中國(guó)新聞社 2022年8月5日(金) 20時(shí)0分
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中國(guó)には古くから、「民は國(guó)の本(もと)」とみなす民本という考え方があった。孟子も民本を強(qiáng)調(diào)した思想家の一人だ。寫(xiě)真は山東省?鄒城市內(nèi)の孟廟孟府。
中國(guó)メディアは論説などで、西側(cè)の民主主義、とりわけ米國(guó)の民主主義を批判している。政治家は実際には黨派爭(zhēng)いに終始しており、また選挙結(jié)果は大資本に支配されるメディアの論調(diào)に容易に左右されるといった主張だ。全面的に受け入れるかどうかは別にして、「一理ある」とは言えるかもしれない。中國(guó)は一方で、自國(guó)は人民の意志を的確に反映する制度を整えている、すなわち真の民主制度を?qū)g現(xiàn)させたとも主張している。たしかにいかなる體制であれ、民意に大きく離反したのは國(guó)家運(yùn)営は不可能だ。國(guó)民の全體的意志を反映する政治が行われているならば、西側(cè)の方式とは違うが「中國(guó)式民主」が成立していると言ってよいだろう。
ところで中國(guó)には古くから「民本」という考え方があった。國(guó)の基盤(pán)は「民」であり、「民」の現(xiàn)実的要望を満足させる政治を行わねばならないとする政治思想だ。西洋由來(lái)の民主と中國(guó)伝統(tǒng)の民本は、何が同じで何が違うのか。民本の理念は現(xiàn)代中國(guó)の政治にも生かされているのか。西北政法大學(xué)政治?公共管理學(xué)院の張師偉教授はこのほど中國(guó)メディアの中國(guó)新聞社の取材に応じて、「民本」や「民主」について解説した。以下は張教授の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。
■孟子も強(qiáng)調(diào)した「民本」、すべては民のためという伝統(tǒng)思想
中國(guó)古來(lái)の民本主義とは、「民を國(guó)の本(もと)とする」という考えだ。國(guó)の存亡を決定するのは民と考え、民を恐れ、民の聲を聞くべきと考える。國(guó)政擔(dān)當(dāng)者は私利を目的とせず、民のために政治せねばならない。民本主義は西周(紀(jì)元前1100年ごろ-同771年)時(shí)代には他の政治的思想と融合して、中國(guó)の伝統(tǒng)的政治思想の重要な一部になった。中國(guó)では民本思想をはじめとして、人間本位の政治実踐が行われるようになった。
孟子(紀(jì)元前372年ごろ-同289年ごろ)は、夏(か)の桀王と殷の紂王が國(guó)を失ったのは民の心を失ったためだと説いた。さらに、為政者が民の心を得るためには、民が望むことを行い、民が嫌うことをしないことが必要であり、民がそのような仁政に帰服するのは「水が低きに流れる」ように自然な現(xiàn)象だと論じた(「孟子?離婁上」)。
中國(guó)では、大切にせねばならないのは民の一部ではないと考えられた。民全體が共存共生するようにせねばならないのだ。つまりだれもが納得する利益の配分は、民本の中でも重要な部分だ。また民を大切にするのは形式ではなく、徳を持って人を愛(ài)し、禮をもって愛(ài)を示さねばならないと考えられた。これらが中國(guó)の政治の基本原則になった。
■現(xiàn)実の政治で「民本」の効果は限定的だった
「民本」は中國(guó)の歴史上、一貫して「良いもの」とされたが、政治理念としては影響力を持ち続けたが、民本を「確実に作動(dòng)」させるための制度は構(gòu)築されなかった。一方の西洋では、歴史の早い時(shí)期に「民主主義」が出現(xiàn)したが、その後は長(zhǎng)期に渡り、社會(huì)の上層部から「良いもの」とは見(jiàn)なされなかった。社會(huì)を混亂させ、「多數(shù)による圧政」をもたらすと考えられたからだ。しかし制度面での影響は絶えることがなかった。
「民本」も「民主」も、政治の目的は民にあると考えた。政治は社會(huì)共有の公器であり、「公」を利用して私腹を肥やすことは非難されるのが當(dāng)然と考えられたのも同様だ。しかし、民意が政治上の決定に反映されるシステムは違っていた。民本の基本は「為政者は民の聲を聞く」だった。
つまり、民意が政治を決定するのではなかった。民本の機(jī)能は「統(tǒng)治者の公の心を引き出す」ことに限定されていた。
■西洋式の「民主」にも問(wèn)題がつきまとった
西洋の「民主」は、歴史の流れにともない制度面における堅(jiān)固な保障が構(gòu)築されることが比較的多かった。ただし西洋の「民主」の國(guó)家統(tǒng)治は、社會(huì)の中の一部の人を代表し、政治を利益ゲームにする傾向が発生しがちだった。またそれぞれの人、あるいはそれぞれのグループが政治を通じて利益を得ようとすれば、「公の利益の実現(xiàn)」や「公の害の除去」も実現(xiàn)されないことになりかねない側(cè)面もあった。
「効果的統(tǒng)治」の視點(diǎn)から見(jiàn)れば、西洋でブルジョア階級(jí)が出現(xiàn)してから彼らが進(jìn)めた「民主」には、先進(jìn)的な面があった。だからこそ西洋の列強(qiáng)は全世界に進(jìn)出した。しかしその結(jié)果として、非西洋地域の植民地化が進(jìn)んだ。そして、東洋が西洋に屈する不平等な國(guó)際構(gòu)造がもたらされた。
中國(guó)の支配階級(jí)は祖國(guó)が屈辱的狀態(tài)になったことを受け、外來(lái)の「民主」を受け入れる決心をした。しかし彼らには民本の概念がしみついていた。そのため、民本という「中華の魂」に民主という「西洋の技」を接ぎ木して融合させようという狀況になった。
■「民本」の考え方に西洋由來(lái)の民主を融合させるなどで「全過(guò)程の民主」を?qū)g現(xiàn)
実際に、中國(guó)伝統(tǒng)の民本と西洋由來(lái)の民主は、「政治は人民のため」という出発點(diǎn)は共通している。つまり両者を結(jié)合させることは可能だ。中國(guó)では西洋の民主が近代中國(guó)を形成する足掛かりとなった。それは中國(guó)における現(xiàn)代民主思想と民主建設(shè)の出発點(diǎn)でもあった。
また中國(guó)の伝統(tǒng)である民本の考え方は、「民全體の利益」を重視するものだった。中國(guó)にはこのような感覚が殘っているので、社會(huì)おける複數(shù)のグループの「利益ゲーム」に墮しやすい西側(cè)の民主が抱える問(wèn)題をある程度矯正することになった。
また、西側(cè)の民主主義では「選挙の時(shí)だけ機(jī)能する」という弊害が発生しがちだ。中國(guó)で、民主は政治の各段階、各方面を貫徹させねばならないと考えられていることは、伝統(tǒng)的な民本思想の影響を受けている。中國(guó)で「全過(guò)程人民民主」と呼ばれている政治形態(tài)だ。
もちろん、「全過(guò)程人民民主」は伝統(tǒng)的な民本と同じではない。全く新しい民主形態(tài)と言わねばならない。全過(guò)程の人民民主の理論と実踐は中國(guó)で形成された。伝統(tǒng)的な「民本」の精神を受け継いでいるが、一方では全く新しい民主の理論と実踐との面を持つ。つまり「民本」をそのまま延長(zhǎng)したのではなく、批判的に分析して、その精華を現(xiàn)代中國(guó)に適合するものにした。豊富で深い伝統(tǒng)的な考え方を現(xiàn)代社會(huì)に適合するものにすることは、中國(guó)の知恵だ。この中國(guó)の知恵の実踐の成果は全人類(lèi)に示される。參考にする価値は大いにあるはずだ。中國(guó)は中國(guó)の知恵をもって、全人類(lèi)に貢獻(xiàn)している。(構(gòu)成 / 如月隼人)
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