中國で若者層の雇用危機が深刻化する中、公務(wù)員や國有企業(yè)への就職を目指す大卒者が増えている、と米ブルームバーグ通信が伝えた。記事は「若者たちが政府に不満をぶつけるのではなく、國有企業(yè)などに就職しようとしていることに習近平國家主席は安堵（あんど）しているかもしれない」と皮肉った。

ブルームバーグ通信によると、16～24歳の都市部失業(yè)率は6月、過去最悪の19．3％と、米國の2倍余りの水準に上昇。政府の厳格な新型コロナウイルス対策で人々は職を失い、不動産?學習塾企業(yè)に対する規(guī)制強化が民間部門に打撃を與えた。労働市場は今夏、大學と専門學校を卒業(yè)した過去最多の約1200萬人を迎えるが、これも雇用のミスマッチを強めることになる。

希望する職に就けない若者たちは民間企業(yè)に失望し、報酬の低い公的部門で働くこともいとわないようになっている。こうした傾向が続けば経済成長にはマイナスで、労働力の縮小は國內(nèi)総生産（GDP）に対する下押し圧力となる。

人材サービスの51ジョブによると、大卒者の約39％が昨年、國有企業(yè)への就職を第1志望として挙げた。2017年は25％だった。公務(wù)員を第1志望とした割合は28％に上ったが、新型コロナのパンデミック（世界的大流行）に見舞われた労働市場では合理的な選択だ。

人材派遣などを扱う智聯(lián)が4月に実施した調(diào)査によると、大卒者が期待する初任給は昨年に比べ6％余り下がり月6295元（約12萬7000円）となった。この間に國有企業(yè)などの魅力が高まったという。

中國のインターネット上で昨年広がった「躺平（寢そべり）」という言葉は、過酷な競爭から離脫し、手の屆く楽な生活で満足しようという若者たちのスローガンだ。経済成長が鈍る中で仕事と生活のバランスをもっと良くしたいという願いでもある。彼らは寢そべり族と呼ばれたが、失業(yè)狀況の悪化が続く今、多くの若者たちは「擺燗」という「仕事なんて放っておけ」という意味のキャッチフレーズを用いるようになっている。

北京の中央財経大學を卒業(yè)したフーさんは動畫投稿アプリ大手、快手科技などネット企業(yè)3社でインターンとして働いたが、考えを変えた。「ネット企業(yè)の従業(yè)員はいつでも解雇されるかもしれないと感じていて、誰もが自分の今後を心配している」と指摘。結(jié)局、職を得たのは國有通信會社チャイナテレコム（中國電信）傘下の研究所だ?！盖趧?wù)時間は午前8時半から午後5時半で、仕事量はかなり軽いと思う。ネット企業(yè)は消耗し過ぎる」と話した。（編集/日向）