中國新聞社 2022年8月2日(火) 5時(shí)30分
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ブルーカーボンという概念がある。海浜および海洋生態(tài)系を利用して空気中の二酸化炭素を吸著して主に有機(jī)物の形で固定することだ。寫真は海南省內(nèi)にある東寨港マングローブ自然保護(hù)區(qū)。
ブルーカーボンという概念がある。海浜および海洋生態(tài)系を利用して空気中の二酸化炭素を吸著して主に有機(jī)物の形で固定することで、國連環(huán)境計(jì)畫(UNEP)が2009年に提唱し始めた。中國南海(南シナ海)研究所の王勝所長はこのほど、中國メディアの中國新聞社の求めに応じて、ブルーカーボンについては國際協(xié)力が必要であり、中國の場合には特に東南アジア諸國連合(ASEAN)との協(xié)力を強(qiáng)化すべきとする、自らの主張を説明した。以下は王所長の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。
■ブルーカーボンはカーボンニュートラル実現(xiàn)のために有効
世界各國は2015年の國連気候変動會議で『パリ協(xié)定』に署名し、各國家が自主的に気候変動の緩和に貢獻(xiàn)することを明確にした。重要な目標(biāo)が、21世紀(jì)後半にはカーボンニュートラル(炭素中立)、つまり人類の活動で大気中に放出される炭素の量を吸収分と差し引きしてゼロにすることだ。そこで注目されているのがブルーカーボンだ。
具體的な方法としては沿岸のマングローブ林を育成して大気中の二酸化炭素を吸収?固定する、海藻を増やして海水中の二酸化炭素を取り組む。海藻の増加で海水中の二酸化炭素の濃度が低下すれば、大気中の二酸化炭素がより多く海水に溶け込むことになる。植物プランクトンを増やしても同様の効果が得られる。植物プランクトンのかなりの部分は動物プランクトンに食べられるが、動物?植物を問わずプランクトンが死んで死骸が深い海に沈めば、長い年月に渡って大気中に炭素が再び放出されることはない。貝類は炭酸カルシウムを主成分とする殻を生成する際に、海水中の二酸化炭素を吸収する。
これらの取り組みでは、國際協(xié)力が大切だ。中國の場合には、特にASEAN諸國との協(xié)力が重要だ。
中國は、大気中への炭素削減を2030年までに最大にする、つまりそれ以降は減らしていくことを2020年9月に宣言した。同時(shí)に、2060年までにカーボンニュートラルを?qū)g現(xiàn)する目標(biāo)も世界に向けて宣言した。これが中國の「ダブルカーボン」の目標(biāo)だ。中國は「ダブルカーボン」の約束を果たすためにも、ブルーカーボンの國際協(xié)力を推進(jìn)せねばならない。中國はブルーカーボンの推進(jìn)で、海洋産業(yè)の「高い質(zhì)へのモデルチェンジ」を?qū)g現(xiàn)する戦略も掲げている。
大気中の二酸化炭素問題に取り組んでいるのは中國だけでない。ASEAN諸國の多くも、二酸化炭素排出削減についての目標(biāo)を設(shè)定している。南シナ海は中國とASEAN諸國にとっての「わが故郷」だ。従って、ブルーカーボンへの取り組みで、中國とASEAN諸國の協(xié)力の余地は大きい。
■永続的なブルーカーボン実現(xiàn)には、「現(xiàn)世利益」的な仕組みも必要
まずは、ブルーカーボンでの協(xié)力を強(qiáng)化すべきという、共通意識を形成させねばならない。ボアオ?アジアフォーラムなど既存の國際交流プラットフォームを利用すれば、ブルーカーボンの協(xié)力を議論し、學(xué)術(shù)研究を強(qiáng)化し、中國とASEAN各國の交流や協(xié)力を推進(jìn)することができる。
それ以外の國際會議やフォーラム、展覧會などでも、未來のブルーカーボン発展の新たな構(gòu)想や新モデル、新産業(yè)を検討することができる。各國のシンクタンクによるブルーカーボン実務(wù)交流?協(xié)力プラットフォームの共同構(gòu)築を推進(jìn)し、科學(xué)知識の普及を強(qiáng)化し、関連學(xué)術(shù)議題を設(shè)置し、海南省と東南アジアに住む人々のブルーカーボン協(xié)力意識を強(qiáng)化することができる。
次は現(xiàn)実面での協(xié)力だ。中國は世界最大の発展途上國であり、ASEANは急速に発展しつつある世界第5位の経済実體だ。中國とASEANは世界の気候変動に対応する上での発言力を強(qiáng)めるべきだ。各國は平等な立場で気候と海洋の問題での協(xié)力メカニズムを構(gòu)築し、共同行動計(jì)畫を制定し、海上実務(wù)協(xié)力プロジェクトを?qū)g施すべきだ。そうすることで、國際社會の理解と支持を得るよう努力すべきだ。
ブルーカーボンの取り組みは極めて重要だが、物事は現(xiàn)実問題として、理念だけでは継続できない。そこで中國とASEANは國際ブルーカーボン市場メカニズムの構(gòu)築に積極的に參加すべきだ。世界のブルーカーボン取引市場の建設(shè)はまだ萌芽(ほうが)段階だ。中國とASEAN諸國は自らのブルーカーボン資源の優(yōu)位性を利用して、積極的に世界のブルーカーボン取引市場建設(shè)の具體的なステップと戦略的枠組みに參與し、世界のブルーカーボン市場における発言権と価格交渉能力の向上を図るべきだ。
■ブルーカーボンでの國際協(xié)力で良好な國際環(huán)境を醸成できる可能性
南シナ海をめぐっては、國際政治上デリケートな問題もある。しかし、大気中の二酸化炭素削減が必要ということで、各國の考えは一致している。すなわち、ブルーカーボンは各國が協(xié)力しやすい分野だ。またASEAN諸國は気候変動の影響が最も深刻な地域の一つであり、その一方ではブルーカーボンの取り組みを進(jìn)めやすい條件がある。フィリピン、インドネシア、マレーシアなどのマングローブ林面積はいずれも世界上位だ。中國とASEAN諸國のブルーカーボン分野の協(xié)力を展開する余地は大きく、効果的な協(xié)力を推進(jìn)できれば、中國とASEAN諸國が南シナ海での協(xié)力を進(jìn)めるモデルの一つになるだろう。
中國はブルーカーボンの手法の一つとして「炭素シンク漁業(yè)」を提唱している。重要な考え方は、動植物プランクトンなどを含めて海洋中の生物資源全體を豊かにしていきつつ、人の食用となる水産資源も得ようということだ。もちろん漁業(yè)のためのエネルギー使用にともなう二酸化炭素排出も減らしていく。
東南アジアの多くの國にとって、漁業(yè)は重要な産業(yè)だ。「炭素シンク漁業(yè)」を普及させれば、漁業(yè)の質(zhì)を高めることと炭素排出の削減が同時(shí)に実現(xiàn)する。また各國が協(xié)力して取り組むことは、南シナ海沿岸國の南シナ海における違法操業(yè)を減らし、國と國の漁業(yè)関連の紛爭を回避することにつながるだろう。
中國とASEANの南シナ海沿岸國は、海上新エネルギー産業(yè)分野の協(xié)力を推進(jìn)することもできる。中國は2021年9月に、海外で新規(guī)の石炭火力プロジェクトは実施しないと宣言した。一方で、ASEANの南シナ海沿岸國にとって、海上風(fēng)力エネルギー、海洋溫度差エネルギー、海洋波エネルギー、海洋潮汐潮流エネルギーなど、海洋絡(luò)みのエネルギー資源は豊富だ。これらを積極的に利用して環(huán)境に負(fù)荷をかけないエネルギー供給體系を確立できれば、それぞれの國が自國國民の生活レベルを確保し、エネルギー関連の安全保障を強(qiáng)化できることにもなる。
■ブルーカーボンで「やることの順番」を示すロードマップ
今後すべきこととしてはまず、ブルーカーボン技術(shù)、政策、規(guī)則の研究協(xié)力の強(qiáng)化がある。中國國內(nèi)の良質(zhì)な學(xué)術(shù)資源を統(tǒng)合し、國內(nèi)外の関連シンクタンク?科學(xué)研究機(jī)関との多學(xué)科協(xié)同難関突破協(xié)力を強(qiáng)化し、ブルーカーボンの評価?モニタリング?計(jì)算基準(zhǔn)を明確化し、ブルーカーボン取引の範(fàn)囲と対象を明確にするための法整備も行う。世界に普及できるブルーカーボンのモデルと標(biāo)準(zhǔn)體系を早急に制定すべきだ。
ブルーカーボンに取り組んでいるのは中國やASEAN諸國だけではない。さまざまな國際組織が「ブルーカーボン?イニシアチブ」についての提案を行い作業(yè)を進(jìn)める狀況がある。中國は個(gè)別の取り組みを研究し、狀況に応じて參加すべきだ。中國國內(nèi)の海洋関連のシンクタンクや科學(xué)研究機(jī)関は、関連する國外の機(jī)関と多層的な交流や協(xié)力を積極的に強(qiáng)化すべきだ。特に中國とASEAN諸國は、多國籍の科學(xué)研究協(xié)力チームを結(jié)成し、ブルーカーボンモデル?yún)f(xié)力プロジェクトを支援すべきだ。
そして、中國は自國內(nèi)外の先進(jìn)的な技術(shù)やモデルを參考に、海浜濕地とマングローブ林、さらに生態(tài)に配慮した水産物の養(yǎng)殖を増やすべきだ。海洋微生物の増殖、貝類や藻類による炭素固定、海洋カーボンニュートラルモデルなどのブルーカーボンモデルプロジェクトを積極的に進(jìn)めるべきだ。海洋エコツアー、や洋レジャー漁業(yè)、ブルーカーボン技術(shù)サービス、ブルーカーボン金融などの産業(yè)體系を構(gòu)築して経済効果をもたらす仕組みを作ることも、ブルーカーボンの推進(jìn)にとって有効だ。(構(gòu)成 / 如月隼人)
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