華為技術(shù)（ファーウェイ）の日本法人であるファーウェイ?ジャパンは7月26日、東京都內(nèi)で日本市場(chǎng)向け新商品の発表會(huì)を行った。発表されたのはいずれもエンドユーザー向け製品で、技術(shù)力の向上が強(qiáng)く印象づけられる製品ぞろいだった。ただし、翌27日になり、同時(shí)點(diǎn)ではまだ紹介されなかった「使い勝手の向上」があることが分かった。

■巨額の研究開発費(fèi)投じた成果を製品に生かす

製品発表に先立ち、ファーウェイ デバイス日本?韓國(guó)リージョンプレジデントの楊濤氏は同社の狀況について、ブランド価値は前年比28．6％増の712億ドルに達(dá)し、ランキングでは第9位とトップテン入りしたと紹介。引用したのはブランド評(píng)価および戦略コンサルタントを手掛けるブランドファイナンス（本社?英國(guó)ロンドン）によるまとめだ。

また、EUにある研究機(jī)関の調(diào)べでは同社が2021年に投じた研究開発費(fèi)は175億ユーロ（約2兆4000億円）で、グーグルを運(yùn)営する米アルファベットの225億ユーロ（約3兆円）に次ぐ世界第2位だったという。

新商品としてはまず、同社が「スポーツ＆ヘルスケア」関連製品に位置づけるスマートウオッチのHUAWEI WATCH GT 3Proが発表された。チタン外殻で厚さ46ミリのモデルとセラミック外殻で厚さ43ミリのモデルがある。水深30メートルに対応しており、ダイビング時(shí)に身體が発するさまざまなデータを取得できる。またロングバッテリーの採(cǎi)用で、チタンモデルならば連続14日間、セラミックモデルは7日間の連続使用が可能だ。

■中國(guó)では健康関連のビッグデータ使った「疾病予知」の取り組み

日本などでは行政による了承の有無などの問題があって実現(xiàn)していないが、ファーウェイは中國(guó)では自社製のスマートウオッチを使って利用者の健康関連データを収集してビッグデータ化して、體の異変を事前に警告する「予防醫(yī)學(xué)のための有効利用」を推進(jìn)している。ファーウェイ製ブランドファイナンスの利用者數(shù)は累計(jì)5億5000萬人に達(dá)しており、データの活用については80カ所以上の病院や研究機(jī)関と協(xié)力して研究を進(jìn)めている。

利用できる身體関係のデータも、例えば16年には安靜時(shí)の心拍モニタリングしかできなかったが、現(xiàn)在では24時(shí)間連続のモニタリングが可能だ。さらに、心拍數(shù)の変化が激しいため短時(shí)間での心拍數(shù)を計(jì)測(cè)が難しかったインターバル走を行う際の利用でも、AIによるディープラーニングで大量のデータを?qū)W習(xí)させることで、正確に心拍信號(hào)を抽出することが可能になった。

その他、血糖値データや肺機(jī)能を測(cè)定して利用する研究も進(jìn)めており、將來はより多方面のデータを採(cǎi)取して利用できるようにする考えだ。情報(bào)量は今後も増えていくことが確実だが、情報(bào)処理には、ファーウェイが獲得した高能率のアルゴリズム構(gòu)成などが有効に活用される。

■個(gè)人情報(bào)の扱いでは細(xì)心の注意、國(guó)際基準(zhǔn)にも合致

なお、深センからオンライン方式でスポーツ＆ヘルスケア部門について説明した同部門の張煒CEOは、ユーザーに提供してもらう健康情報(bào)は極めて慎重に、かつ誰もが納得できる方法で扱っていると強(qiáng)調(diào)した。

たとえば、ファーウェイ側(cè)がデータを取得できるのは、各ユーザーが許可した場(chǎng)合のみだ。また、データの使用権限範(fàn)囲も明確に示している。ユーザーが望むならばデータの提供を打ち切ることもできる。セキュリティーについては、通信や保存の際には暗號(hào)化している。そのことなどにより、安全性についてはGAPPなどの國(guó)際基準(zhǔn)も満たしているという。

なお、HUAWEI WATCHシリーズは、「スポーツを行う人」に十分に対応することを念頭に置いている。有効活用できるスポーツの種類も、陸上、水泳、ダイビング、さらには高地対応が可能になったことで高山のトレッキングなどでの高山病対策にも使えるようになった。念頭に置いているのは、個(gè)人やその時(shí)の狀況によって異なる最適のトレーニング強(qiáng)度を科學(xué)的に算出し、けがのリスクを低減することだ。會(huì)場(chǎng)にいたファーウェイのスタッフによると、ファーウェイのスマートウオッチを利用する中國(guó)の一流アスリートも増えつつある。

なお、ファーウェイはスマートウオッチの研究開発を自國(guó)內(nèi)だけでなく、英國(guó)や日本、イスラエルでも進(jìn)めている。英國(guó)では基礎(chǔ)研究、日本では運(yùn)動(dòng)健康基準(zhǔn)やセンサー、素材関連、デザイン、イスラエルではセンサーや基礎(chǔ)測(cè)定技術(shù)など、それぞれの國(guó)の得意分野を生かした分擔(dān)をしているという。スマートウオッチ以外でも、世界各地の研究所の「ベストマッチ」により、効率的に成果を出す方式を採(cǎi)用している。

■イヤホンでは裝著感や音質(zhì)、使いやすさに大きな進(jìn)展

同日発表されたHW FreeBuds Pro 2も、多くの研究成果や技術(shù)が盛り込まれた製品だった。ファーウェイはイヤホンの開発に當(dāng)たって、大量の三次元耳型モデルを作成して裝著感の確認(rèn)をしている。まず大量の3D仮想モデルを構(gòu)築して、1日當(dāng)たり1萬回に相當(dāng)するパラメータ分析を行う。さらに、実際に人を使っての裝著安定試験を1製品當(dāng)たり400時(shí)間繰り返すなどして、ミクロン単位の寸法最適化を図っている。

音質(zhì)面については、まず重低音用の4マグネットダイナミックドライバーで14Hｚの低音を再生できるようになった。人にとって14Hｚはもはや、「普通の音」には聞こえない音域だが、振動(dòng)を察知することで音楽の迫力感が増す。通常のスピーカーでも、専門性が高い特殊なスピーカーを除けば、この音域を再現(xiàn)できるものはないという。

低音の迫力で知られる楽曲の一つに、ストラビンスキー作「火の鳥」組曲がある。不死身の魔王が登場(chǎng)する１曲では、冒頭で低周波成分を豊富に含む大太鼓が強(qiáng)打される。クラシック音楽ファンは「あの迫力は生演奏でないと…」などと言い合ってきたものだ。會(huì)場(chǎng)でHuawei FreeBuds Pro 2を視聴させてもらったところ、曲目リストにこの曲があったので試してみた。イヤホンである関係上、全身の體表面で低音振動(dòng)を感じることはできないが、耳に飛び込んで來た音は驚いたことに、コンサート會(huì)場(chǎng)で聞ける音とほぼ同じに感じられた。

同製品は、中高音用に新開発のマイクロ平面振動(dòng)版ドライバーを世界で初めて採(cǎi)用したことも特徴だ。イヤホン內(nèi)蔵機(jī)器は、イヤホンの形狀により大きな制約を受ける。このマイクロ平面振動(dòng)版ドライバーの開発でも、形狀に合わせた設(shè)計(jì)にすることが極めて重要だった。しかし同時(shí)に、クリアで歪みの少ない音を?qū)g現(xiàn)した。例えばドライバーは、音信號(hào)を瞬間的に止めても物理的慣性のために振動(dòng)が完全に停止するまでわずかではあるが時(shí)間がかかる。HW FreeBuds Proが採(cǎi)用した平面振動(dòng)版ドライバーは、従來型のドライバーと比べて完全停止までの時(shí)間を格段に短くできた。このような技術(shù)の積み重ねが、よりクリアな音をもたらすことに結(jié)びついたと言ってよい。

■「難聴予防に効果あり」とされるノイズキャンセリングもさらに進(jìn)化

もう一つ重要なことは、音楽聴取時(shí)だけでなく、通話時(shí)にも大きく関係するノイズキャンセリング/リダクションシステムだ。FreeBuds Pro 2では、マイク3臺(tái)と骨振動(dòng)センサーを搭載しただけでなく、通話時(shí)に気になる風(fēng)ノイズはイヤホン全體の形狀を空気力學(xué)的に洗練されたものにすることで低減し、さらにはノイズ低減アルゴリズムを投入することで、従來型の製品よりもより効果的にノイズを低減することに成功したという。

音楽聴取時(shí)などのノイズキャンセリングでは、センサー用マイクを3臺(tái)も搭載させたことが効果を発揮する。また、外界の騒音レベルを3段階に分類して認(rèn)識(shí)することで、人の耳の特性にもより合致したノイズキャンセリングを?qū)g現(xiàn)した。FreeBuds Pro 2の場(chǎng)合、音楽などのボリュームを抑え気味にして聞いていても、例えば背後から誰かに聲をかけられた場(chǎng)合に、気づかない場(chǎng)合があるほどだ。

若者を中心に、電車內(nèi)などでヘッドフォンやイヤフォンを使って音楽を聴く人が増えたことで、「娯楽性難聴」という癥狀に悩む人が増加した。騒音がある中で音楽を鮮明に聴こうとして、音量を大きくしてしまうからだ。ノイズキャンセリングは「娯楽性難聴」の予防に有用との研究結(jié)果もある。FreeBuds Pro 2がノイズキャンセリング機(jī)能をさらに向上させたことは、利用者の「耳の健康」を守りやすくしたと言える。

なお、FreeBuds Pro 2では、音響関連の性能を引き上げるだけでなく、高品質(zhì)な通信の確立にも力が注がれた。例えば990kbpsという転送速度を?qū)g現(xiàn)するBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応したことも重要な特徴の一つだ。

■「?jìng)€(gè)別製品の評(píng)価」から「総合的な実力評(píng)価」の時(shí)代に

ファーウェイ?ジャパンは26日には、基本的に日本市場(chǎng)向けに新製品を発表したが、ファーウェイ本社は27日、中國(guó)內(nèi)外市場(chǎng)向けに自社開発のOSの新バージョンであるハーモニーOS3のリリースをオンライン方式で発表した。その時(shí)點(diǎn)でHUAWEI WATCH GT 3ProやFreeBuds Pro 2を含む多くの製品がハーモニーOS3に対応していることを正式に明らかにした。

ハーモニーOSは19年発表の最初のバージョンからIoT（モノのインターネット）での利用を強(qiáng)く意識(shí)して開発されてきたが、ハーモニーOS3ではIoTへの対応性をさらに強(qiáng)化したという。

HUAWEI WATCH GT 3ProやFreeBuds Pro 2を含めファーウェイの新製品は、個(gè)別の機(jī)器としての性能向上が注目されたが、評(píng)価に際してはすでに、IoTの技術(shù)を利用して他の機(jī)器やOSなどを使った場(chǎng)合の利便性向上も考え合わせる必要がある狀況だ。（取材/構(gòu)成　如月隼人）