中國(guó)の外交攻勢(shì)が目立っている。7月に北京で開催される米中戦略対話に両國(guó)の閣僚多數(shù)が集結(jié)。経済交流の一層の促進(jìn)や軍事安全保障、環(huán)境問(wèn)題などが話し合われる。習(xí)近平國(guó)家主席が7月初旬にも韓國(guó)を訪問(wèn)し、樸槿恵大統(tǒng)領(lǐng)と會(huì)談するのに続いて、ブラジルでのBRICS首脳會(huì)議に出席、プーチン露大統(tǒng)領(lǐng)やモディ?インド新首相らと會(huì)談する。

【その他の寫真】

米中の戦略対話には両國(guó)の閣僚多數(shù)が、政治や安全保障、経済、金融など幅広い領(lǐng)域にわたる両國(guó)関係の諸課題を協(xié)議する。米國(guó)にとって最大の課題は巨額の米政府債務(wù)と経常赤字の削減。経済の破綻を避けるためには軍事費(fèi)の削減と、世界最大の中國(guó)消費(fèi)市場(chǎng)のさらなる取り込みが不可欠という。米國(guó)から大手企業(yè)數(shù)十社幹部が同行する予定で中國(guó)側(cè)と企業(yè)間協(xié)力について話し合う。

◆米國(guó)とがっちり握手

表面上対立しているかに見(jiàn)える米中だが、実際はがっちりと手を握り合っているのが実情。米政府関係者は「米中は利害を共有しており、実際は米中関係に根本的な変化は起きておらず、米國(guó)、中國(guó)の基本的な姿勢(shì)は不変」との見(jiàn)方を示した。11月に北京で予定されているアジア太平洋経済協(xié)力（APEC）首脳會(huì)議時(shí)にオバマ大統(tǒng)領(lǐng)と習(xí)近平國(guó)家主席による首脳會(huì)談が開かれ、米中関係のさらなる進(jìn)展へ協(xié)議することになるという。

6月26日から8月1日にかけ米ハワイ諸島沖で行われる米海軍主催の環(huán)太平洋合同演習(xí)（リムパック）に中國(guó)を初めて招待、同國(guó)は駆逐艦や病院船など4隻を派遣することになっている。ハワイでは海軍だけでなく、陸軍同士も非常時(shí)支援訓(xùn)練などで米中が協(xié)力、空軍同士の交流もスタートしている。米國(guó)は中國(guó)版NSC（國(guó)家安全委員會(huì)）である黨中央國(guó)家安全委員會(huì)が今年初めに発足したことを、「カウンターパートが出現(xiàn)した形で、迅速かつ臨機(jī)応変に協(xié)議できるようになった」として歓迎している。

◆初の韓國(guó)訪問(wèn)、対インド外交も積極化

習(xí)主席の韓國(guó)訪問(wèn)は就任後初めて。中韓自由貿(mào)易協(xié)定（FTA）の推進(jìn)など経済交流の強(qiáng)化策で合意するほか、北朝鮮情勢(shì)についても協(xié)議する見(jiàn)通しだ。中韓は歴史問(wèn)題を巡って連攜を深めており、対日関係でさらなる?yún)f(xié)調(diào)姿勢(shì)を確認(rèn)するものとみられる。

中國(guó)の王毅外相は6月上旬、インドを訪問(wèn)し、ニューデリー市內(nèi)でモディ新首相と會(huì)談。モディ首相は今年後半の習(xí)近平國(guó)家主席の訪印を求める一方、訪中の招待を受け入れた。モディ氏は中國(guó)との貿(mào)易や投資の拡大に意欲を示したという。経済の再生を最優(yōu)先に掲げるモディ氏にとって中國(guó)の経済力は大きな魅力。中國(guó)企業(yè)専用の工業(yè)団地「中國(guó)ビジネスパーク」の設(shè)置や進(jìn)出企業(yè)向けの優(yōu)遇稅制を検討している。

中國(guó)は歐州諸國(guó)との経済協(xié)力も強(qiáng)化する。李克強(qiáng)中國(guó)首相は6月中旬に訪英し、キャメロン英首相と會(huì)談、中國(guó)向けのエネルギー供給の拡大や、ロンドンとイングランド北部を結(jié)ぶ高速鉄道への中國(guó)企業(yè)の參加、人民元決済推進(jìn)などで合意した。今回、李首相には200人を超える國(guó)有企業(yè)や大手民間企業(yè)の幹部も同行。キャメロン首相は、英國(guó)と中國(guó)の間で結(jié)ぶ契約が総額140億ポンド（約2．4兆円）に達(dá)することを明らかにした。習(xí)近平主席は今年3月、獨(dú)、仏、オランダ、ベルギー4カ國(guó)を歴訪、各國(guó)で首脳外交を展開し経済交流促進(jìn)で合意している。

◆アフリカ?中南米で存在感増す

南米ボリビアのサンタクルスで6月中旬、途上國(guó)や中國(guó)で構(gòu)成するサミット「G77プラス中國(guó)」が開催され、133カ國(guó)の代表者が集まった。サミットの創(chuàng)立50周年を祝うとともに、世界の課題に対する新たな構(gòu)想について協(xié)議した。アフリカや中南米ラテンアメリカへの投融資で中國(guó)の存在感は突出している。中國(guó)が音頭をとって約20カ國(guó)が出資する「アジアインフラ投資銀行」も今秋、旗揚(yáng)げする。日本が総裁を歴代つとめてきたアジア開発銀行（ADB）に対抗する形だ。

さらに、中國(guó)の楊潔チ國(guó)務(wù)委員（外交擔(dān)當(dāng)、副首相級(jí)）が6月中旬、南シナ海で対立しているベトナムを訪問(wèn)し、最高指導(dǎo)者のチョン?ベトナム共産黨書記長(zhǎng)やズン首相とも會(huì)談し、対立が続く南シナ海問(wèn)題の打開策を協(xié)議した。ベトナム側(cè)は問(wèn)題解決に向け、グエン?フー?チョン共産黨書記長(zhǎng)と中國(guó)の習(xí)近平國(guó)家主席との電話會(huì)談や、書記長(zhǎng)の特使訪中などの可能性を探っているという。

日本は中國(guó)の「したたか外交戦略」を念頭に置き、冷靜に分析した上でより効果的な防衛(wèi)外交政策を推進(jìn)すべきであろう。（八牧浩行）

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。