた翼竜は湖の魚(yú)を食べていたと考えているが、現(xiàn)地で魚(yú)に関係する化石は1點(diǎn)も発見(jiàn)されていないなどだ。

■正規(guī)の大発見(jiàn)を10年近くも「秘密」にした特殊な理由とは

ハミで翼竜の化石が発見(jiàn)されたのは2006年で、その年のうちに重大な発見(jiàn)があった。しかし発表されたのはかなり後になってからだ。古生物では重要な発見(jiàn)はすぐに発表されることが通例だ。なぜ発表しなかったのか。

これは、地上に露出している化石が多く、人為的な破壊を受けやすいと考えたからだ。將來(lái)の科學(xué)の進(jìn)展につながると判斷されれば、現(xiàn)場(chǎng)は必ず保護(hù)せねばならない。これは科學(xué)者の責(zé)任だ。そのため、現(xiàn)地政府が効果的な保護(hù)を行えるようになるまで、研究成果は10年間近くも秘密にされた。

狀況が変わったことで、私たちのチームがせねばならないことも変化した。ここ數(shù)年は、現(xiàn)地を國(guó)家地質(zhì)公園に指定し、博物館を建設(shè)する計(jì)畫(huà)を進(jìn)めている。完成すれば、化石や地質(zhì)構(gòu)造をしっかりと保護(hù)しつつ、科學(xué)研究と科學(xué)普及教育を進(jìn)めることができる。そうなれば、子孫に特殊で貴重な自然遺産を殘す一方で、「翼竜のエデンの園」が特徴ある観光地となり、地元の経済、社會(huì)、文化の発展を後押しすることになると期待している。（構(gòu)成 / 如月隼人）